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登りに入ったので踏み抜くことは無くなるかと思ったのだが、やはり雪は緩んでおり、
数十歩に 1回の割合で踏み抜くという状況が続く。これが結構体力を奪う。
シラカバ、コメツガ、ウラジロモミなどの林を登る。
傾斜は緩やかなのでそれほどキツくはないが、先にも述べたように、時々起こる踏み抜きが結構 応える。
ジグザグに斜面を登っていくため、スノーシューによるショートカットが時々見られるのだが、ここは踏み抜きを恐れて、
人が多く歩いている本来の道を進む。 |
やがて、『 塩くれ場 1.6km 』 の標識を通過。
時刻は 9時27分。
ここを過ぎると、左手樹林越しに周囲の山々がチラチラ見え始める。
樹林が邪魔をしてなかなか見通すことができないが、
御嶽、
乗鞍岳が確認できる。
そして、さらに高度を上げていくと、今度は中央アルプスが見通せる場所に出る。
木曽駒ヶ岳
(写真 中央右寄り) が鈍角な三角形を見せており、その右に木曽前岳、
さらに麦草岳が見える。
また、麦草岳の右には黒い山が見えているが、
経ヶ岳と思われる。
木曽駒ヶ岳の手前には茶臼山、将棊頭山が並び、また木曽駒ヶ岳の左には宝剣岳と思われる高みも見え、
さらに左には空木岳
(写真 左端) も見えている。 |
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さらに登っていくと、ようやく
御嶽がスッキリと見通せるようになる。
そして、よく見れば、御嶽の左側、剣ヶ峰付近に白い噴煙が見えている。
真っ白な御嶽の剣ヶ峰付近には、
まだ 6人の行方不明者が眠っている。
あの雪が融け、捜索が開始されるのは、やはり 6月以降でないと無理であろう。1年近くも灰と雪の下で眠っていなければならない行方不明者の方々、
そしてその家族の方々はさぞや辛かろう。暫し黙祷。 |
さらに高度を上げていくと、
乗鞍岳も何とか見通せるようになる。
斜面左下方に高天ヶ原が確認でき、そこからグッと持ち上がった斜面は大日岳へと上っていき、
その右にある剣ヶ峰とで双耳峰を形成しているように見える。
そして、剣ヶ峰の右には朝日岳が続き、少し間を空けて摩利支天岳、富士見岳、恵比寿岳が続いている。
そして、樹林が邪魔をして、峰続きという状態では見ることができないものの、
断片的に乗鞍岳の右側の山も見え始めてくる。 |
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写真は、
乗鞍岳の右にある
霞沢岳 (写真 中央の白い山) で、
その右に六百山が続いている。霞沢岳の手前の山はよく分からないが、もしかしたらジャンクションピークかもしれない。
また、そのジャンクションピークと思われる高みの左側、写真 の左端から 1/3程の所に見える山は、
小嵩沢山 (コタケザワヤマ or コタカザワヤマ) のようである。
テンションがグッと上がるが、一方で、今までこれらの山々ならびに上空に見えていた青空が
消えつつあることに気がつく。
遠くの山々の背景は灰色っぽく、上空には薄い雲がかかり始めている。
美ヶ原の台地に登り着いた時、
どこまでも広がる雪の原と、同じく果てしない青い空の広がりを期待していただけに、この後の展開が心配になる。 |
やがて、『 塩くれ場 1.0km 』 の標識を通過。
時刻は 9時53分。
この標識を過ぎると、今までの緩やかな登りから一転して、急斜面の登りに変わる。
周囲も灌木帯へと変わり、開けた急斜面を登っていくと、右手上方に岩場が見えてくる。恐らくあそこが
美ヶ原の縁、
下降点であろう。
しかし、その岩場まで近いように見えるものの、結構 時間がかかる。急斜面をジグザグに登る。 |
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