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風が強く吹きつける中で写真を撮りまくる。
しかし、冷たく強く吹く風は、ここでの休憩を難しくさせる。
周囲の山々の写真を撮った後は、休まずに薬師岳へと戻ることにする。
12時32分 下山開始。
復路は往路よりも冬道の方を多く進み、極力雪の尾根歩きを楽しむ。
目を先に向ければ、薬師岳、富士山が見え、
この尾根歩きは本当に気持ちの良いプロムナードである。 |
薬師岳に近づくに連れ、
富士山の位置がドンドン下がって見える。
観音岳頂上から見た
富士山は、薬師岳のかなり上部にあったのに、上の写真では薬師岳とほぼ同じ高さ。
そして、薬師岳手前では、右の写真のように富士山の方が低く見える。その変化がなかなか面白い。
薬師岳には 12時59分に戻り着く。
この頃になると風も弱くなってきたので、岩場で食事休憩。
白根三山を見ながらの食事は格別である。 | |
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やはり北岳の姿が素晴らしい。
雪が多く残る山容を見ていると、とても登れるような山ではないように思えるが、実際はバットレスの下方を進み、八本歯ノコルを経て、
北岳頂上へと続く道がつけられている。
無論、北側 (写真 左側の尾根) から登るコースもあり、広河原からなら意外と登りやすい山である。
しかし、それは無雪期の話。
5月初旬でも多くの雪を抱くその姿は、我々のような月一登山者を寄せ付けない威厳に満ちている。 |
北岳から左に目を移せば、
間ノ岳、
西農鳥岳、農鳥岳岳が続く。
農鳥岳の左に見える山は恐らく広河内岳。白根三山縦走時に立ち寄ったが、素晴らしい展望の山であった。
広河内岳の左は荒川中岳、そしてその左が荒川東岳 (悪沢岳) である。
13時11分、下山開始。往路を忠実に戻る。
往路でアイゼンを外した岩場でアイゼンを装着する。アイゼン無しでも十分に下れるとは思ったのだが、折角 残雪の道がずっと続いているので、
アイゼン歩行を楽しみたいところである。
順調に下り、南御室小屋には 14時12分に到着。
小屋横の広場には、午前中には見られなかったテントが数基張られていた。 | |
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南御室小屋で少し休んだ後、アイゼン装着のまま先へと進む。
小屋からは暫く登りが続く。傾斜は大したことないが、疲れている身体には少々キツイ。
樹林帯の中、残雪を踏みしめて登り、苺平を 14時46分に通過する。
先に述べたように、往路ではこの場所に男性がおり、
苺平であることを確かめることもせずにそのまま通過してしまったのだった。
今回は少し周囲を見渡し、辻山への標示もあり、ここが苺平であることを確認したが、例のパイプ製の四角錐は雪の下のようである。 |
苺平からは緩やかに下り、
火事場跡手前でアイゼンを外す。
そして、火事場跡を 15時17分に通過したのだが、
火事場跡の上部で前方に富士山が見えたので少々驚く。
往路では、ガマ岩を過ぎた所で、樹林越しではあったものの この日初めて富士山を確認したのであったが、
実際はこの火事場跡でも富士山を見ることができたのであった。
言い訳をすれば、火事場跡から見える白根三山があまりにも見事だったため、
そちらの方だけに気をとられていたということである。
なお、この時間、火事場跡から見る白根三山を始めとする雪の山々は、
今や日の光を浴びてツルツルに光っている状態であった。 | |
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その後、今朝ほど苦労した雪の斜面を横切って樹林帯を進む。
杖突峠は 15時51分に通過。
その後、長い道を下り、夜叉神峠には 16時34分に到着したのであった。小屋前のベンチで 5分程休憩した後、出発。
そして、17時11分に夜叉神峠登山口に戻り着いたのであった。
なお、登山口近辺の車の台数は朝とあまり変わっていない。
既に帰途についた登山者がいる一方で、途中で擦れ違った山中泊 (小屋泊まり、テント泊) の人達が増えたからであろう。
何回も登っている鳳凰山ではあるが、
ほぼ初めてに近いコースを辿ったこともあって、
一日中雲一つない青空が広がる好天の下、大いに楽しめた山行であった。 |