青被せをローキーに撮る技法です。
●青被せ・ローキーで妖しい雰囲気の写真
●青被せ・ローキーでレントゲン撮影
青被せローキーでは妖しい雰囲気が出ます。
妖艶で色気のある絵コンテの撮影には良い感じです・・・と思っています(^^ゞ
●青被せと同じです。SSを遅くします。またはISO感度を上げます。
●青多い写真です。青い自然光量が多い方が簡単です。
●ローキーなので青の質は余り影響しません。4〜5mの浅場は自然光が青くないので避けましょう。
●フラッシュ光量を落としてローキーにします。TTL調光の方は調光補正をマイナスにします。
●マニュアル発光の方は発光量を少なくしてください。F・SS・ISOの設定でもローキーは作れますが、絵コンテを守るためには発光量を変えてください。
青被せローキーは、技法自体が人を引き付ける撮り方ではありません。あくまで絵コンテとの親和性が重要です。
●青被せは青のモノトーンです。
●ローキーです。
モノトーンでローキーが似合う絵コンテで撮って下さい。技法は主役ではなくあくまで絵コンテのイメージを実現するための武器です。
妖しさ・妖艶・静謐を表現するには良い方法だと思います。
まず作例です。写真を見て読み取って下さい。
どう読み取りましたか?
●ホントに青被せ???と思いますよね。暗いだけであまり青くないように見えます。しかしよく見て下さい。全体的にうっすら青いです。暗く青いのです。明るい青だけが青ではありません。暗い青もあります。群青も青い自然光で作る色です。
この写真は青多い写真です。暗さに騙されないで、明るさに誤魔化されないで、写真の中の青の量をしっかり見て下さい。魚やサンゴの色もはっきり出てませんよね?これは青被りしているからです。
●前景のみです。
●ボケ量は多いです。被写界深度も浅いです。
ここまでが基本の写真の読み方でしたね。皆さん出来ましたか?青多い写真かどうかが少し難しかったと思います。
ここからがこの写真を特殊なものにしています。
(1)調光補正をして、露出アンダーです。写真がローキーです。
(2)背景は前景です。そこに色の暗いものがあります。
データは(ISO固定・SSでの運用の場合)
ISO100・F4.5・SS1/50・調光補正-1.7 背景部分に濃い茶色の海綿
ISO100・F5.6・SS1/180・調光補正-2 背景部分に黒っぽい岩
●青被せローキーの妖しさ・妖艶・静謐
●透明なヒレや骨を白飛びさせず、詳細に明瞭に写し取る事が出来ます。
通常撮影の写真。
透明な魚の骨やヒレは、七色のフラッシュ光の反射で骨の関節部分が白飛びしやすいです。細かい小さな骨の関節まで写し取る事は難しいです。この写真のように、白飛びを抑えるとヒレが明確に写りません。透明な部分は前からのフラッシュ光を反射しませんので光量を落とすとはっきり写りません。
●通常撮影の方が、色の出方は綺麗です。しかしヒレのディテールや存在感は消えています。
●レントゲン撮影では、色の出方は悪くなりますが、透明なヒレや骨は詳細に写し取れます。
前景のみ・白砂背景・青無し写真(天気の超悪い日)・ボケ量多い・被写界深度も浅い
ISO100・F5.6・SS1/200 調光補正-0.5
基本知識の確認です。
TTL撮影ではF・SS・ISOを変えても露出アンダーにはなりません。何故?って人は、先に(より詳しく)を読んで下さい。
この横長の四角が写真を作る光の総量だとしましょう。これは、カメラが適正露出を考えて決めます。今カメラが四角10個分の光が必要だと考えたとしましょう。
F値・SS・ISOを設定し青い自然光の量が決まりました。青被せなので青い自然光量は多い青多い写真です。四角7個分だとしましょう。
残り3個分の光が足りません。そこでカメラはフラッシュのTTLに3個分光れと命令を出します。
ここまでで通常の青被せですね。
絵コンテローキーなので調光補正をマイナスにします。フラッシュの発光量は減り、カメラの考えた適正露出よりも露出アンダーになります。四角2個分発光量が減ったとしましょう。減った所は黒四角です。四角10個が最初のカメラの考えた適正露出ですから現在の四角8個で作られた写真は、露出アンダーになります。暗く超青被り状態になっているのです。
七色のフラッシュ光は3/10で30%だったのが1/8で12.5%になっています。この写真のほとんどは青い自然光が作っています。
この写真の怪しい雰囲気は、ロ-キー超青被り+黒っぽい背景が作っています。
では骨が綺麗に映るのはなぜ???
フラッシュは点光源です。ディフューザーつけようと大き目の点光源です。110度照射しようと点光源であり被写体にはある方向からだけ一直線に当たります。
自然光は、地球全体に平行に降り注ぐ面光源です。それが、水中で青い自然光になり反射し拡散します。基本は上からの面光源+様々な方角からの反射光となっています。



これがレントゲンの秘密です。
ローキーで青被りさせると七色のフラッシュ光はあまり光らず、青い自然光だけで写真が作られます。(青い自然光比率が高い)透明な部分は、透過光を含めて360度色々な方向からの青い自然光を受け取ります。それがカメラに写ります。
細かい繊細なディテールもすべて写せます。
そしてその背景が黒系の濃い色であればそのディテールが綺麗に見えるのです。
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