黒抜き・DARK&MELLOW

黒抜き・BLACK&ボケのバリエーションです。BLACK&ボケで、被写体と背景の間にボケさせるものを挟みます。そこは被写体から距離の差が出ますのでよくボケます。そのボケを利用して妖しく美しく仕上げる写真です。

作例

これは普通の黒抜きです。特に難しくもなんともないです。絞ればいいだけ。ISO100・F13・SS1/320



上の写真をどうやって下の写真に変化させるか?それがDARK&MELLOWの秘密・考えて〜
ISO100・F8・SS1/320


作例も見ながら考えて〜

作例集

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青無し写真・黒抜き・BLACK&ボケ
前景+後景???でも本当は前景+中景
被写界深度薄め・ボケ多い

BLACK&ボケのバリエーションだからF値を開けて被写界深度を薄くする。また被写体と中間にあるイソバナまでの距離の差でボケさせる。

でも・・・

最初の例はF8です。しかし通常そこまで距離の差が作れません、最初のF8のヤマブキスズメダイの作例はボケが甘い。それ以後の作例は、F値開放〜5.6です。通常、開放から〜5.6で撮ります。

この絞りでボケさせながら、黒抜きは難しいですが、それはBLACK&ボケに書きました。ロケハンで青い自然光量が少ない所を探すんでしたね。

DARK&MELLOWでは、被写体が普通の泳ぐ魚です。従ってナイトダイビングは無理です。昼間、青い自然光量がとても少ない場所を探さなければこの絵コンテは、撮れません。

第一章 青い自然光より

青い自然光が多い場所 青い自然光が少ない場所 青い自然光がとても少ない場所
曇り・雨 大雨
昼間 夕方 (ナイトは魚がいない)
浅い 深い 超深い
白い砂地 リーフ 黒い岩場
岩の上 岩の横 岩の下の影
開けた広場  壁 真っ暗な洞窟
 根の上 根の横 根の隙間
上向いて撮る 横向いて撮る 下向いて撮る
太陽の方角を向く 太陽に横向き 太陽を背にする

条件は

●青無し写真なので雨など青い自然光量が少ない時が有利
●水中で青い自然光量がとても少ない場所を探す。岩陰など
●そこでイソバナなどの前にかわいい魚が泳いでいるところを探す
●そこでBLACK&ボケをする。
●DARK&MELLOWが完成する。

なかなかありません。そんな場所〜〜ロケハン命です。

意外に複雑な運用

この絵コンテの場合距離の差でボケを作ります。その距離の差は、魚によって違います。イソバナからの距離の差が小さい時はF値開放ですし、イソバナからの距離の差が大きい時はF8でも可能です。背景をより暗くするためにはF値絞る方が有利です。その取引です。
被写界深度と黒抜き度合いでF値をどうするかを考えないといけません。

まぁ実際撮っている感じでは、F5.6程度で被写界深度も浅く、さらに距離の差で大きくボケさせる。その代わりデメリットとして黒くなりにくいのでそこはテクニックで黒くする、という撮り方が多いです。そして距離の差と自然光量を見て、F値開放とF8を使い分ける感じです。

  イソバナと被写体の
距離の差が少ない
イソバナと被写体の
距離の差が普通
イソバナと被写体の
距離の差が多い
F値  開放 5.6 
中景の暗さ 青明るくなる
青無し暗くなりにくい
 普通  青無し暗くなる
ロケハン
天気
中景の青い自然光量が
少ない場所が必要
 中景の青い自然光量が
少ない場所が必要 
 中景の青い自然光量が
少ない場所が必要

意外に複雑な運用(2)

さて、この絵コンテの場合可愛いお魚が必要です。イソバナの前に子供がいるという事は幼魚の季節、夏です。
そして今まで経験上、青い自然光が少ない場所でイソバナの前に子供がいて、しかも後景という所は、ロケハン出来ていません。ブラック&ボケは、背景が後景でしたが、ダーク&メロウは背景は中景になるでしょう。
岩陰などで撮影します。通常、中景の黒い岩場などが背景になります。出来るだけ黒っぽい岩が望ましいです。

その後、中景を暗くして頑張って黒抜きを作る作業が必要になります。

さて、中景を暗く・・・どこかで、出てきましたね???

中景を暗くするには・・・

共生ハゼ黒抜きで、中景を暗くする技を習いましたね。フラッシュを当てたくない場所を照射範囲から外すのです。
被写体の魚にはしっかりフラッシュ光を当てる。
イソバナにも弱く当てる。
イソバナの後にある岩など中景には当てない。
これをその場所に応じてフラッシュを動かして実現するのです。

魚は中層にいるので180度型からスタートです。




こうやってフラッシュ位置で中景を照射範囲から外すのです。

このフラッシュ位置は???

『超ハレーション用フラッシュ位置』ですね。今回はハレーション防止ではなく、光を回さないために使うのです。
やっぱりフラッシュが最終的な完成度を高めます。大事です。

温帯など、暗い海

この絵コンテは青無し写真なので温帯の暗い海ではより簡単に撮れます。温帯の深場で昼間でも水中ライトが必要になる場所では、ロケハンが簡単です。オープンスペースのウミウチワやヤギで可能だと思います。お試しあれ

オキナワなど明るい海

可愛い幼魚はいっぱいいるんですけど、ロケハンが大変です。そんな条件がそろった場所は少ないからです。自分で試して見つかるかなぁ???僕も良い場所のロケハンの仕方がわかるまでかなりかかりました。一度来店時聞いて下さい。一度場所を見てもらってイメージをつかんでもらえば、後はご自分でも探せると思います。最初の光輝く場所を見つけるのが大変なのよ〜〜

黒抜き系終了

で、気づきましたか?なんか最初の話と違うじゃないか?って思ってますか?
気づけたあなたは良い生徒です。せんせいはうれしい〜〜〜〜〜〜

黒抜きには、前景+後景、必ず後景が必要です、と、『第二章 黒抜き』に書いてありましたね。
意図的な嘘です。正しく書き直しましょう。

黒抜きには、後景または中景が必要。
ただし中景は、撮影者がロケハンとフラッシュテクニックで黒くする事

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