ゼータ関数のいくつかの点について その5

 ζ(5)の具体例を発見し、さらにζ(7)以上の任意の奇数ゼータを求める一般的な方法を見つけましたので報告します。
さらに、その4とは違うζ(3)の二つ目の具体例を発見しました。



2003/9/23        < 奇数ゼータζ(5)の具体例を発見 >

 リーマン・ゼータ関数の奇数ゼータζ(5)の具体例も見つけることができました。
 その姿は次のようなものとなりました。


 ζ(5)=2/31[(π^4/3)(logπ - 25/12) + 4π^2ζ(3)

             - 16・Σζ(2n)・π^4/{2n・(2n+1)・(2n+2)・(2n+3)・(2n+4)・2^(2n)}]----@
                  (n=1〜∞)


  このように、ζ(5)は、ζ(3)と偶数ゼータ全部から構成されているのです。
 偶数ゼータは全部既知であり、またζ(3)は既に私<ζ(3)の具体的な形を発見!>で示しましたので、
それら既知のものを代入すればζ(5)が求まることになります。

 Σの部分を具体的に書けば、次のようになります。

 ζ(2)・π^4/(2^2・2・3・4・5・6) + ζ(4)・π^4/(2^4・4・5・6・7・8) + ζ(6)・π^4/(2^6・6・7・8・9・10) +・・・

ちなみにζ(2)=π^2/6、ζ(4)=π^4/90、ζ(6)=π^6/945、ζ(8)=π^8/9450、ζ(10)=π^10/93555、・・です。

 <ζ(3)の具体的な形を発見!>でも示した通り、ζ(3)は全ての偶数ゼータの無限和として表現されていました
ので、結局、ζ(5)も全ての偶数ゼータの無限和で表現されるということになりました。
(全部バラせば、πべきによる級数表現の式になります。)

M先生によれば、奇数ゼータは、
「 有理数体上代数的に独立になると信じられており、無限和や積分などで表すことは色々可能でも、
 有理数から始め有限個の四則で表すことは出来ないというのが、現在の専門家の予想である。」

ということです

私のこの表現方法は、πべきによる級数的表現、あるいは全偶数ゼータによる無限和表現とでもいえましょうか。

 さて、導出の方法ですが、じつはオイラー(1707-1783)の式を利用しました!
ζ(3)でもオイラーの式を利用しましたが、ここでも、オイラーの式が役にたったのです。またしてもオイラーです。
ただし、ζ(3)の場合とは違う式で、今回用いたのは次のものです。

  log(sinx)=-Σ1/n・cos(2nx) - log2 ------A
   (n=1〜∞の和)

 ζ(3)を導いたときは、私は次式を利用しました。
ζ(3)=(π^2/7)log2 + 16/7∫x・log(sinx)dx  (積分範囲は0〜π/2)  ----B

 じつはAは、オイラーがBを導くのに利用したというBの前提となる式だったのです!
ここらあたりは、黒川信重教授の「数学の夢 素数からのひろがり」 (岩波書店)にすべてのっており、今回Aが
奇数ゼータ解明の役にたつに違いないと気付き、それを利用した次第です。

導出過程の概略だけ述べます。
[導出の概略]
 とても簡単なのです。

  log(sinx)=-Σ1/n・cos(2nx) - log2 ----A

この式の両辺を4回積分して、それをただひたすら計算していくだけです。計算は非常にしんどいですが。

 4回積分ですが、積分範囲は0〜π/2です。
(計算する際は、途中の3回積分までは0〜xの積分範囲で積分し、最後の一回の積分ではじめて0〜π/2の積分
範囲で積分しますので、ご注意ください。言わずもがなの注意ですが、念のため。)

 まずAの右辺の4回積分ですが、計算すると、次のようになります。

 ∫∫∫∫右辺=1/8(1+1/3^5+1/5^5+1/7^5+・・・) - π^2/32・ζ(3) -(π^4・log2)/384

となります。
 ここで、(1+1/3^5+1/5^5+1/7^5+・・・)=31/32・ζ(5) と容易に変形できるので、結局、

  ∫∫∫∫右辺=1/8・31/32・ζ(5) - π^2/32・ζ(3) - (π^4・log2)/384 ---C

と求まったことになります。

 次に、左辺の∫∫∫∫log(sinx)ですが、ここでも私がlog(πx/sinπx)の式の発見で導いた摩訶不思議な
次式が役にたつのです。

 log(πx/sinπx)= 2{1/2・ζ(2) x^2+ 1/4・ζ(4)x^4 + 1/6・ζ(6)x^6 + ・・・ }

左辺を logπx - log(sinπx) として、πx=t などと変数変換してから、∫∫∫∫log(sinx)に放りこみ延々と計算
すれば、

 ∫∫∫∫log(sinx)=π^4/384・(logπ - log2 - 25/12) - 2∫∫∫∫B ----D

となります。
  ここで、B=ζ(2)x^2/(2π^2) + ζ(4)x^4/(4π^4) + ζ(6)x^6/(6π^6) +・・・
です。
 ∫∫∫∫Bを計算して(積分範囲は0〜π/2)まとめあげ、C=Dとして整理すると、冒頭の式(次)が導けます。

 ζ(5)=2/31[(π^4/3)(logπ - 25/12) + 4π^2ζ(3)

             - 16・Σζ(2n)・π^4/{2n・(2n+1)・(2n+2)・(2n+3)・(2n+4)・2^(2n)}]
                  (n=1〜∞)

終わり。

 導出過程はこのようになります。じつにうれしいです。これまで全く不明とされてきたものが求まったのですから!
奇数ゼータも、じつに美しい姿で立ちあらわれてくれました。実際に紙の上に書き下してみてください。
美しいですよね。

 検算の意味で、式の正しさをζ(3)のときと同様の方法でたしかめました。
上式のζ(5)がその値ζ(5)=1+1/2^5+1/3^5+1/4^5+ ・・=1.0369277551・・に漸近的に収束するかをたしかめまし
たが、急速に近づいていきます。収束が速いので確認は容易です。正しい結果となっています。

それにしても、オイラーの威力をここでも知ることになりました。オイラーは凄い。

 なお、上の奇数ゼータの値は、次のHPに載っています。
http://mathworld.wolfram.com/RiemannZetaFunction.html




2003/9/23        < ζ(7)以上も決まった規則で導ける >

 じつは、上の方法を踏襲してζ(7)、ζ(9)、ζ(11)、・・・を次から次へと導いていくことができます。
 その方法は重回積分の回数を増やしていくだけです。

 例えば、ζ(7)では、

  log(sinx)=-Σ1/n・cos(2nx) - log2

 この両辺を6回積分すればよいのです。(その際、4回積分までの結果はζ(5)の結果をかなり利用できます)
そうすればポコっとζ(7)が顔を出します。
では、ζ(9)ではどうなるでしょうか?そうです、8回積分すればよいのです。
では、ζ(11)は? もちろん、10回積分すればいい。

 奇数ゼータζ(n)を求めるのは、0〜xの範囲で(n-1)回積分してx=π/2を代入すればよいのです

複雑になりすぎるので、最終形はかけませんが、ζ(7)は結局、

  ζ(7)=A・ζ(3) + B・ζ(5) + [偶数ゼータの無限和]

というような形になります。ζ(3)とζ(5)は既にわかっていますので、代入してζ(7)も求まることになるのです。

同様に回積分を繰る返すことにより、ζ(9)、ζ(11)、・・は

  ζ(9)=A・ζ(3) + B・ζ(5) + C・ζ(7) + [偶数ゼータの無限和]
  ζ(11)=A・ζ(3) + B・ζ(5) + C・ζ(7) + D・ζ(9) + [偶数ゼータの無限和]

というような形になって、イモづる式にどんどんと求まっていくことになります。

 さて・・・、以上から奇数ゼータの一大特徴として何が分かったのでしょうか?

 奇数ゼータはすべての偶数ゼータの無限和から構成されている、ということがわかりました。

 最初のζ(3)は全ての偶数ゼータの無限和からできていました。
ζ(3)と偶数ゼータを足したものから成っているζ(5)も当然偶数ゼータの無限和からできているといえる。
同様の考察から、ζ(7)もやはり、全部の偶数ゼータからつくられている。
結局、奇数ゼータは「n=1〜∞の全ての偶数ゼータζ(2n)から構成されている」ということなのです。
 
 偶数ゼータは全員が手に手を取りあって奇数ゼータを一生懸命生み出そうとしているのでしょうか?
なにやらそんなふうに見えなくもありません。
 数学者がゼータは生き物だ!というのもちょっぴりわかる気がします。




2003/9/26        < ζ(3)の二つ目の具体例を発見 >

 私は、その4で、ζ(3)の具体例を発見しましたが、上の手法を応用することで、それとはまた別の具体例を
見出すことができました。二つ目が見つかるとは思いませんでした。

 まずその結果を書きますと、次のようになりました。

 ζ(3)=(2π^2/7)[-logπ + 3/2 + 4Σζ(2n)/{2n・(2n+1)・(2n+2)・2^(2n)}] ----@
                   (n=1〜∞)

 このような、先に見つけたものとは、また別種の式が見つかったのです。

さて、先にその4で見出していたζ(3)の表記(次です)と比べてみましょう。

 ζ(3)=(2π^2/7)[log π - 1/2 - Σζ(2n)/{n・(n + 1)・2^(2n)}] ----A
                    (n=1〜∞)

 @とAは似てはいますが、全く異なった表現であることがわかるでしょう。
 収束性の良し悪しという観点から見れば、どちらの式がすぐれているでしょうか?

 Σの分母を比べればわかりますが(@の方が分母の次元が一つ高いので)、@の方が収束性がよいのです。
Aも収束性はかなりよいものですが、それよりも@はもっと急速にζ(3)収束していく、ということです。(ぜひ電卓を
たたいてみてください)

[導出の方法(概略)]
 さて、@をどうやって導いたか?ですが、それはじつは簡単なのです。
奇数ゼータζ(5)、ζ(7)、・・でやったことをζ(3)に適用しただけです。
ζ(5)では4回積分する、ζ(7)では6回積分だ、・・ではζ(3)では2回積分だろう、2回積分すれば、ひょっとして、
その4で出した式とはまた異なった式が得られるのではないか?と思い、それを実行しました。

  log(sinx)=-Σ1/n・cos(2nx) - log2

 つまり、ζ(5)の場合と同様に、オイラーが出した上式の両辺を2回積分して、ζ(3)が顔を出したところをつか
まえました。ほんとうに異なった式が出たときは、驚きましたが、とてもうれしかったですね。
終わり。

---------------------------------------------------
さて、ここで驚くべき論文を紹介しましょう。
参考になれば・・とSugimoto氏が紹介してくださった論文ですが、次のものです。
http://www.ams.org/proc/1997-125-05/S0002-9939-97-03795-7/S0002-9939-97-03795-7.pdf

 これは、じつに重要な論文です。
 私の得た結果は、「奇数ゼータのπベキによる級数展開」という表現でくくれるかと思いますが、そのπベキに
よる級数展開の重要な結果がいくつも得られています(私の結果とはまた異なった展開式が得られている)。
KLINOWSKYらの成果です。(クリノウスキー?ですかね)
1997年ですから、ついこの間ではありませんか!!
これを読むと近年、奇数ゼータの研究が急速に進展していることがわかります。

 これらの結果はあまり知られていないと思いますので、ゼータ研究者には必読の論文といえるでしょう。
これを読めば教科書によく書いてあるように「奇数ゼータについはほとんど何も分かっていない」などとは到底いえ
ないと思います。
 上記論文は、収束の速さということが一つの主題となっています。
「奇数ゼータでの非常に収束の速い展開式が得られた」と報告しています。
私の結果とこの論文を比較して思ったのですが、私の結果は、論文の式よりもさらに収束の速いものとなっている
ようです。
 奇数ゼータはいろいろな表現が可能なのです。新しい発見がまだまだ続いていくことでしょう。




2003/9/26        < 奇数ゼータ導出の方法をまとめる >

 奇数ゼータを次々に求めていく方法を紹介しましたが、ごちゃごちゃとしてきましたので、まとめておきます。

奇数ゼータの求め方

 奇数ゼータをζ(n)求めるには、次式の両辺を0〜xの範囲で(n-1)回積分しx=π/2を代入して、
奇数ゼータが顔を出したところを捕まえる。

  log(sinx)=-Σ1/n・cos(2nx) - log2


 注意:上の式はオイラーが出した式です。「数学の夢 素数からのひろがり」(黒川信重著、岩波書店)にのっています。

 奇数ゼータを求めるには、このようにすればよいのです。
 この方法で、どこまでも、任意の奇数ゼータのπべきによる表現を求めることができます。
しかも、極めて収束性のよい式が求まるのですから、なかなか有効な方法と思います。

 この計算は、全く初等的ですので、一度トライしてみてください。
ただし、実際は、非常に複雑な計算になります。nが増えるにつれ、あきれるほど複雑になっていくのです。
まずはn=3 あたりからどうぞ。

[注意]
 この方法に比べれば、私がその4で導いた方法は、特例的発見といえるでしょう。




2003/9/27       < ζ(3)、ζ(5)、ζ(7)をまとめておきます >

 これまで導いたζ(3)、ζ(5)をまとめて書いておきます。また、上記方法で求めたζ(7)も示しました。


 ζ(3)=(2π^2/7)[-logπ + 3/2 + 4Σζ(2n)/{2n・(2n+1)・(2n+2)・2^(2n)}]  ----@
                   (n=1〜∞)


 ζ(3)=(2π^2/7)[log π - 1/2 - Σζ(2n)/{n・(n + 1)・2^(2n)}]  ----A
                    (n=1〜∞)


 ζ(5)=2/31[(π^4/3)(logπ - 25/12) + 4π^2ζ(3)

             - 16・Σζ(2n)・π^4/{2n・(2n+1)・(2n+2)・(2n+3)・(2n+4)・2^(2n)}] ----B
                  (n=1〜∞)


 ζ(7)=2/127[-(2π^6/45)(logπ - 49/20) + 16π^2ζ(5) - (4π^4/3)ζ(3)

   + 64Σζ(2n)・π^6/{2n・(2n+1)・(2n+2)・(2n+3)・(2n+4)・(2n+5)・(2n+6)・2^(2n)}]  ----C
       (n=1〜∞)


追記2003/10/18
Sugimoto氏が「似たような式がある」と次の論文を送ってくださいました(2000年ですからついこの間!)。
これは奇数ゼータに関する重大な論文と考えられます。
http://www.math.nthu.edu.tw/~tjm/abstract/0012/tjm0012_3.pdf
この中で私の上の@、B、Cは既に導かれていることが判明しました。よってこれらは初めてのものではありません。
@、B、Cは論文中のp.573(2.4)のそれぞれn=1、2、3の場合に対応しています。
ただし、方法論はまるで違っており、私の非常に初等的な方法とは違って、論文ではガンマ関数を用いるなど
高度な方法が使われているようです。

注記
 @、B、Cは、一つ上の同方法で求めたシリーズものであり、Aは、その4で求めた単発的発見のものです。
 ζ(9)以上も、同様の方法を適用することによりいくらでも求めていくことができます。

--------------------------------------------------------
追記 2003/9/28
上の@とAを組み合わせることで、きわめて神秘的な式を導くことができました。
@とAから、ζ(3)を消去して、ひたすら式をまとめていくと、次の式に到達します。

           log(π/e)=Σζ(2n)/{2n・(2n + 1)・2^(2n-1)}  ------A
                  (n=1〜∞)

 なんという式でしょう。息を呑むほどの美しさとはこういうのをいうのでしょう!
 あるいは、次のようにも変形できます。

           logπ=1 + Σζ(2n)/{2n・(2n + 1)・2^(2n-1)} ------B
                   (n=1〜∞)

あるいは、また次のようにも表現できます。

           log√π=1/2 + Σζ(2n)/{2n・(2n + 1)・2^(2n)} -----C
                      (n=1〜∞)


 これらは、どれもこれも美しい。
いやあー、それにしても、π、e、全偶数ゼータの間にこんな関係があっただなんて夢にも思いませんでした。
(収束が速いので、検算でその正しさを確めるのも容易です)

------------------------------------------------------------------------------------
追記2003/9/29
さらに、上のC式で気付いたことですが、じつは、√π=Γ(1/2)なので、次のようにも表せるのです。

           logΓ(1/2)=1/2 + Σζ(2n)/{2n・(2n + 1)・2^(2n)}  -----D
                        (n=1〜∞)

 まさに、驚愕の式です。これこそ、究極の美を体現した式ではないでしょうか?
 数学、とくにゼータ周辺において非常に重要なΓ(ガンマ)関数のΓ(1/2)のlog値が、こんなに見事に表現されるの
です。なんという美しさ、不思議さ、シンプルさ!

 現代数学最大の難問、リーマン予想は、ゼータ関数ζ(s)の虚の零点というのは、すべて実数部分が1/2という
直線上にあるのではないか?という予想です。
 リーマンが1859年に提出して以来未解決の超難問です。
 そして、それは、「ゼータは究極に美しい」というものを主張しているのだそうですが(黒川教授)、私は、上のD式を
見ていると、1/2が、どうしても、リーマン予想の1/2に見えてしかたないのです!関係ないのでしょうか?
そして、さらに気付きました。D式はζ(0)=-1/2ですから、次のようにも書き替えられます。

           logΓ(1/2) + ζ(0) = Σζ(2n)/{2n・(2n + 1)・2^(2n)}  -----E
                        (n=1〜∞)

 ここまでくると究極まで来てしまった、という感じがします。

追記2003/9/30
さらに、上の式の兄弟のような式をSugimoto氏が示されていますので紹介します。
次のHPの最後に載っているものですが、
http://homepage3.nifty.com/y_sugi/gf/gf22.htm

    (1/2)log(π/2)= ζ(2)/(2・2^2) + ζ(4)/(4・2^4) + ζ(6)/(6・2^6) + ・・・ -----F

という式です。これも素晴らしい式です。
もう一度私の式(上記のCを少し変形)も書きます。次です。

    (1/2)logπ=1/2 + Σζ(2n)/{2n・(2n + 1)・2^(2n)}  -----C
                 (n=1〜∞)

 CとFは似ているようで違う式となっていますが、その類似的対比の妙は見事です。




2003/10/1      < Ewellらの結果との私の式の関係を解明 >

私の結果から、あのKLINOWSKYらの論文(下)の中のEwellのζ(3)式を導くことに成功しました!
http://www.ams.org/proc/1997-125-05/S0002-9939-97-03795-7/S0002-9939-97-03795-7.pdf

Ewellの式は論文にのっていますが、

  ζ(3)=(-4π^2/7)Σζ(2n)/{(2n+1)(2n+2)2^2n}
             (n=0〜∞)

というすばらしく美しい式です。これが私の結果から導けます。
(いえ、言葉を変えれば、Ewellの式と私の式の関係が判明したということです

 上の「追記 2003/9/28」で私が示した驚くべき等式

 logπ=1+Σζ(2n)/{2n(2n+1)2^(2n-1)}  ----@
       (n=1〜∞)

を利用すれば導けます。この式が鍵です。

私の発見した次のA式と@式からlogπを消して、まとめれば冒頭のEwellの式になるのです。

  ζ(3)=(2π^2/7)[-logπ + 3/2 + 4Σζ(2n)/{2n・(2n+1)・(2n+2)・2^(2n)]  ---A
                         (n=1〜∞)

驚きました。Ewellの式と、私の式の関係が解明できたのです。

そして・・私の式はζ(5)、ζ(7)・・に全てlogπが現れていますので、そのlogπに@を代入していけば、論文中の
全部の式に到達することも容易に予想されます。
 こんなに早くEwellやそれを一般化したKLINOWSKYらの結果と結びつくとは思いもしませんでした。

なお次のHPで有名な佐藤郁郎氏はζ(5)の場合も一致することを確認されました。その計算力には驚くばかりです。
私は、まだ確認できていない!!
http://www.geocities.jp/ikuro_kotaro/   <---数学の凄いサイトです

追記2003/10/2 驚くべきことに佐藤氏はζ(7)も一致することを確認されました!氏は現代のオイラーでしょう!!



2003/9/23        < 奇数ゼータはすべて無理数か? >

 奇数ゼータはすべて無理数なのでしょうか? これはぜひ知りたいことです。
次の問題を提示します。

杉岡の問題2

 奇数ゼータはすべて無理数か?


 私の結果や上で紹介したKLINOWSKYらの論文の驚くべき結果を見ると、全て無理数に違いないと思ってしまい
ますが、しかし、これもそう簡単には示せるとは思えません。
 というのは、ζ(3)などを見ると、無理数の無限和で構成されていますが、「無理数の和が無理数になるとは
限らない」からです(1-πと1+πを足せば・・、こんな場合があるからです)。

 ですから、厳密な証明というのは案外難しいのではないでしょうか?
 それとも、あっさり解決されるのでしょうか?
ちなみに、ζ(3)だけは無理数であることが1978年に
アペリーにより示されています。

 「解決できたよ!」という朗報を待っています。もちろん、n=5の場合だけという部分的解決でも大歓迎です。
HP上で紹介させてもらいます。



2003/9/23        < 奇数ゼータはすべて超越数か? >

 私は、その3の問題でζ(3)は超越数か?と問いました。ζ(5)以上の場合も当然気になります。
次のように問います。

杉岡の問題3

 奇数ゼータはすべて超越数か?


  私は、すべて超越数だろう、と思っていますが、単なる直観であり、もちろん、間違っている可能性もあります。
 全て超越数でない可能性もありますし、「あるものは超越数あるものは代数的数」という可能性さえあります。

 この問題は難しいと思いますので、もちろんその3の問題のζ(3)の方から先に解決されてもかまいかせん。

 「問題、解けたよ!」というお便りを待っています。

ひとりごと
 超越数の問題と無理数の問題とどちらがむずかしいか? 超越数の方が100倍はむずかしいだろうなあ・・





その14
その13
その12
その11
その10
その9
その8
その7
その6
その4
その3
その2
その1


数学の研究へ


常温核融合は本当だった!