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この火事場跡からは、岩がゴロゴロと転がっている、ガレ場のような道を登るようになる。
道に雪はない。
高度が上がった分、展望はさらに良くなり、
先程は樹林が邪魔気味であった上河内岳もよく見えるようになる。
実は良く周囲を見渡せば、ここから富士山も見えたのだが、
この時は全く気づかずじまい。帰りに気がついた次第である。 |
この写真が、
グッとよく見えるようになった上河内岳方面 (写真真ん中の白き山)。
上河内岳の右には、荒川東岳 (悪沢岳) の白き頂がよく見えており、さらにその右には荒川中岳らしき山も見えている。
また、写真の左端には先程見えた布引山、笊ヶ岳も見えている。
やがて道は狭まり、足下に雪が現れ始めると、
周囲にはコメツガなどの緑の葉を持った木々が多くなる。 | |
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登るに連れ、周囲はコメツガ、シラビソの本格的な樹林帯へと変わり、足下の雪の量も半端でないほどに増えてくるが、
道自体は良く踏み固められているので、歩行には全く問題ない。
ただ、所々 道の端っこに踏み抜いた跡などがある。道を外さないように注意が必要である。
ほぼ平らな雪の上を快調に進んでいくと、道は徐々に傾斜が強くなり、
登り着いたところが恐らく苺平。時刻は 9時27分。
ここには 1人男性がおられたのでそのまま素通りしてしまったのだが、帰路にこの場所をよく見ると、辻山への標識などもあったので、
やはり苺平であることを確認した次第。
但し、あるはずの 例のパイプ製の四角錐は見当たらず。雪の下か ? |
苺平からは下りに入るが、
途端に風が強く身体に当たり出す。
樹林の中なのでさほど堪えはしないが、この状況だと稜線に立った時が心配である。
また、風に揺らされた木々同士が擦れ合う音も聞こえてくる。
樹林の中、しっかり踏まれた道を進む。
ほぼ平らな道が続いた後、道は右の方に曲がっていく。コメツガなどの樹林帯がずっと続く。 | |
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途中、樹林が切れて金峰山方面が見える場所を過ぎる。
そこから少し登って、その後また下っていくと南御室小屋であった。時刻は 9時50分。
小屋の周辺は大きな広場になっており、日当たりも良好である。周囲を山に囲まれているせいか、風もそれ程強くない。
小屋前のベンチにて休憩・食事とする。
休憩中、先程 苺平で追い抜いた男性がやって来た。
聞けば、本日は薬師岳小屋泊まりとのこと。この男性を抜く前に追い抜いた 2人も仲間とのことであった。
出発の際、この後のことを考えて 10本爪アイゼンを装着する。
10時8分に小屋を出発。 |
小屋横を通ると、
雪が無い場所があったので、アイゼン装着は失敗かと思ったが、山に取り付くとそこからはずっと雪道であった。
ここからの登りはこれまでと違ってかなりの急登 と思ったが、急な斜面はそれ程長くは続かない。
後は適度な傾斜の登りが続く。
細いシラビソなどの木々の間を縫うようにして進む。
雪はしっかり踏まれており、ルートは明瞭である。
先般の女峰山の様なことはない。 | |