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最初は雪の無い砂地を下る。
やがて登山道上に雪が現れる。所によっては冬道もあるようで、右に落ち込む雪の斜面の縁を進んだりする。
この辺は本来 ハイマツ帯なのであろう、この時間帯、雪を踏み抜くことも多くなる。
夏道、残雪、そして冬道と踏み跡を辿りながら進む。 |
目の前には観音岳が見え、
その左奥には仙丈ヶ岳が見えている。
振り返れば、薬師岳から続く稜線の向こうに富士山が見える。
とても気分が良い登山道である。
そして、最後は岩場を進み、残雪の斜面を登ると山梨百名山の標柱が立つ観音岳であった。
時刻は 12時20分。
そこから少し岩場を登れば三角点があるが、三角点の標石は地面から離れ、
岩に立てかけられているという状態。
事実、今は成果異常 (= 測量成果の不整合が確認されている基準点) により停止状態となっているとのことである。 | |
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三角点の標石が置かれている場所より上にも岩場が続くので、一応最高点まで登ってみる。
遮るものがないだけにここからの展望は抜群で、ここに至るまでに見てきた山々の他、今まで見ることが出来なかった地蔵岳、
そして甲斐駒ヶ岳 (前述のとおり、
実際は 砂払岳付近で少し姿が見えたのだが・・・) の姿を見ることができるようになる。
地蔵岳のオベリスクはいつ見ても長い尾を有する鳳凰のようであるし、
甲斐駒ヶ岳の威厳のある姿は本当に素晴らしい。
また、甲斐駒ヶ岳は、夏場には雪が降った様に白い山肌を見せてくれるのに、
この残雪期には黒々としているのが面白い。 |
少しカメラを引いて見たのがこの写真。
甲斐駒ヶ岳の手前には、
右から地蔵岳、そして赤抜沢ノ頭、高嶺が並んでいる。
また、高嶺の後方にはアサヨ峰も見えている。
鳳凰山は本日登った薬師岳、
観音岳に加え、目の前の地蔵岳を加えて、鳳凰三山として成立するのであるが、本日はここまでとする。
少し残念であるが、ここから地蔵岳を往復するには、3時間近くかかることになる。体力的にも厳しい。
と 思ったら、トレランの方が地蔵岳へと向かっていった。叶わない。 | |
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アサヨ峰の左には
仙丈ヶ岳が大きい。
先に述べたように、仙丈ヶ岳の左には大仙丈ヶ岳、そして右には小仙丈ヶ岳が並び、
仙丈ヶ岳と大仙丈ヶ岳の下方には大仙丈沢カールが、
仙丈ヶ岳と小仙丈ヶ岳の下方には小仙丈沢カールが見える。
そして、大仙丈ヶ岳を含めて南へと延びる仙塩尾根の後方には、
空木岳、
赤梛岳、南駒ヶ岳が続き、
さらに南駒ヶ岳の左には仙涯嶺、越百山、
そして安平路山へと続く中央アルプスが見える。 |
そして、
こちらは北岳と
間ノ岳。
間に中白根山があり、中白根山から間ノ岳の間は 3,000mの稜線が続いている。
先にも述べたように、間ノ岳は高さの見直しにより、
奥穂高岳と並んで日本第3位の標高となった。
この観音岳からは、富士山、
北岳、間ノ岳という日本の高山ベストスリーが眺められる訳である。
さらには天候が良ければ、甲斐駒ヶ岳の右後方に
奥穂高岳も見えるはずなので、本当にロケーションに恵まれた山である。 | |
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観音岳から薬師岳方面を眺める。
薬師岳はこの観音岳から続く稜線上に見える 2つのピークのうち、右側の岩峰 (標柱はその右下の小広場にある) である。
そして薬師岳の左後方に富士山が見える。
素晴らしい眺めである。
加えて、観音岳から薬師岳へと続く稜線も、
白砂そしてハイマツの緑、そして今はそこに残雪が加わって、素晴らしいの一言である。
本日の天候に感謝したい。 |