1/n^k・(n^2+1)を調べた。
以前、佐藤郁郎氏から、「数論Tフェルマーの夢」(加藤・黒川・斉藤著、岩波書店)のp.93にゼータの香り漂う式が
出ているが、それがテイラーシステムから出ないか?という質問を受けていた。それは例えば、次のものである。
1/(1^2+1)+1/(2^2+1)+1/(3^2+1)+・・=(π/2){(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1)}-1/2 ----@
まさにゼータの香り漂う式である。
「ゼータの香り漂う式」という表現は本に出ているものだが、こんなにセンスのよいネーミングを考えだされたのは、
おそらく言語感覚抜群の加藤和也さんだろうと思われる。
(本では狽ェ整数全体の和となっており@とは表記が異なるが、@は自然数全体の和でとっているだけであり本質的に同じものである)
そのときは、私は、この式は「数学公式 U」(一松他著、岩波書店)p48にある公式
1/(n^2+a^2)=-1/(2a^2) + (π/(2a))coth(aπ) からすぐ出るので、と佐藤氏に答え、それで終わってしまった。ちなみにテイラーシステムから@は出ない。
また@の本の導出方法は本質的なもの(構造的なもの)を感じさせるものではなかった。
今回@が気になり調べていたら、フーリエシステムを用いて@をさらに拡張する形で次のような式(@は上と同じ)の値
を出すことができたので、紹介したい。
1/(1^2+1)+1/(2^2+1)+1/(3^2+1)+・・ ----@
1/(1(1^2+1))+1/(2(2^2+1))+1/(3(3^2+1))+・・ ----A
1/(1^2・(1^2+1))+1/(2^2・(2^2+1))+1/(3^2・(3^2+1))+・・ ----B
「数学公式 U」には@がすぐに出る公式はいくつかあるが、A、Bはないようである。フーリエシステムを用いるとこれら
を求めることができる。上記式を次のように変形してみよう。
1/(1^2+1)+1/(2^2+1)+1/(3^2+1)+・・ ----@
1/(1^3+1)+1/(2^3+2)+1/(3^3+3)+・・ ----A
1/(1^4+1^2)+1/(2^4+2^2)+1/(3^4+3^2)+・・ ----B
この形から、@やBは偶数ゼータζ(2n)とよく似ており、一方、Aは奇数ゼータζ(2n+1)と似ているのでは
ないか?と思われないだろうか。
その直観は正しいということを以下で示していく。まずは@から。
フーリエシステムを用いて
1/(1^2+1)+1/(2^2+1)+1/(3^2+1)+・・=(π/2){(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1)}-1/2 ----@
を導出する。
[1/(n^2+1)導出]
@の形から、関数(コサイン級数)
f(x)=cosx/(1^2+1)+cos2x/(2^2+1)+cos3x/(3^2+1)+・・ -----A
を考える。周期は2πである。
フーリエ級数の直交性を用いて、
1/(1^2+1)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cosx dx
1/(2^2+1)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cos2x dx
1/(3^2+1)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cos3x dx
・
・
これらの右辺を部分積分する。f(x)はAであるから、簡単な計算から次となる。
1/(1^2+1)=(2/π)∫(0〜π) (1sinx/(1^2+1)+2sin2x/(2^2+1)+3sin3x/(3^2+1)+・・)・(sinx/1) dx
1/(2^2+1)=(2/π)∫(0〜π) (1sinx/(1^2+1)+2sin2x/(2^2+1)+3sin3x/(3^2+1)+・・)・(sin2x/2) dx
1/(3^2+1)=(2/π)∫(0〜π) (1sinx/(1^2+1)+2sin2x/(2^2+1)+3sin3x/(3^2+1)+・・)・(sin3x/3) dx
・
・
これらを縦に足し合わせて
1/(1^2+1)+1/(2^2+1)+1/(3^2+1)+・・
=(2/π)∫(0〜π) (1sinx/(1^2+1)+2sin2x/(2^2+1)+3sin3x/(3^2+1)+・・)・(sinx/1+sin2x/2+・・) dx ----B
ここでフーリエ級数の公式
1sinx/(1^2+1)+2sin2x/(2^2+1)+3sin3x/(3^2+1)+・・=(π/2)(sinh(π-x)/sinhπ) (0<x<2π) ---C
sinx/1 + sin2x/2 + sin3x/3 + ・・=(π-x)/2 (0<x<2π)
を用いてBを計算する。
なおCは、公式
1sinx/(1^2+a^2)+2sin2x/(2^2+a^2)+3sin3x/(3^2+a^2)+・・=(π/2)(sinh(a(π-x))/sinh(aπ)) (0<x<2π)
のa=1の場合である。
フーリエ級数の公式をBに代入して
1/(1^2+1)+1/(2^2+1)+1/(3^2+1)+・・
=(2/π)∫(0〜π) {(π/2)(sinh(π-x)/sinhπ}((π-x)/2) dx ----D
=(π/2){(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1)}-1/2 ----E
と出る。
[終わり]
結局、1/(n^2+1)は、Dの積分が簡単に計算できるから、Eのようなきっちりした数が出るのである。
すなわち、偶数ゼータζ(2n)が求まるのと同じことが起こっているのである。
なお、ハイパボリック・サインsinhxとは、もちろん sinhx=(e^x-e^(-x))/2である。
では、 1/(1(1^2+1))+1/(2(2^2+1))+1/(3(3^2+1))+・・ではどうだろうか?
これは奇数ゼータと同じ現象が生じ、そのためきっちりとは出ず積分表示の形でしか求まらない。次に見る。
1/(1(1^2+1))+1/(2(2^2+1))+1/(3(3^2+1))+・・
を導出する。
[1/(n(n^2+1))導出]
@の形から、関数(サイン級数)
f(x)=sinx/(1(1^2+1))+sin2x/(2(2^2+1))+sin3x/(3(3^2+1))+・・ -----A
を考える。周期は2πである。(一つ上ではコサイン級数を考えたが、今度はサイン級数!)
フーリエ級数の直交性を用いて、
1/(1(1^2+1))=(2/π)∫(0〜π) f(x)・sinx dx
1/(2(2^2+1))=(2/π)∫(0〜π) f(x)・sin2x dx
1/(3(3^2+1))=(2/π)∫(0〜π) f(x)・sin3x dx
・
・
これらの右辺を部分積分する。f(x)はAであるから、簡単な計算から次となる。
1/(1(1^2+1))=(2/π)∫(0〜π) (cosx/(1^2+1)+cos2x/(2^2+1)+cos3x/(3^2+1)+・・)・(cosx/1) dx
1/(2(2^2+1))=(2/π)∫(0〜π) (cosx/(1^2+1)+cos2x/(2^2+1)+cos3x/(3^2+1)+・・)・(cos2x/2) dx
1/(3(3^2+1))=(2/π)∫(0〜π) (cosx/(1^2+1)+cos2x/(2^2+1)+cos3x/(3^2+1)+・・)・(cos3x/3) dx
・
・
これらを縦に足し合わせて
1/(1^2+1)+1/(2^2+1)+1/(3^2+1)+・・
=(2/π)∫(0〜π) (cosx/(1^2+1)+cos2x/(2^2+1)+cos3x/(3^2+1)+・・)・(cosx/1+cos2x/2+・・) dx ----B
ここでフーリエ級数の公式
cosx/(1^2+1)+cos2x/(2^2+1)+cos3x/(3^2+1)+・・=(π/2)(cosh(π-x)/sinhπ) - 1/2 (0<=x<=2π) ---C
cosx/1 + cos2x/2 + cos3x/3 + ・・=-log(2sin(x/2)) (0<x<2π)
を用いてBを計算する。
なおCは、公式
cosx/(1^2+a^2)+cos2x/(2^2+a^2)+cos3x/(3^2+a^2)+・・
=(π/(2a))(cosh(a(π-x))/sinh(aπ))-1/(2a^2) (0<x<2π)
のa=1の場合である。
フーリエ級数の公式をBに代入して、整理すると、
1/(1(1^2+1))+1/(2(2^2+1))+1/(3(3^2+1))+・・=∫(0〜π) {1/π-(cosh(π-x)/sinhπ)}log(2sin(x/2)) dx ----D
となる。
[終わり]
Dからわかる通り、奇数ゼータと同じように積分内にlog(三角関数)が出現している。これが出るために、きっちり
した数としては求まらないということになる。
以上では、1/(n^k・(n^2+1))のk=0と1の場合を調べた。k=2以降は省略するが、
1/(1^k・(1^2+1))+1/(2^k・(2^2+1))+1/(3^k・(3^2+1))+・・
という数の場合にもζ(s)の状況と同じようなことになっているのは非常に興味深いことである。
フーリエシステムを使うと、このような深いことがわかる。
「数学の夢」(黒川信重著、岩波書店)にラマヌジャン(1887-1920)が導いた式が書かれている。
(n=1〜∞) n^1/(e^(2πn)-1)=1/24 - 1/(8π) ----@
(n=1〜∞) n^3/(e^(2πn)-1)=(1/80)(ω/π)^4 - 1/240 ----A
(n=1〜∞) n^5/(e^(2πn)-1)=1/504 ----B
この三つであるが、なんとも神秘的で美しいものである。ラマヌジャンは、このような不思議な式を次々に導いていった
天才であった。イギリスへ渡ってハーディらと共同研究した話は有名である。
(@では、意図的にn^1の”^1”をつけた。指数はわざと色をつけた。)
式の美しさを味わってもらうために、狽外した形でも書いておく。
1^1/(e^(2π)-1) + 2^1/(e^(4π)-1) + 3^1/(e^(6π)-1) + ・・=1/24 - 1/(8π) ----@
1^3/(e^(2π)-1) + 2^3/(e^(4π)-1) + 3^3/(e^(6π)-1) + ・・=(1/80)(ω/π)^4 - 1/240 ----A
1^5/(e^(2π)-1) + 2^5/(e^(4π)-1) + 3^5/(e^(6π)-1) + ・・=1/504 ----B
かなり前この式をはじめて見たときは、その天国的な美しさに圧倒されるばかりであった。
いったいどうやって導いたのか? 導出方法など思いもよらないものであった。黒川氏の本では、保型形式を使って証明
するとある。概略だけ書いてあり、詳しいことは書かれていない。B->@->Aの順に難しくなるとある。
とにかく導出は難しいようである。以上のようなことだから私は実際の導出方法は知らない。
なお、ωは、レムニスケートの周長に関係し、ω=2∫(0〜1) dr/√(1-r^4)=2.622057・・ であり、または
ω=(Γ(1/4))^2・2^(-3/2)・π^(-1/2)とも表現できる。Γ(s)はガンマ関数。
さて、ここでラマヌジャンの式を紹介したのは、これがフーリエシステムと密接に関係していることがいえそうだから
である。
「ホームズ彗星」と「スワン彗星」で見てきた通り、フーリエシステムは広範な応用をもち、構造的、本質的な面をあぶり
出すのに有効な手法である。
”あること”が分かれば、フーリエシステムを使って、このラマヌジャンの式を導出できるのである。
(おそらく現代数学よりよほど簡単に!)
[1]その「あること」とは何か?
[2]黒川氏が、なぜ上記三式で奇数のn^1、n^3、n^5の場合の式しか書いていないのか?
そんなこともフーリエシステムの視点で見れば、わかってくるのである。
[2]の「結論を言ってしまうと、
n^1、n^3、n^5の場合だけが書いてあるのは、偶数ゼータζ(2n)の場合ように、積分計算がうまくできて、きっちりと
値が求まるからである。(@、A、Bの右辺を見られたい!)
n^2、n^4、n^6の場合は、奇数ゼータζ(2n+1)と同じように、積分計算がうまくできないのである。結局、この指数が
偶数の場合は、現代数学でもよくわかっていない、といえる。積分表示は分かっているのであろうか。
具体的に見よう。@から。
ラマヌジャン式
1/(e^(2π)-1) + 2/(e^(4π)-1) + 3/(e^(6π)-1) + ・・=1/24 - 1/(8π) ----@
へのフーリエシステムを用いたアプローチ(導出の試み)を考える。
[n/(e^(2πn)-1)の導出の試み]
@の形から、関数(コサイン級数)
f(x)=1cosx/(e^(2π)-1) + 2cos2x/(e^(4π)-1) + 3cos3x/(e^(6π)-1) + ・・ ----A
を考える。周期は2πである。
フーリエ級数の直交性を用いて、
1/(e^(2π)-1)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cosx dx
2/(e^(4π)-1)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cos2x dx
3/(e^(6π)-1)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cos3x dx
・
・
これらの右辺を部分積分する。f(x)はAであるから、簡単な計算から次となる。
1/(e^(2π)-1)=(2/π)∫(0〜π) (1^2sinx/(e^(2π)-1) + 2^2sin2x/(e^(4π)-1) + ・・)・(sinx/1) dx
2/(e^(4π)-1)=(2/π)∫(0〜π) (1^2sinx/(e^(2π)-1) + 2^2sin2x/(e^(4π)-1) + ・・)・(sin2x/2) dx
3/(e^(6π)-1)=(2/π)∫(0〜π) (1^2sinx/(e^(2π)-1) + 2^2sin2x/(e^(4π)-1) + ・・)・(sin3x/3) dx
・
・
これらを縦に足し合わせて
1/(e^(2π)-1) + 2/(e^(4π)-1) + 3/(e^(6π)-1) + ・・
=(2/π)∫(0〜π) (1^2sinx/(e^(2π)-1) + 2^2sin2x/(e^(4π)-1) + ・・)・(sinx/1 + sin2x/2 + ・・) dx ----B
右辺の∫内に着目しよう。
ここでフーリエ級数の公式
sinx/1 + sin2x/2 + sin3x/3 + ・・=(π-x)/2 (0<x<2π) ----C
はわかっている。
もし、
g(x)=1^2sinx/(e^(2π)-1) + 2^2sin2x/(e^(4π)-1) + 3^2sin3x/(e^(6π)-1) + ・・ ----D
の右辺のフーリエ級数を与える関数g(x)の正体が分かれば、それとCを、Bに代入することにより、
1/(e^(2π)-1) + 2/(e^(4π)-1) + 3/(e^(6π)-1) + ・・=(2/π)∫(0〜π) g(x)((π-x)/2) dx ----E
として右辺を計算すればよい。すると@右辺の値が出る。
そのようなg(x)は存在するのだろうか?答えはYes。確実に存在する。なぜなら、@で
1/(e^(2π)-1) + 2/(e^(4π)-1) + 3/(e^(6π)-1) + ・・=1/24 - 1/(8π) ----@
と現代数学で既に右辺が求まっているからである。
しかもg(x)はEの積分計算が容易に実行でき、きっちりした数として求まるようなよい関数であるはずである。
[終わり]
以上がフーリエシステムによるアプローチである。フーリエシステムが本質的な視点を提供していることを理解いただ
けたと思う。
「よい関数」の反対の「悪い関数」とはlog(三角関数)のような形をした関数、あるいはそれに類似したものであることは
いうまでもない。
アプローチで出たg(x)が実際に知られているのかどうかはわからない。私の手持ちの公式集にないだけなのか、
あるいは、どこかに書かれているのか。もし、まだ求められていないならば、それを導出することは非常に重要という
ことになる。
g(x)=1^2sinx/(e^(2π)-1) + 2^2sin2x/(e^(4π)-1) + 3^2sin3x/(e^(6π)-1) + ・・
このサイン級数を与えるg(x)はどんな姿をしているのだろうか?
未解決の問題としておく。
上では、コサイン級数を出発点とした。次にみるn^2/(e^(2πn)-1)でも合わせてコサイン級数を
出発点にする。出発点の三角関数を合わせることで、見通しのよい議論が行えるからである。
では、次に現代数学で不明とされる?黒川氏も書かなかった
1^2/(e^(2π)-1) + 2^2/(e^(4π)-1) + 3^2/(e^(6π)-1) + ・・=?? ----@
へのアプローチを試みる。
[n^2/(e^(2πn)-1)の導出の試み]
@の形から、関数(コサイン級数)
f(x)=1^2cosx/(e^(2π)-1) + 2^2cos2x/(e^(4π)-1) + 3^2cos3x/(e^(6π)-1) + ・・ ----A
を考える。周期は2πである。
フーリエ級数の直交性を用いて、
1^2/(e^(2π)-1)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cosx dx
2^2/(e^(4π)-1)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cos2x dx
3^2/(e^(6π)-1)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cos3x dx
・
・
これらの右辺を部分積分する。f(x)はAであるから、簡単な計算から次となる。
1^2/(e^(2π)-1)=(2/π)∫(0〜π) (1^3sinx/(e^(2π)-1) + 2^3sin2x/(e^(4π)-1) + ・・)・(sinx/1) dx
2^2/(e^(4π)-1)=(2/π)∫(0〜π) (1^3sinx/(e^(2π)-1) + 2^3sin2x/(e^(4π)-1) + ・・)・(sin2x/2) dx
3^2/(e^(6π)-1)=(2/π)∫(0〜π) (1^3sinx/(e^(2π)-1) + 2^3sin2x/(e^(4π)-1) + ・・)・(sin3x/3) dx
・
・
これらを縦に足し合わせて
1^2/(e^(2π)-1) + 2^2/(e^(4π)-1) + 3^2/(e^(6π)-1) + ・・
=(2/π)∫(0〜π) (1^3sinx/(e^(2π)-1) + 2^3sin2x/(e^(4π)-1) + ・・)・(sinx/1 + sin2x/2 + ・・) dx ----B
右辺の∫内に着目しよう。ここでフーリエ級数の公式
sinx/1 + sin2x/2 + sin3x/3 + ・・=(π-x)/2 (0<x<2π) ----C
はわかっている。
もし、フーリエ級数
1^3sinx/(e^(2π)-1) + 2^3sin2x/(e^(4π)-1) + 3^3sin3x/(e^(6π)-1) + ・・ ----D
を与える関数g(x)の正体が分かっていれば、それとCをBに代入することにより、
1^2/(e^(2π)-1) + 2^2/(e^(4π)-1) + 3^2/(e^(6π)-1) + ・・=(2/π)∫(0〜π) g(x)((π-x)/2) dx ----B
として右辺を計算すればよい。しかし@右辺は??である。
ということは・・、g(x)は存在はしても、積分計算してもきっちりとした値として求まるよい関数ではなく、log(三角関数)とか
あるいは∫記号が混じったようないびつな形をした悪い関数となるはずである。
[終わり]
この議論から、n^2/(e^(2πn)-1) の場合は、ζ(2n+1)やL(2n)の場合と同様のことになっていることがわかるで
あろう。「あること」とは「g(x)の正体がわかる」ことであることも、これで明確になったと思われる。
以降も同様の議論となる。
n^3/(e^(2πn)-1) の場合-->途中のg(x)はよい関数
n^4/(e^(2πn)-1) の場合-->途中のg(x)は悪い関数
n^5/(e^(2πn)-1) の場合-->途中のg(x)はよい関数
n^6/(e^(2πn)-1) の場合-->途中のg(x)は悪い関数
・
・
となっているに違いない。
フーリエシステムの視点からラマヌジャン式を見ると深い構造が見えてくる、といえるだろう。
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