そして、左手には頂上部分が乳首のように突起している山が見えてくる。 疲れて頭の動きが鈍くなっているなと思いつつよく見ると、その山の左後方に
甲斐駒ヶ岳が確認できたので、その山が
鋸岳 (第一高点) と気付く。 鋸岳、甲斐駒ヶ岳の後方にはやや雲が多く、 青空をバックにその姿が映えているという訳にはいかないが、ここまでほとんど展望が得られなかっただけにテンションがグッと上がる。 | |
そして、斜面を登り切り、疎らに生える木々の間を抜ければ、 そこは白岩岳の頂上であった。時刻は 10時16分。 急登の連続に苦労はしたものの、意外にあっさりと頂上に到着したので少々拍子抜けだが、 それでも念願の頂上に立てたのは非常に嬉しい。 この白岩岳の頂上には二等三角点 (標高 2,267.4m) の他、 この山の特徴である白い岩が散乱しており (ケルンのように積まれているものもある)、 さらには歴史を感じさせる石碑も置かれている。 |
|
その石碑を見ると、その正面には 『 通大天杓 (あるいは扚) 』 と彫られており (この天杓は天狗のことと思われる)、 さらに右サイドには 『 天保五年 甲午 (きのえうま) 八月吉日 五穀成就 』、 左サイドには 『 黒河内村 施主 山本講中 』 とある。 天保五年 (1834年) は天保の大飢饉 (1833〜39年) の最中なので、このような奥深い山に重い石碑を担ぎ上げたということは、 村民の五穀豊穣に対する願いがかなり切実なものだったと推測できる。 一方、展望の方であるが、ややドンヨリとしていてスッキリとしないものの、 それなりに多くの山々を見ることができる。 | |
まずは上述の石碑後方には中央アルプスが見えている。 写真 右手の大きな山が
空木岳 (一番右の山は東川岳)。 |
|
空木岳に目を戻せば、
その右側の稜線は木曽殿越方面へと大きく下った後、再び東川岳へと立ち上がり、さらにその右に熊沢岳、檜尾岳といった東川岳と同じような高さの山が続く。 三ノ沢岳の右手、濁沢大峰から続く稜線の先には島田娘、宝剣岳、 伊那前岳、中岳が続き、 木曽駒ヶ岳へと至っているが、 宝剣岳、伊那前岳、中岳については肉眼では少々見分けにくい。 写真の一番左の山が東川岳。三ノ沢岳は写真 ほぼ中央。 | |
木曽駒ヶ岳の右には将棊頭山、 茶臼山が続いた後、稜線は下っていく。 こちらの写真は上記写真とかなり重複しているが、写真左から 1/3程の所にある山が
木曽駒ヶ岳。 木曽駒ヶ岳の右、写真ほぼ中央に見えている山が将棊頭山で、 その右に見える黒い山が茶臼山である。 |
白岩 1、  白岩 2、   白岩 3、  白岩 4、   白岩 5、  白岩 6、   白岩 7、  白岩 8、   白岩 9  もご覧下さい。