鳳凰山 (観音岳・薬師岳) ( 観音岳:2,840.7m ) 2014.5.10 登山


【PHOTO & 記録 鳳凰山 1】

ゴールデンウィークの前半に日光の女峰山に登ったものの、 ゴールデンウィーク後半の 4日間は、渋滞を恐れたこともあって、結局どこの山にも行かないまま終わってしまったのだった。
結構 天候が良かっただけに残念ではあるが、どこへ行っても間違いなく高速道路は渋滞したようなので、 山に行かなかったのは正解だったということにしたい。

という状況であったことから、 ゴールデンウィーク直後の土日 (5月10日、11日) には是非とも残雪の山に行きたいところである。
行き先については、4月27日の女峰山登山の際、当初検討していた会津駒ヶ岳がすぐに頭に思い浮かぶ。 しかし、天気予報を見ると、10日の檜枝岐村の天候はあまり良くないようであり、泣く泣く会津駒ヶ岳は断念する。
次に思い浮かんだのが、鳥倉林道、三伏峠からの烏帽子岳 (さらには小河内岳) である。しかし、この鳥倉林道・三伏峠を通るルートは、 今年こそトライしたいと思っている荒川三山あるいは塩見岳・蝙蝠岳と同じであるため、 何回も同じルートを辿ることを好まない小生にとってはこれも却下したいところである。

そんな中、最後に思いついたのが夜叉神峠からの鳳凰山である。
この夜叉神峠からのルートは、かつて青木鉱泉からドンドコ沢ルートを使って鳳凰三山に登った際、下山ルートに使用したことがある。
しかし、その時はあまり天候が良くなく、展望はほとんど得られなかった上に、当時は登山を始めて日も浅かったことからコース自体を楽しむという余裕もなく、 あまり印象に残っていないのである。
従って、いつかはこのコースを辿って鳳凰山に登ろうと思ってはいたものの、 一方で鳳凰山には中道コースを中心に既に数回登ってしまっているので、 なかなか足が向かないというのが実状であった。
しかし、この残雪期、夜叉神峠から鳳凰山に登った記録がヤマレコで多く掲載されているのを見て、 トライしてみようという気持ちが強くなり、今回登ることに決めたものである。

10日、夜中の 2時半に横浜の自宅を出発する。何時もどおり、国道16号線を進み、 八王子バイパスに入ってすぐのところから町田街道に進んで、圏央道高尾山ICを目指す。圏央道に乗った後は、八王子JCTにて中央道に入る。
本日は天気予報どおり快晴のようで、笹子トンネル、日影トンネルを抜けると、南アルプスの山々がよく見える。
いつもは甲府昭和ICで高速を下り、県道20号線を進むのであるが、本日はナビに従って双葉JCTから中部横断道に入ってみる。
白根ICへと向かうのだが、まさに吹き曝しの道路状況なので結構強い風に注意が必要である。本日、稜線上でも風が強いとイヤだなと思いながら進む。

白根ICで高速道を下りてからは完全にナビ頼りである。実際にどこを走っているのか検討もつかないまま夜道を進んだのだったが、 やがて県道20号線に合流、後は芦安を目指せば良い。
ところがである、事前に芦安地区内にて迂回しなければならない箇所があるなどとの知識を得たものだから、途中からナビに逆らって、 夜叉神峠と書かれた標識を頼りに進んでみる。
しかしこれはかなり遠回りをしてしまったようで、桃の木温泉経由で進んでしまったらしく、 少々冷や汗ものであった (帰りは南アルプス芦安山岳館の前通る正規の道を進んだが、その道における迂回路はほんの僅かの距離。 過剰反応してしまったため、かなり時間をロスしたようだ)

芦安から夜叉神峠へと通じる道を自分の車で通るのは実に久しぶり。 かつて広河原まで車が入れた時期以来であるから、 仙丈ヶ岳に登った 1997年以来ということになる。
しかし、いつも乗り合いタクシーの車窓から見ていた景色であるためか、既視感があり、山の神を過ぎてからは不安になることもなく進むことができたのであった。
夜叉神峠の駐車場には 5時17分に到着。駐車場には 20台弱しか駐まっておらず、ゴールデンウィークにこの駐車場が超満杯だったらしいことを知って やや身構えていただけに、 あまりにガラガラで拍子抜けである。


トイレを済ませ、身支度を整えた後、山荘 夜叉~の森の向かい側にある登山口へと進み、5時30分に登山を開始する。
いきなり急登となったが、少し登るとカラマツ林の穏やかな道に変わり、大きく蛇行しながら高度を上げていくことになる。

また、周囲にはカラマツ以外の木々も多く見られるが、 親切にも 木々には 木の名を書いた札が付けられており、 今まで クヌギ と思い込んでいた木が 榛の木 という名の木であったことを知るなど、結構 参考になる。
5時48分に石祠を通過。

緩やかな登りが続く。
周囲が朝日を浴びて黄色に輝き、なかなか美しい。

しかし、夜叉神峠までは結構距離がある。
途中、峠まで 40分、30分、15分といった表示が現れて励ましてはくれるものの、早く峠に立って南アルプスの山々を眺めたいと思っている身には、 この距離は少々イライラさせられる。
途中、根元が 1つでありながら 五本の幹が伸びている 『五本松』 を通過。時刻は 5時58分。
ここには、峠まで 30分の標識が立っている。

足下にササが目立ち始め、樹林の向こうに青空が見え始める。峠は近いようである。
そして、長く感じられた道も漸く終わりとなり、尾根道と合流する。
途端に目の前に間ノ岳西農鳥岳、農鳥岳の未だ白き山々が飛び込んでくる。 その素晴らしさに、思わず声を上げる。時刻は 6時19分。
農鳥岳の左手前になかなか見事なピラミダルな山が見えるが、もしかしたら大唐松山かもしれない。
また 左に目をやれば、真っ白な荒川東岳 (悪沢岳) も見えている。

ここが本当の夜叉神峠らしく、この場所は十字路になっていて左は谷山、 尾根の向こう側に下れば西口登山口、そして夜叉神峠小屋は右である。写真を数枚撮った後、右へと進む。

右に道をとって緩やかに登っていくと、 夜叉神峠小屋の建物が樹林越しに見え、直ぐさま広々とした夜叉神峠の標識のある場所に飛び出したのであった。時刻は 6時23分。
ここからの展望は先程よりもさらに素晴らしい。今度は北岳も加わって、 白根三山そろい踏みである。

写真はそのうちの北岳 (右)間ノ岳
先日、国土地理院より、人工衛星を使った精密な測量データなどを反映した結果、標高の数値を見直すことになったという発表があった。
それによれば、この間ノ岳は 3,189mから 3,190mとなり、 奥穂高岳と並んで国内第3位の高さになった次第で、 今 標高第 2位と 3位の山が見えていることになる。

間ノ岳の左には、 西農鳥岳、農鳥岳が続く。 こちらも 3,000m峰であり、この白根三山が青空をバックに並んでいる姿は凄い迫力である。

また、目を白根三山の左にやれば、 先程も見えていた荒川東岳 (悪沢岳) が白い頂を見せてくれている。
さらには、その左に上河内岳と思われる山が見える。
3,000m峰が並ぶ中、上河内岳が見えたことに驚いてしまったが、地図を見て納得。
北岳から 聖岳へと南アルプスの主峰群がほぼ直線に並ぶ中、この上河内岳は少しそのラインから外れて東に飛び出しているのである。

ササ原につけられた平らな道を進む。
途中 祠に立ち寄ってお参りする。

登山道に戻ると、すぐにサルオガセが沢山 着生した木が目に着く。
サルオガセという地衣類の存在を知ったのは、 この鳳凰山登山の時だったことを思い出す (建て替え前の鳳凰小屋にてご主人に教えて戴いた)

道は緩やかに下っていくようになり、盆地状の場所を過ぎた後は少し急な下りとなって、 やがて鞍部を暫く進んでから登りが始まる。
急登という訳ではないが、途中、少し足下が悪い溝状の所を登っていくことになる。
なお、周囲に雪は全く見られない。



鳳凰山 (観音岳・薬師岳) 登山データ

上記登山のデータ登山日:2014.5.10 天候:快晴単独行日帰り
登山路:夜叉神トンネル東口(夜叉神駐車場)−夜叉神峠−杖立峠−火事場跡−苺平−南御室小屋−ガマ岩−砂払岳− 薬師岳小屋−薬師岳−観音岳−(往路を戻る)
交通往路:瀬谷−(国道16号線)−八王子バイパス 相原IC−(町田街道)−医療センター入口−(八王子南バイパス)−高尾山IC−(圏央道)−八王子JCT−(中央高速道)− 双葉JCT−(中部横断道)−白根IC−(県道39号線)−在家塚−(国道52号線)−飯野−(県道107号線)−新町−(県道12号線)−白根保育所西− 築山−(県道20号線)−山の神−(県営林道南アルプス線)−夜叉神トンネル東口(夜叉神駐車場) (車にて)
交通復路:夜叉神トンネル東口(夜叉神駐車場)−(県営林道南アルプス線)−山の神−(県道20号線)− 野牛島西−(国道52号線:甲西道路)−白根IC−(中部横断道)−双葉JCT−(中央道)−相模湖IC−(国道20号線)−相模湖駅前− (国道412号線)−三ケ木−(国道413号線)−谷ヶ原浄水場−(県道508号線)−塚場−(県道63号線)−葛輪−田名赤坂− (国道129号線)−相模原愛川IC−(圏央道)−海老名JCT−(東名高速道)−横浜IC−瀬谷 (車にて)

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