捕虜収容所2年ぶりのレコーディング始末記
(文:鮫肌文殊 写真:関尾博行)

2019年4月20日(土)
この日、いよいよサード・アルバムのレコーディングがスタート。
今回、鮫肌の目論見は「片面スタジオ、片面ライヴ」憧れのシャム69や4スキンズのファーストアルバム
スタイルにすること。新曲が5曲しかないので、ボーナストラック代わりの代表曲ライヴ6曲を入れての
サード・アルバム。なんか5曲入りミニアルバムってビンボくさくてイヤだったんだよなー。

朝9時、リズム隊のレコーディングから開始。今回もお世話になるスタジオ246の担当エンジニア菅野氏も我々も2年前のレコーディングでお互いのやり口にだいぶ慣れており、サクサク進む。
合間にホリョシュー専属カメラマン関おやじいとのセッション的な撮影を挟みつつ。

そして、鮫肌のボーカル録り。リーダー礒部による「お前なんか何回録ってもおんなじや!」という
非情すぎる方針により、1テイク、2テイクでOKになっていく。これでいいのか?

午後は東京から中島さなえ嬢が合流。今回のアルバムの目玉でもある故・中島らもの名曲「いいんだぜ」の
カバーで思う存分SAXを吹いてもらって奇跡の父娘競演を実現させた。
正式にスタジオレコーディングの形で残していない曲なので良き供養になったのかと。
聴いてもらったら分かるがホンマにええフレーズで曲に魂入れてくれてます。
特に最初のSAXソロは一瞬「これ、ホンマにホリョシューのアルバムか!?」と驚くことうけあい。
あとこの曲、某俳優がドラマで歌いやがったためJASRACに登録されてるのな。
さなえさんからの指摘で後々めんどくさいことにならぬようJASRACに正式に申請することにする。
闇カバーにしたく無かったんで。
残った時間でメンバーとさなえ嬢によるコーラス部分も録音して8時間に及ぶレコーディング初日が終了。
らもさん嫁のミーさんも呼んで、梅田の居酒屋でぷち打ち上げ。
7月27日の中島らも没後15年ライヴの話などして盛り上がる。

2019年4月27日(土)
この日も朝10時から。ギターやベースのかぶせ、ボーカルのどうしてもアカン部分の録り直しなどを
サクサクやる。昼から、おなじみ!?ホリョシューアーミーのオッサン&マダムたちが大集合。
今回、たらやんの娘さんの現役JKが最年少。アルバムのコンセプトが
「Oi!Oi!言うてるパーティーアルバム」なのでシャム69「キッズの団結」並みの分厚いコーラスは必須。
前作でその点が不満だった鮫肌くん、今回はコーラス隊にいっぱい人を呼んで(前回の約2倍!)
何十にもコーラスを重ねていく。
でもコーラスしてる内容が「プッシー!プッシー!」だったりするので確信犯的な公開セクハラに
なっているとも言えるが(苦笑)。

「FUCK YOUR PRIDE」では、西のスキンヘッドバンドの雄BASILISKのロッキーくんに
野太い「Oi!」シャウトをかましてもらって確実に元のバージョンより迫力アップ。

今回のアルバム、この分厚いコーラスは聴き物です!終わりで、東通りの居酒屋でまたも打ち上げ。
9月1日(日)難波ベアーズにて開催するレコ発ライヴで共演して頂く、
コーラスにも参加してくれた猟奇ハンター&BASILISKとともに。バカ話の嵐!

2019年6月2日(日)
少し間が空いてしまったがその分、冷静に音源と向き合えるかと。この日は肝心要のトラックダウンの日。
前回のレコーディングのあと届いた我々の敬愛する遠藤ミチロウ氏の逝去の報を受け「墓場でダンシング」の
歌詞を録り直し。
古今東西の亡くなったロックンローラーの名前を連呼する歌詞に、ミチロウさんも加わってしまった(涙)。
1曲,1曲、メンバーがエンジニア菅野氏に注文を出し音を調整していく。
「いいんだぜ」のベースラインをノロの提案でもっと全面に押し出しバッキバキにしてみたり
(シマバヤシ、自分で弾いてるのに感動してやんの)。
「Oi!Oi!Party」の間奏をパンクバンドじゃありえない変なエフェクトかけてみたり。
そして、微妙にズレてる箇所をコンピューターの魔法でジャストにしていくお化粧。
いや~前回も感じたがレコーディング技術の進歩すごすぎ!
ボーカル的にいえば、全体的にハードコアっぽく結構声を歪ませているのだが「いいんだぜ」に関してだけは
「素のまま」の声。一切エフェクトをかけていない。
それが、らもスピリッツへのリスペクトだと思ったから。
自分でもヘタなのはわかっているが、裸の歌声だからこそ伝わるものもあるかと。
聴いてそれぞれで感じてみてください。
あと、今回のアルバムにボーナストラック代わりに入れたLIVE&LOUDと題したライヴテイク6曲。
バンドと客の異常なノリだけを基準にリーダー礒部がセレクトしたブツ。
録音時期も場所もバラバラ、手前味噌ながらグッチャグチャなパンクな現場の熱がハンパなく凄い。
LINKレコードの悪名高きLIVE&LOUDシリーズに勝るとも劣らないギリの音質で迫る
パンク・ノイズ・アタックのシャワーを浴びてみてください。
DISORDERのライヴアルバムのクレジットで「RECORDED BY SONY WALKMAN」って
書いてあるのを見て受けた衝撃まんまが、令和元年に甦っております!

さあ、そして決まった発売日!9月2日、クンニの日に全国一斉発売
7月27日らもライヴでは世界最速先行発売も大決定!
東京でも9月15日(日)柴崎RATHALLにて1年7ヶ月ぶりでレコ発ライヴ!
共演は、
■ザ・スターリンの完コピバンドのコケシドール!遠藤ミチロウ追悼で復活!
(ゲロゲリゲゲゲの山内氏もゲストボーカルで参加)
問)RATHALL info@rathole.tokyo www.rathole.tokyo 見逃すと一生後悔するライヴ、絶対に来てね!!!