アカメハゼの卵

作例集

関連章

以下の章の応用です。第五章まで進み習得済みの方は、進んで下さい。
第一〜四章の段階で来た方は、運用だけを真似して下さい。第五章で以下の章をお読みになられた後、再びここに戻って来て下さい。理論の理解や他の被写体への応用が出来るようになります。
●第五章・シャドー
●第五章・ライト撮り(4)逆光
●第五章・アクセントライト

透過光の屈折率の差

キーワードは透過光の屈折率の差です。

透明な物は光を透過します、だから透明なんです。
フラッシュ光の大半も透過してしまいます、反射する光が少ないのです。写真は反射した光で撮るのですから、透明な物は綺麗に撮り難いのです。この写真であればサンゴはフラッシュ光を反射し、明確に写りますが、卵は極一部の反射光でしか写りません。そのため被写体の卵よりもサンゴの方がハイキーに存在感が出てしまい、卵自身が埋没した写真になってしまいます。

透明な卵の存在感をいかにして出すか???
どう光を操ればいいのか???

応用

透明な物・半透明な物の撮影すべてに応用出来ます。卵・ホヤ・イソギンチャクなど・・・。

運用

●フラッシュを1灯、被写体の後から当てます。透明な物体を透過した光はその屈折率の差により明暗差が出来ます。その明暗差を撮影するのです。斜め後ろ45度程度が基本的な場所です。良い明暗差を探して細かくフラッシュを動かして下さい。カメラの位置を動かして下さい。1cm単位の細かい修整が写真を作ります。

透過光だけで撮影するのです。ターゲットライトは消すか、写真に写り込まない光量・データにして下さい。

●背景に反射した光も透過します。そのため透明な被写体は基本的に背景色に染まります。綺麗な背景色の場所を選ぶ必要があります。上の写真も完全に透明な卵が背景の薄いオレンジに染まっていますね。

運用(2)。必要な機材

通常のマクロ撮影用の機材では、アームが短く被写体の後にフラッシュを置く事が出来ません。
長いアームまたはクローズアップレンズが必要になります。

●長いアームがあればフラッシュを後から当てる事が出来ます。
●クローズアップレンズをつければ被写体までの距離が短くなります。短いアームでもフラッシュを後から当てることが可能です。実際この写真は、INON、UCL-165にSサイズのアームで撮影しています。

60mmレンズ、最短距離であれば長いアームやクローズアップは不要かも?

運用(3)

ライト撮りでも可能です。上記のフラッシュ位置に水中ライトを設置して下さい。ライトの設置位置で明暗差の出来かたが決まります。
明暗差の確認・影の確認はライト撮りの方がファインダー内で見る事が出来るので簡単です。これはライト撮りの利点です。
しかし、ライト撮りではブレが出やすく、シャープなエッジが出ません。its値の高いライトでなければSSを早く出来ず、デメリットが大きくなります。
照射角度が狭過ぎるライトでは、背景色の写り込みが綺麗に出にくいです。逆に黒抜きっぽくは出来ます。

フラッシュは、最低でも5000itsはあります。ライトとは比較にならない光度です。綺麗に撮りたければ圧倒的にフラッシュが有利です。

運用(4)

フラッシュやライト1灯では、影が濃すぎる場合は、
● 当てる角度を変えてみる。
●2灯似た方向から当てて、光りを柔らかくする。
●前から影を弱める暗めのライトを置く
などをお試しください。

理論説明

第五章ではアクセントライト・逆光・シャドーで被写体の輪郭強調、写真の中の明暗差を作りました。この応用です。透明な被写体の内部に、明暗差をつけて被写体を強調します。

●透過光の屈折率の差で卵自体の中に明暗差をつけます。
●背景の反射光の透過で透明な被写体に色を付けます。
●第五章シャドーの応用で光に偏りをつける事により、サンゴ自体にフラッシュ光が当たらないようにしてシャドーを作っています。

この組み合わせで出来た写真です。

第五章・応用(2)シャドーの作例にもこの透過光の屈折率の差による明暗差は出来ていますね。

理論説明動画

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