新・レントゲン

第三章・青被せローキー・レントゲンの発展形です。

青被せローキーを読んで、撮影した後で来てくださいね。

ISO感度運用が必要です。

新・レントゲン撮影の絵コンテ

●「透明なヒレや骨を白飛びさせず詳細に明瞭に写し取る事。が出来ます。」が青被せ・レントゲンの絵コンテでした。
それをさらに発展させて、『綺麗な図鑑写真を撮ろう』が、新・レントゲンの絵コンテです。

通常の撮影との比較

クロスズメダイの幼魚は腹の部分が非常に白飛びしやすいです。
普通に図鑑撮りすると・・・

このように白飛びします。しかし腹以外特にヒレの部分はこの時点でアンダーです。
通常の対処で調光補正をマイナスにするまたはマニュアル発光で発光量を落とすと、 ヒレなど写りません。

これを上記のようにヒレの骨の継ぎ目の白飛びまで防ぐ撮り方です。

応用範囲

●白飛びしやすい魚。
●ヒレが透明で撮りにくい魚。

クロスズメダイ・ヤマブキスズメダイ・ナミスズメダイなどスズメダイの子供
スカシテンジクダイなどテンジクダイ系
ベラの子供で腹が白飛びしやすいもの

レントゲンとの差

基本的な撮り方はすべて同じですので、青被せ・ローキーを見て下さい。

差は・・・
●深めの被写界深度が必要。(魚をしっかり撮るため)
●適正露出(ローキーの妖しい雰囲気は不要)
●青い自然光は七色残る方が良い。(青さは不要)
●青被せローキーのレントゲンよりも極度の青被せ(青い自然光比率が高く)


深めの被写界深度が必要なのに極度の青被せで、写真は青くしたくない。矛盾だらけです。

運用・その1

●極度の青被せですが青くはしたくない。ロケハン的には、青い自然光量が多く、減衰していない(七色残る)場所が良いです。晴れた夏の浅場が最適です。

●撮影距離もありますが、被写体をあまりボカさないためには、100mmレンズではF8くらいの被写界深度が欲しいです。

●極度の青被せなので、露出インジケーター・露出レベル表示が0か少し+になる設定です。(青い自然光比率が100%近い)
晴れた浅場でもF8ならばISO100で1/30〜1/60になると思われます。(条件次第で変わりますが)

●フラッシュは、被写体の色のデータを残すため、発光させます。最小発光量です。TTL調光の方は、調光補正を−1以上でしょう。−2・−3でも最小発光量ならもう変わりませんので、−3〜−5でも同じです。

●フラッシュが最小発光量でも、写真は適正露出狙いです。SSで、適正露出になるように調整します。


F6〜8、ISO100、SS1/30〜1/60位。
露出インジケーター・露出レベル表示が0か少し+になる用にSSを調整。
フラッシュは、調光補正マイナスで最小発光量狙い。マニュアル発光の方は最小発光量。

これがISO感度を使わない運用ですが・・・(その2へ続く)

運用・その2

運用その1では、綺麗に撮れません。定常光比率が非常に高いため、ブレが長く濃く出ます。第四章・ブレを読んで下さい。SS1/30〜1/60では絶対ブレます。フラッシュ使用で定常光比率が非常に高い撮影はSSは同調速度で固定すべき撮影です。
そのため、ISO感度運用が必要になります。

●F6〜8、ISO400〜800、SS同調速度。この位のデータになると思います。条件次第なので露出インジケーター・露出レベル表示を見ながらISO感度を調整して下さい。

注意・その1

温帯など暗い海・明るい海でも深い場所、曇りでは、ISO感度がもっと上がります。
2020年現在のカメラでは、ISO2000はどうですか?ISO2000が常用出来るなら可能です。
しかし、青い自然光の青さが濃いと、青被りの青さが濃くなりますので、深い場所はお勧めできません。浅場がお勧め。

注意・その2

●INONのフラッシュの場合、マニュアル発光の最小発光量が、GN3〜4と大きいです。TTL発光の最小発光量よりもかなり大きいです。マニュアル発光の人は、遠ざけるか、1灯だけでもよいでしょう。

●INONのTTL発光の人、SEA&SEAの人は、大丈夫だと思います。発光量を下げ過ぎると被写体の色が再現できなくなります。調光補正をしてもヒレの骨の白飛びが収まらない場合は、1灯にする・遠ざける・斜めから当てて正対させない・自作拡散板・バウンスなど試していきます。どこまで行くかはあなた次第

将来の運用

将来、ISO2000まで常用出来るカメラでは、ライト撮りの方が良いです。

フラッシュ併用のライト撮りは同調速度の限界のためブレが長く濃くなります。水中ライトと青い自然光の定常光撮影でSSを早くした方が良いです。第五章・ライト撮り(2)にも書きましたが、このような撮影では、ブレ防止のためSS1/500以上が望ましいです。

フラッシュの代わりに前から七色のライトを弱く当て、F6〜8、ISO800〜1600、SS1/500の方がブレずに撮影できます。
ただし、このISO感度で綺麗に撮影できるカメラが必要です。

また、そのようなカメラでは、、、
●F11以上でも可能になります。より深い被写界深度で撮影できます。
●SS1/1000でも可能になります。早い動体でもブレなく撮影できます。

撮れる写真

いくら浅場で、青い自然光の光が減衰する前で七色そろっていても、青いです。
撮れる写真は・・・

青被りしています。 最初の写真の様には撮れません。多くの皆さんが思っている通りです。

修整

新・レントゲンは、修整で仕上げる写真です。
フラッシュを光らせているため青被り写真にも色情報は残っています。
そのため、色温度を調整するだけで、最初の写真の様に色が蘇り、青被りを修整出来ます。

専用ソフトもあります。

さて、本来の色とは???

さて、多くの方が、『修整かよ!!!』と思っているはずです。修整したくなければ撮れるのは青被りした写真までです。

しかし、本来の色とは何でしょうか?
この青被りは、機械によって変わります。
ちょっと、傍章・雑談・本来の色を読んでみて下さい。
自分にとっての本来の色、修整の限度などを考えてみて下さい。これは人により異なるものだと思います。しかし、自分の基準はあった方が良いと思います。

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