地味に難易度が高い共生ハゼの黒抜き。しかもこれは撮影条件ではなく、撮影者のテクニックで撮るのです。
腕です、腕〜〜最後にものを言うのは腕でっせ〜〜〜〜〜〜
まず写真を見て、読み解いて下さい。
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青全く無し写真・黒抜き
前景+後景
被写界深度とても深い・ボケ無し
えっ、普通の黒抜きじゃないの?と即座に思ったあなた。いいですよ〜ちゃんと理解出来てますねぇ〜この辺はもう反射的にわかるようになってもらわないと困ります。
ISO100・F11・SS1/250(同調速度)
ISO100・F22・SS1/250(同調速度)
データも普通の黒抜き
で、自分で撮ってみて下さい。難しいです。なぜならば黒抜きに必要な後景が作れません。中景になってしまい写真に写ってしまいます。ヤシャハゼの回りはこんな状況です。さてどうします?どうすれば撮れますか?
高く飛ぶハゼを探すのです。たった2〜3cmいつもより高く飛ぶ子。
思い当たりますよね?ヤシャハゼ見てて、今日はよく飛ぶなぁという日ありましたよね?その時しか撮れない絵コンテが頭の中に何枚も広がりましたか?
それが『光り輝く子が見える』という事です。様々なテクニックを書いてきましたし、これからも書きます。しかしカメラマンに本当に必要なのは、この『光輝く子が見える』事です。
ロケハンで高く飛ぶ子・近寄っても座らない子を見つける事
ヤシャハゼに限らす共生ハゼが、高く飛ぶのは、水温が高い時で索餌している時です。流れてくる餌をパクっと食べてるのを見た事がありますよね。その時その子は共生ハゼ黒抜きという絵コンテでは、光輝いていたのです。
通常ゆるやかに流れている時が索餌しやすいです。また婚姻時期がベストです。卵を作るためご飯を食べないといけないので良く飛びます。
カメラを出来るだけ下に下げて、アングルで後景を作る事。実際カメラを手に持っていてはこれは撮れません。下の砂地に置かないと後景は作れません。45度のファインダーの人は簡単ですが、ストレートファインダーの人は難しいです。しかしカメラを置くべきアングルがあるならば、そこにまずカメラを置いてその後に顔をねじ込むのです。諦めず妥協せず何が何でも顔をねじ込むのです。(傍章・撮影情報・ストレートファインダーテクを参照して下さい)
青無し写真ですから青い自然光量が少なければ少ないほど有利です。しかし、設定は通常の黒抜きですので、青い自然光量が多くても、撮れます。
あまり気にしなくてもいいけど青い自然光量が少ない方が有利な戦い、程度です。
さて、ここで新しい事を学びます。
絵コンテに最適なフラッシュ位置です。
光を綺麗に回すフラッシュ位置、これを訓練してきた成果を見せましょう。今から絵コンテが複雑かつ繊細になってくるとこのフラッシュ位置で完成度が変わります。そしてこれは・・・長い時間地道にフラッシュ位置を毎回触って会得した経験と知識が役に立ちます。今まで僕の言葉を信じてついてきてくれた人々、損はさせません(^O^)
まずは、基本の光を綺麗に回すフラッシュの位置に配置しましょう。
ヤシャハゼは荒い砂地にいます。浮遊物はあまり多くない沖縄では光軸間角度は小さめで良いです。浮遊物が多めでの時は光軸間角度を大きくしてください。
通常ヤシャハゼを撮る場合、水底や共生エビと一緒に撮ります。従って120度型を選択します。しかし、今回の絵コンテは、地面を入れません。そのため中層の魚と一緒で180度型が良いフラッシュ位置です。
ここまでは、通常のフラッシュ位置の考え方です。
今回は、中景にあたるフラッシュ光は減らしたい絵コンテです。
カメラは地面についている状態で180度型ですからフラッシュも地面についた状態です。高く飛ぶヤシャハゼなら地面は写真に写っていませんが中景の砂地は写ります。もちろん非常に高く飛べは後景だけになり何の苦労もなく撮れますが、そんな奴は滅多にいません。
中景の砂地にフラッシュ光を当てなければ中景も黒くなるのです。当てたくない中景をフラッシュの照射角度から外します。斜め上に角度を変えていくのです。そうすると中景がだんだん暗くなります。
なんだか、ヤシャハゼへの光の回りが悪くなる気がしますか?実はフラッシュの位置自体は変化していませんから、フラッシュの光軸は全く変わっていません。従って光の回りは全く同じです。あくまで照射範囲を変えるだけです。
綺麗な写真を撮る時、最後に完成度を上げるのはフラッシュ位置なんです。ここでは光を当てたくない場所をフラッシュの照射範囲から外す事を学びました。これは様々な絵コンテで使います。
綺麗に光を回す事が出来る人は、光を回さない事も出来るのです。
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基本の180度型
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この絵コンテのフラッシュ位置
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アニメーションです。フラッシュを、基本180度から変えていきました。中景の黒さの変化を見て下さい。
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差が顕著な本の文字が玉ボケしている部分を切り取りました。フラッシュ位置だけでこのように変える事が出来ます。

フラッシュの向きを変えても光軸間角度は変わりません。つまり被写体への光の回りは変わりません。フラッシュの向きを変えているだけで場所は変えていないからです。影のでき方は同じです。
下のカメラの写真を見て下さい。向きを変えても場所を変えなければ光軸間角度は変わっていません。
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3枚の作例の亀の尾の部分で光の回りを比較しましょう。
影の変化がわかりやすいように左1灯だけでの撮影です。
しかし、3枚とも光の回りは変化しません。フラッシュの見かけが激変してますが、光軸間角度は変わっていないからです。

応用範囲は広いです。
フラッシュワークで中景を黒抜きに出来れば・・・
地面からあまり離れないベラの子供・ハナダイの子供など多くの被写体に応用出来ます。
是非ヤシャハゼで共生ハゼ黒抜きを試して完成させて下さい。その経験は必ず他の撮影に役に立ちます。
ハタタテハゼはヤシャハゼなどより難易度が低いです。地面から高く飛びます。個体数も多いので光り輝く子も見つけやすいです。
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クロユリハゼなどかなり高い位置を飛ぶ場合は、条件はベラなどと変わりません。テクニック的に難易度は下がります。背景も簡単、フラッシュ位置もノーマルでいいいいはずです。ただ被写体まで寄りにくいので、晴れた昼間は難しいでしょう。そのため自然光量が少ない時という条件が加わります。ハゼでも色々〜〜撮り方も色々〜〜
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