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目の前の雪のマウンドを越え、少し下ると三叉峰へのキツい登りが始まる。
途中の樹林帯では、上空を吹く風の音が結構大きく聞こえ、稜線上は風が強いのではないか と心配させられたが、
ありがたいことに、吹く風は優しく、汗ばむ身体に心地よい。
雪の上の踏み跡を辿りつつ、高度を上げていく。
既に出発してから 3時間以上経過しており、食事を含む大休止としたいところであるが、雪の尾根道では適当な場所も無く、喘ぎながらも登り続ける。 |
道は一直線に続くが、決して一本調子ではなく、
いくつかのマウンドを越えていくことになる。
さすがにバテ始め、少し登っては立ち止まるというパターンが続くが、立ち止まると周囲の素晴らしい景色が目に入り、
その度に周囲の景色を写真に納めてしまう。 |
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道はようやくハイマツ帯の中を進む様になる。
斜面が急角度のため、今まで先の方に見えていた三叉峰の岩峰が見えなくなっている。
ハイマツの中をジグザグに進む。ここでも少し登っては休み、写真を撮るというパターンが続く。 |
振り返れば、かなりの高度感にビックリさせられる。
南牧村、川上村が下方に広がり、その後方に
天狗山、男山、
高登谷山、
横尾山などお馴染みの山々が村を囲む様にして並んでおり、
さらにその後方を金峰山 〜
甲武信ヶ岳 〜 高天原山 〜
御座山などの山々が取り囲んでいる。
もう春であるから、村々に雪は見えないが、冬場は辺り一面真っ白になるに違いなく、厳しい土地であることが想像される。 |
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やがて、周囲のハイマツの量がグッと増え、雪道の先に青空が見えるようになる。
そして、その斜面の先に登り着くと、目の前に三叉峰の岩峰とその手前にある標識が現れる。
もっと登り続けなければならないと思っていただけに、これは嬉しい。 |
そして、ハイマツと雪の斜面をさらに登り続け、10時34分、
標識の立つ杣添尾根分岐点に到着。
呼吸を整えつつ右手前方を見ると、いきなり
鹿島槍ヶ岳、
五竜岳の姿が目に飛び込んでくる。
さらには、その左に剱岳、
立山も見えてくるなど、
先日の美ヶ原ではぼやけ気味だった北アルプスの山々が、
大変ハッキリ見える様になる。
これには興奮。暫し周囲の写真を撮った後、さらに良い展望を得ようと、目の前の三叉峰に登る。 |
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