白砂飛ばしのバリエーションで、白砂部分をローキーに仕上げる方法です。
白砂飛ばしよりも撮影条件はかなりシビアです。実はなかなか綺麗に成功しない撮り方でもあります。
写真が読めるかなぁ〜〜読めたらすごい〜〜エキスパート〜〜
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青無し写真・究極の青無し写真
前景+中景(フラッシュの当たり方で読みます。前景とのフラッシュ光の量の差が大きいという事は距離の差があります。もしこれ読めてたらすごい〜〜お見事、後景ではこの色は絶対出ません。)
ボケ多い、しかし、被写界深度は浅いものから普通まで様々
絵コンテは、ローキーに仕上げたボケた白砂背景で撮る写真。
黒抜き系は、黒背景
青抜き系は、青背景
白砂飛ばしは、白背景
白砂飛ばしローキーは、グレー背景です。
落ち着いた雰囲気で僕は好みです。
青無し写真ですから、SSは同調速度固定。
F値は後で説明します。
●白砂青被せは、白砂に、青い自然光を多くして、七色のフラッシュ光を出来るだけ少なく、撮りました。
●白砂飛ばしは、白砂に、青い自然光を出来るだけ無しにして、七色のフラッシュ光だけで、撮りました。
●白砂飛ばしローキーは、白砂に、青い自然光を出来るだけ無しにして、七色のフラッシュ光も少なく、撮りました。
今までもローキーの撮影技法はありました。青被せローキーです。青被せローキーの場合写真全体をローキーにしました。写真の露出をアンダーにしたのです。従って調光補正を下げてローキー(露出アンダー)を作り出しました。
しかし、この白砂飛ばしローキーは、前景はローキーではありません。背景になっている中景の白砂だけがローキーなのです。写真全体がローキーではないのです。従って露出はアンダーではありません。前景の被写体は暗くありません。
露出ノーマルで部分的にローキー仕上げです。
白砂飛ばしは前景のみでした。
この白砂飛ばしローキーは前景+中景です。つまり白砂までの距離が遠いのです。そのためフラッシュ光は弱く当たりローキーになります。中景がローキーになるのは当たり前とも言えます。あれ?難しくないぞ?
背景のボケは必要です。綺麗なグレー背景を作るためにボカします。しかし浅い被写界深度は必須ではありません。背景が距離の差でボケるならF値は開けなくてもいいです。実際最後のアオサハギはF9.5です。距離の差で中景の白砂をボケさせています。F値5.6〜F値8程度で十分です。この点においても、F値開放が普通の白砂飛ばしよりも絞れる訳です。
作例の中にはF4〜5.6あたりもあります。被写界深度が浅い作例もあるでしょ?これは、中景をボカすためではなく、被写体もボカした方が可愛いから被写界深度を浅くしただけです、中景のボケのためではありません。
白砂飛ばしより遠めの中景部分に白砂を持ってきて、中景は距離が遠いから後は勝手にローキーになるでしょ?と思ったあなた。そこまで気づけたらちゃんと読んでくれてる証拠です。僕はうれしい〜
しかし、それではこの絵コンテは成立しません。ここまでだとローキーになります。しかし、中景の白砂が青被りします。綺麗なグレーにはなりません。失敗作例を載せますので、ローキーにはなったけど青被りした中景の白砂をどうやって青無しにするか?を考えて下さい。


2枚とも青みがかったグレーになっています。青い自然光が侵入してきています。ローキーにはなりましたが青いのです。
これはこれで綺麗ですが、白砂飛ばしローキーとしては失敗です。これでは白砂青被せローキーですかね。
当たり前です、背景までの距離が遠いので青い自然光は侵入しやすいです。写ってる白砂の面積が前景だけの白砂飛ばしよりも何倍も大きいです。中景です。青被りしてそりゃ当然です。でも青は無しにしないといけません。
そこできっと、、、
あなたは、こう考えるでしょう〜
ロケハンで青い自然光量がとても少ない場所を探すのだ〜白砂飛ばしやDARK&MELLOWでやった奴と同じだ。ロケハンで青を無くしてグレーにする。どうだこれが正解だろうって〜〜
これが思いつければあなたはこのHPをしっかり読めて理解出来てます。もう完璧に近いです。思いつか無かった人は、今、出来ない事は水中のボケた頭では出来ません。何度も読み直して、実地訓練してね〜
しかし〜〜〜〜〜撮りに行くとこれでは撮れないのです・・・。
白砂飛ばしは前景のみ(後景無し)でした。ロケハンしやすいです。
DARK&MELLOWでは、中景で黒い岩場背景を探せばよかったのです。何とかロケハン出来ます。
しかし白砂飛ばしローキーは、中景で白砂です。その条件でしかも、岩の窪み?岩の影?無理です。そんな所ありません。
この絵コンテが撮りにくいのは、青い自然光量が少ない場所をロケハンでは、探せないのです。
どうしましょう???
ここでこのページの最初、『撮影条件はかなりシビアです。』と書きました。ロケハンではなく撮影条件です。
そうです天気です。青い自然光が少ない場所をロケハンで探せないなら、海中全体の青い自然光量が少ない時に撮るしかありません。この絵コンテを成立させるには天気が必須条件になります。
曇りじゃダメです。オープンな砂地では曇りくらいじゃ青が侵入します。
大雨、夕方。青い自然光量が根本的に少ない時。
深めの白砂のポイントで、1mくらい先の白砂を背景に撮るのです。
SS同調速度。F値は中景がぼける程度。F8程度で可能です。
被写体もぼかしたければF5.6などで被写界深度を浅くします。その代わり青い自然光がさらに侵入しますので、天気条件はさらにシビアになります。
白砂飛ばしローキーは、天気で撮る。
今までマクロ写真でここまで天候条件に気を配っていましたか?マクロであろうとワイドであろうと、陸であろうと水中であろうと、天気すなわち自然光量が写真には非常に大事です。その自然光量をしっかり考えてあげる事が写真を撮るという事でもあります。白砂飛ばしローキーは究極の青無し写真なのです。

中景の青い自然光量は減らしました。青被りはしません。
白砂に、七色のフラッシュ光が少し当たれば、グレーになり白砂飛ばしローキーの完成です。
●近めの中景の場合、七色のフラッシュ光量が多く、明るいグレーになります。
●遠めの中景の場合、七色のフラッシュ光は少なく、暗めのグレーになります。
(より詳しく)
そして・・・仕上げです。
その七色のフラッシュ光量をフラッシュ位置で変えます。
実は、フラッシュ位置については、言及してきませんでした。どの位置が良いでしょうか?
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通常被写体は、スズメダイ・ハナダイなど中層の魚になります。完全に地面にくっついているベニハゼなどでは理論上可能ですが、現実的には難しいです。なぜならば上の絵の岩の角に良い所に奇跡的に座ってないといけないからです。
中層なので180度型、光軸間角度は、まぁ普通。浮遊物によって変える程度です。デフォルトでは、このような感じです。
ここで、今までの諸条件で、白砂飛ばしローキーの写真が撮れました。この状態から、中景の白砂部分を明るくするのは無理です。フラッシュ光を上げると前景が露出オーバーになります。限界です。
しかし、中景の白砂部分をより暗く、濃いグレーにする事は可能です。七色のフラッシュ光を中景に当てなければいいのです。

さらに・・・
遠めの中景では、もはや黒抜きに近くなってしまうかもしれませんね。フラッシュ位置を変えて、自分の好みのグレーに調整するのです。あなたはどのグレーが好き?
これで完成です。この撮り方にはすべてが詰まっています。
●海の青い自然光量を見る事
●ロケハン
●SSでの青い自然光量のコントロール
●F値での被写界深度のコントロールと距離の差のボケのコントロール
●F値での青い自然光量のコントロール
●フラッシュ位置での七色のフラッシュ光のコントロール
すべての光を見るのです。すべての光を操るのです。
これが、撮れちゃったではなく撮るという事です。
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