白いものを白く撮る。
自然光が青い水中では、青が支配する世界では、白が白でいる事がどんなに難しいか・・・の話
もう、ご自分で写真を読めるはずです。作例集を見て、写真を読んで下さい。
| 作例集 |
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青無し写真・究極の青無し写真
前景のみ(後景無し)。背景は白砂
被写界深度とても浅い・ボケ量とても多い
SSは同調速度で固定。
この写真は、黒抜きやそのバリエーションの写真と同じグループです。写真から受ける印象は全く違いますが、同じ青無し系。しかも究極の青無し系です。写真のハイキーローキーなどの印象にくれぐれも騙されないで下さい。
白砂をぼかして真っ白な均一な背景を作り、ハイキーに白飛びさせて純白の世界を作る、が絵コンテ。
ボケ量は大きくしたいです。F値は開放からF5.6、ごく稀にF8。背景部分との距離の差によってボケ値が異なるのでそれにより、F値を調整します。
上下の作例では赤いチゴベニハゼだけがF8です。チゴベニハゼと背景の白砂との距離の差が大きめだったのでF8でも十分なボケ量が得られるとの判断です。結果少し白砂のグラデーションが残っていますね。F5.6の方がよかったかもしれません。
白砂と被写体の距離の差が大きいアングルで撮ります。
| 被写体と白砂の距離の差 大きい |
被写体と白砂の距離の差 小さい |
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| ボケ量 | 多い | 少ない |
| 設定すべきF値 | F5.6〜F8 | F開放〜5.6 |
このような白砂の場合、ほんの少しでも青が入るとすぐに白が青被りします。他のどの色よりもすぐにわかってしまいます。しかし、ボケ量が多い絵コンテなのでF値は絞れません。青い自然光が大きな窓からが入ってこようとします。
このF値でありながら、究極の青無し写真。
どうすればいいでしょうか???
考えて下さい。
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これだけ繰り返せばもう大丈夫ですね。青い自然光が少ない時に青い自然光が少ない場所で撮る。晴よりも雨の方が格段に有利な戦いが出来ます。
白砂自体は広くなくて構いません。被写体の後にあれば岩のくぼみに砂が10cmたまっているだけでOKです。というよりも広い砂地では青い自然光量が増えるため、白砂青被せになってしまいます。岩陰に溜まった小さな白砂の方がいいです。
白砂で青い自然光量が少ない所をロケハンするのです。晴れた日でも水深が浅くない限り、20mでもあれば、白砂ポイントの根の岩の影にあるくぼみの砂だまり
で撮影可能です。
距離の差が大きい方がボケ量が大きくなり白砂がいい感じになります。距離の差がある事が必須です。ベニハゼなどはうまく背景が抜けて白砂になるか、白砂で飛ぶ瞬間撮るかです。
夏、青い自然光量が多く不利ですが、スズメダイの小さい子供が岩や根の周りの白砂背景の所に出てきます。狙い目です。
夏なのに、天気が悪い、雨が降っている・・・実は水中マクロ写真では、悲しくありません。青無し写真が撮りやすいからです。白砂飛ばしなど成功しにくい撮影技法にチャレンジする絶好のチャンスです。
●地面に座っている被写体の場合、120度型。被写体との距離は近いため、光軸間角度は小さい方が良い。白砂にもしっかり光を当てるため、フラッシュは傾けず正面を向ける。
●中層を飛んでいる被写体の場合180度型。被写体との距離は近いため、光軸間角度は小さい方が良い。
しかし注意点があります。中層を飛ぶ被写体の場合、フラッシュ光で出来た被写体の影が白砂に写る場合があります。写真にも白砂部分に少し暗めの部分が出来る場合があります。通常の岩などの背景では見えもしない影が白砂では見えます。この白砂飛ばしという絵コンテでは影はいりません。綺麗に光を回す事に注意して下さい。
180度型の時少しだけフラッシュを下に下げる感じがいいと思います。そうすると影は奥に方に行き写りにくくなります。あくまで被写体の光の回りが悪くならない程度ほんの2〜3cm下げる程度でしょうか?
自然光のとにかく少ない白砂をロケハンする事。意外に小さい窪みなどにたくさんあります。
F値開放〜5.6・SS同調速度
白砂背景で距離の差を作って
フラッシュで影を消して
・・・撮る!

白砂飛ばしとしては失敗作です。青い自然光が残っています。
F値やSSで改善は出来ません。この絵コンテは失敗するともうどうしようもありません。ロケハンの失敗なので場所がダメなんですね。
ただし、撮影技法として失敗です。しかし写真としては、ありじゃない?だって綺麗じゃん〜。
白砂飛ばしの場合青が残った失敗作は、淡い白砂青被せになるだけです。どちらに転んでもきちんと仕上げて撮れば綺麗な写真です。ロケハンも他の絵コンテより、数多く見つかるかもしれません。
うまくいかない場合はロケハンミスです。来店時聞いて下さい、ロケハンの仕方と実際の場所をお教えします。言葉では難しくても現場を見ればどんなロケハンが必要かわかります。やっぱり言葉はしょせん言葉。百聞は一見に如かず〜
実はこの撮り方の応用範囲は非常に広いです。温帯で白砂なんてないから関係無いと思わないで下さい。
水中では、程度の差はあれ、すべての写真が青被りしています。すべての被写体の本来の色が青く濁っている訳です。
この白砂飛ばしを応用するとロケハンで被写体本来の色の再現が出来ます。白が白であるならば、黄は黄、赤は赤になります。第二章 色の出方では、F値・SSを使っての本来の色の再現をしました。それに加えて、ロケハンで被写体本来の色を出すのです。その方法が白砂飛ばしなのです。
是非沖縄など白砂がある場所で練習して下さい。これを理解して出来れば、白砂などない所でも、ロケハンで、より被写体本来の色が綺麗に出る場所を探す事が出来るようになります。
白砂飛ばしは、ボケと本来の色の再現を両立させる方法なのです。
| 本来の色・作例集 |
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