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赤ペンキに導かれながらゴロゴロした岩の上を進む。
やがて、道は主に沢の左岸を進むようになる。時刻は 8時を過ぎているが、谷の中なのか、日が当たらず暗い。
但し、上空を見れば青い空が広がっており、日が当たって明るく輝く尾根も見える。
道は良く踏まれており、木にはペンキ印、赤テープなどがあって迷うことはない。
傾斜もさほどではなく、沢を詰めていくという感じである。
やがて沢から離れ、山林へと入る。 |
ログハウスから 30分ほど進んだ頃、
登山道上に写真のような道標が現れた。
ここが鋸岳への登山道であることよりは、むしろ富士川の水源であることをアピールしたいらしい。
登山道と水源、それぞれ管理する部署が違うからであろうが、なかなか面白い。
明瞭に踏まれた道を進むと、やがて小さな沢を横切ることとなった。水は冷たくておいしい。
但し、ここは富士川の水源ではないようだ。
さらに先に進むと、倒木手前で道が 2つに分かれることとなった。よく見ると倒木に赤テープが巻いてあり、
そこには 『 ← 水源、峠 → 』 とマジックで書いてある。
水源は帰りに立ち寄ることにしてまっすぐ峠を目指す。 | |
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水源との分岐から急登が始まった。
この辺になると少々道が分かりにくい。木に付けられたペンキ印や赤テープを頼りに登るのだが、踏み跡自体はこれまでほど明瞭ではない。
もしかしたら、水源までの道は巡視などで良く踏まれている ということなのだろうか。
それにしても、もし帰りが遅くなり、
ここを下る時に暗かったら道が分からなくなるかもしれない とちょっと不安になる (実際は下りの方が目印が見つけやすく楽であった)。 |
樹林越しにログハウスがあった先程の工事現場が見える。
道は先にも述べたように急斜面を登る。普段ならこの位の登りはたいしたことないのであるが、
林道歩きがあまりにも長かったためか結構 応える。
イヤイヤ、それよりも前回の登山から約 1.5ヶ月経っているため、身体が鈍ってしまった方が大きいに違いない。
やがて、周囲の木々がダケカンバに変わる。周囲は日の光が差して明るい。
上を見上げると稜線も見える。峠は近いのかもしれない。 | |
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そして 9時12分、横岳峠に飛び出した。
峠は細長い土手のようになっており、右へ行けば横岳、鋸岳へは左に行くことになる。
ネットから得た情報では、ここにテントを張る人も多いようだ。確かに平らな土手状の草地はテントを張るのに適している。
写真は横岳峠の標識を後ろ側から撮ったもの。
反対側には 『この下には富士川の水源があります』 と書かれている。ここでも鋸岳や登山口等の文字はない。
それにしても、ゲート手前の駐車場所を出発してから 3時間35分、よくも歩いてきたものだ。 |
この時期、横岳峠周辺の木々は生い茂り、
展望が遮られているが、それでも樹林越しに周辺の山々を見ることができる。
一番先に目に入ってきたのは、ドッシリとした
仙丈ヶ岳である。
雲が頂上付近にかかっているのが残念であるが、薮沢カールがよく見える。全体の大きさに比して、
カールがこれほど小さく見えるのが少々驚きであった。 | |