焼 岳 ( 焼 岳 (南峰):2,455.5m、但し 登頂した北峰は 2,444.3m ) 2014.11.5 登山



【PHOTO & 記録 焼 岳 10】

 

周囲の山々を見終わった後は、今も活発に活動が続く 焼岳の様子を少し観察する。

北峰から南峰へと続く稜線の火口側には、勢いよく噴気を上げている噴気孔が見える。
風の向きによっては周辺が見えなくなるほどの噴気の量となり、そして硫黄臭が漂う。噴気孔の周囲には黄色い硫黄がこびりついている。

この写真に写っているのは吹き出す硫黄が固まったものらしい。 恐竜の顔のようである。

こう見ると、 焼岳の状況は、 噴火前の御嶽の状況と変わらないような気がする。
やはり、焼岳は火山。何時爆発してもおかしくない危険性があるということである (特に、 専門家も予想が難しいと言っている水蒸気爆発)
従って、近辺にシェルターが全くないのは問題であろう。
最後に爆発したのが 1962年と半世紀以上も前のことであり、 浅間山のように噴火の頻度が高い山と比べると、 備えができていないのは致し方ないが、御嶽を他山の石として、シェルター設置を考えるべきであろう。

先にも述べたように、小生がこの北峰に着いた時には誰もいなかったのだが、 平日というのに、その後 続々と中の湯方面から登山者が登ってきて、北峰は少々混み始める。
しかも、頂上は吹きさらしで冷たい風が吹き、さらには風花まで舞うようになったので、何も口にせずに下山することとする。
下山開始は 11時11分、それでも 20分以上頂上に居たことになる。それ程素晴らしい眺めであった。

往路を忠実に戻る。
下り始めは、積雪により滑らないよう慎重に下る。今は雪が凍っていないが、近いうちに凍結した斜面となり、 アイゼンが必須となるであろう。
一方、下部の方は今朝ほどに比べて雪が融けており、足下が泥濘んで少々滑りやすい。

笠ヶ岳の方を見やれば、 先程よりも雲の量が減り、少し青い空も広がり始めている。
しかも、時折 日の光が笠ヶ岳方面だけに当たり、周囲の山々の中で、 笠ヶ岳だけが輝いて見えたのであった。

一方、奥穂高岳の方は雲が山頂を覆う状態になっている。
なかなか対照的な 2つの山域の状況であった。

右を見れば、今朝程は気づかなかったが、 霞沢岳の下方に大正池が見えている。
大正池は、焼岳が 1915年に噴火し、 その際に流れ出た泥流が梓川を堰き止めてできたものである。

中尾峠には 12時2分に戻り着く。
焼岳の斜面を下る途中、中尾高原から登ってきたカップルと擦れ違い、 少し言葉を交わす。
新中の湯コースの方が人気があり、さらには平日だということもあって、この中尾高原からのルートでは人に会うことはなかろうと思っていたのだが、 先の若者 2人を含め、本日 4人に会ったことになる。これは意外であった。

中尾峠からは、焼岳小屋・新中尾峠経由にて下山すべく、 そのまま まっすぐ目の前の高みに登る。この高みが焼岳展望台である。
焼岳展望台は至る所に噴気孔があり、そこから蒸気が出ている。硫黄臭はあまりしなかったものの、 中には硫黄ガスを出しているところもあるようである。

展望台から振り返れば、 焼岳の荒々しい姿を見ることができる。
特に上高地側へと下る斜面には、幾筋もの浸食溝が走っていて痛々しい。
大正池の形成は先に述べた通り焼岳の噴火によるものだが、今はこの溝を伝って土石流が池に流れ込み、 池の深さ、大きさにかなりの影響を与えているようである。



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