鋸岳 ( 鋸岳:2,685m ) 2009.8.12 登山   釜無川より



【PHOTO & 記録 鋸岳 1】

6月末の 万太郎山以来、山に登れない状態が続き、 ついに 7月は山行 “ゼロ” という状況を発生させてしまった。
休日がプライベートで結構忙しかったこともあるが、やはり主原因は天候不順。 7月14日に関東地方での梅雨明けが宣言されたにも拘わらず、それ以降夏らしい青空が広がった休日はほとんどなく、 むしろ梅雨明け宣言が間違いだったのではと思わせる天気が続いていたからである。
そして、この状態は 8月に入っても続き、とうとう何もできないまま 8月8日からの 9日間の夏休みに突入してしまったのであった。
さらにこの天候不順は夏休みに入ってからも続く。武蔵野の逃げ水のように、毎日天気予報を見る度に晴れの予想日が先に逃げていくのである。
ようやく晴れの日が続くと思われた 11日 (火曜日)、12日 (水曜日) も、 日本の南側を掠めるように通過した台風9号により、11日は悪天へ。しかも早朝に起こった地震によって、 東名高速道は不通に陥るなど最悪である。

それでも何とか 12日 (水曜日) は晴れが期待できる状態になったことから、 待望の登山決行と相成った。
本来なら昨年の聖岳・光岳登山同様、 山に 2〜3日潜り込みたいところなのだが、13日はプライベートの用事がある。
また、14日以降はお盆の帰省ラッシュもあり、遠出はちょっと厳しいかなと思われ、結局、夏休みの山行はこの 12日だけに終わる可能性が高くなってしまったのであった。 何とも中途半端である。
それでも、山に行けるのは嬉しい訳で、日帰りで行ける山を色々考え、最終的に南アルプスの鋸岳に登ることにしたのであった。
この鋸岳は、6月の初めに登った鞍掛山の展望台からその姿を見て、 もの凄く登高意欲をかき立てられた山であり、一方でちょっと縦走するには厳しいかなとも思った山であった。
それでも色々調べてみると、鋸岳の第一高点だけなら、ほぼ危険なく登れることが分かり、いつかは登ろうと密かに決めていたのである。

さて、日帰りで鋸岳 第一高点への登山となるとルートは 2つある。
1つは釜無川沿いに工事用道路を延々と歩き、横岳峠経由にて登るルート。もう 1つは、戸台から戸台川 沿いに歩き、 角兵衛沢を登って角兵衛のコル経由で登るルートである。
今回、最初は角兵衛沢を登るつもりであったのだが、前日の大雨と地震の影響がガラ場のルートにどう出ているのか分からなかったこと、 そして東名高速道不通の影響を受けて中央高速道が混む可能性があることなどの点を考慮し、 比較的 登山道が安全と思われ、しかも早めに高速道を下りられる釜無川沿いのルートを選ぶことにしたのであった (釜無川沿いのルートは小淵沢IC、 角兵衛沢のルートは伊那ICから進む)

このルートは、地図上で往復 13時間以上かかることから、 なるべく早く家を出ることにし、午前 3時過ぎに自宅を出発。睡眠時間は 4時間ほどである。
空には雲がかかっていて星は見えない。少々不安であるが、晴れるのは 9時以降と天気予報が言っていたので、 それを信じるしかない。ただ、国道16号線を走っている際、そして中央高速道上でも小雨がパラついたので少々不安が増す。
笹子トンネルを抜け、さらにそれに続くトンネルを抜けると、本来ならば目の前に広がるはずの南アルプスの山並みは全く見えず、 空には相変わらずどんよりとした雲がかかっている。
また、韮崎ICを過ぎたら見えるはずの八ヶ岳の姿も見えない。 不安はますます募る。
しかし、ありがたいことに須玉ICを過ぎると前方の空に徐々に青空が広がり始めたではないか。これを見た時には、 本当にホッとしたのであった。
小淵沢ICで高速を下り、ナビに従って国道20号線に向かう。ナビには南諏衛生センタの電話番号を入れてある。 下蔦木にて国道20号線にぶつかったので、右折し、暫く20号線を進む。やがて机の信号。その先を左折である。
左折して暫く先で、ナビに入れてある南諏衛生センタへの道が右に分かれる。目指す釜無川工事用道路入り口のゲートは直進である。


釜無川工事用道路入り口ゲートへと向かう途中、前方に鋸岳らしき山が見えた。
思わず車を駐めて写真を撮る。雲が下の方に厚く残っているのが気に掛かるが、何となく天候は晴れに向かっている感じがする。 今日一日晴れて欲しいものである。

写真の中央、一番左に見える山が鋸岳の第一高点のように思えるが、 そうなるとその右に見える山々は何という山であろう。もしかしたら一番右は編笠山かもしれない。

釜無川工事用道路入り口ゲート前に 5時30分に到着。
ゲート前には既に 2台駐車していた。しかし、それにしてもゲート前は狭い。
と思っていたら、そこに居た工事関係者の人から 300m程戻った採石場横の道幅が広い所に車を止めるように言われる。 そう言えば、その場所に 2台ほど駐まっていた。
指定された場所に車を駐め、身支度をして 5時37分に出発。ゲートには 5時43分に戻り着き、 先程の工事関係者の人と少し話をする。第一高点まで行くと言ったら、かなり遅くなるよと言われた。 何とかなるだろう。
長い林道歩きが始まる。前方を歩いているのは釣り人。

この道はイメージ的に青木鉱泉から 鳳凰三山 薬師岳 に直登する中道ルートにある小武川沿いの道に似ている。
尤も、小武川沿いの道は 2年前に歩いた時には、草木が生い茂って川自体があまり見えなくなっていたのだが、 9年前は堰堤工事が終わったばかりのようで、この釜無川沿いの道のように河原が良く見えたのである。

30分ほど歩くと、前方の山間に形の良い山が見えてきた。 その形から言って編笠山だろうか。編笠山の左後方には、鋸岳らしき山も見える。かなり遠い。

途中、釜無川を渡ることになった。 左岸をずっと行くという思い込みがあったため、道を間違えたのかと思ってしまった。
悪いことに、少し手前に車両通行止めではあるが、山に向かう林道があったものだから、戻ってそちらの道を暫く進む。 しかし、その道は途中で途切れてしまった。どうやら崩落などがあり、道が造り直されたようだ。
ということで、結局、元の道に戻ることになった。20分はロスしたことになる。
林道歩きはまだまだ続く。途中、富士川の水源 と題された看板に遭遇。この日初めて鋸岳について書かれたものを見たため、何となくホッとする。 7時44分、第六砂防堰堤を通過。

第六砂防堰堤から 4分程歩くと、前方に赤い屋根が見えてきた。このルートを紹介しているネットでは必ず出てくるログハウスである。
あの場所から河原に下りそして山登りが始まるのである。ようやく長い林道歩きも終わりが見え、一安心である。

それにしても林道歩きが長い。先程のゲートを始点として道路脇には 0.5km毎に距離を示す標識が立てられているが、 それに依れば何と 9.5kmを歩いたことになる。登る前にくたびれたという感じである。

7時50分にログハウス前に到着。
既に周辺では工事が始まっており、道路を通るのにパワーショベルの作業を止めてもらう。 迷惑がられるかと思ったら、皆親切にどこまで行くのかと声を掛けてくれる。気をつけてという言葉がありがたい。
ログハウスの横を通り、河原に下りる。ここからは石に付けられた赤ペンキが目印となる。 小さな流れを何回か渡る。ペンキ印は明瞭であるが、途中一ヶ所だけ流れを渡る方向に付けられた印があり、渡ってしまう。 しかし、それ以降周囲に印が見あたらない。沢を登りながら周囲を見渡すと、向こう岸にペンキ印の付けられた木があるではないか。 再び流れを横切って正規ルートに戻ったが、あのペンキ印だけは余計であった。



鋸岳登山データ

上記登山のデータ登山日:2009.8.12 天候:晴れのち曇り単独行日帰り
登山路:釜無川工事用道路入り口ゲート−本谷第六砂防堰堤−赤屋根のログハウス−富士川水源分岐−横岳峠− 大崩ノ頭−三角点−角兵衛沢ノ頭−鋸岳(第一高点)−角兵衛沢ノ頭−大崩ノ頭−横岳峠−富士川水源分岐−富士川水源−赤屋根のログハウス−本谷第六砂防堰堤− 釜無川工事用道路入り口ゲート
交通往路:瀬谷−(国道16号線)−八王子IC−(中央自動車道路)−小淵沢IC−下蔦木−(国道20号線)−机− (釜無川林道)−釜無川工事用道路入り口ゲート (車にて)
交通復路:釜無川工事用道路入り口ゲート−(釜無川林道)−机−(国道20号線)−下蔦木−小淵沢IC − (中央自動車道)−大月IC−都留IC−道志村−半原−瀬谷 (車にて)

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