小河内岳 ( 小河内岳:2,801.6m ) 2011.10.29 登山



【PHOTO & 記録 小河内岳 1】

10月10日に北アルプスの餓鬼岳に登って以来、 なかなか山に行けない週末が続いている。
そして、10月最後の土日も、天気予報はあまり芳しくない状況のようなので、山に行くことを半ば諦めていたのであったが、 嬉しいことに土曜日の天候は晴れのち曇り というように良い方向に変わり、日中は 晴天が期待できそうな状況になってきたのであった。
ということで、早速 山に出かけることにしたものの、ここのところ 結構きつい山登りが続いており (この年齢では 10時間になんなんとする山行はきつい)、 下山してからも身体に疲れが残ることが多いので、この辺でもう少し楽な登山がしたいところである。加えて、最近の温度変化の激しさに、 若干風邪気味であることも考慮して、少し身体に優しい山を目指すことにした。
その結果選んだのが南アルプスの小河内岳である。
この夏に登った塩見岳と同じく鳥倉林道から登り、 三伏峠までは同じルートを辿ることになる。三伏峠からは道を分け、荒川三山の方に進むのであるが、 三伏峠から小河内岳までの距離は三伏峠から塩見岳のそれに比べてずっと短い。
それに小河内岳の標高は 2,800mを越えているので、それなりの満足感を得られそうである。そして、もう一つ理由を加えるのなら、 この時期、三伏峠小屋や塩見小屋、そして小河内岳避難小屋は皆 営業を終了しており、従って入山する人の数も少なく、 静かな山旅が楽しめると思ったからである。

日の出の時間が遅くなっていること、そして今日はそれ程下山が遅くならないだろうことを見越して、 何時もより少し遅い夜中の 2時に自宅を出る。
上空は雲一つ無く、冬の象徴とも言えるオリオン座が輝いており、のっけからテンションが上がる。
今夏の塩見岳登山の時は出発時にトラブルがあり (いつも使う車がパンク)、 やむを得ずもう 1台の車で出かけたのだったが、今回はいつもの愛車を使用。ただ、ナビのデータが旧く、駒ヶ根ICで高速道路を下りるルートのようなので若干不安を感じる (前回はその先の松川ICで高速を下りた)
それでも、高速代が少し安くなるならとナビを信頼することにして出発する。国道16号線、中央高速道と順調に進み、 ナビの指示通り駒ヶ根ICで高速を下りて県道75号線に入る。
古田切交差点で国道153号線 (伊南バイパス) に入り (右折)、 そしてすぐに琴平町交差点で県道49号線に入ったのだが (左折)、車が進むに連れ、周囲の町並みはドンドン寂しい状況になっていく。 もしかしたらこの先、食料・水を購入できるコンビニはないのではないか との不安が頭をよぎる。
前回、松川ICで下りた時もコンビニを探すのに苦労しており、また、目指す大鹿村にはコンビニが無いのは 分かっている。
進めば進む程 状況は悪くなる一方なので、かなり進んだ所で車をUターンさせ、国道153号線の古田切交差点まで戻ることにする。 この古田切交差点にセブンイレブンがあったのは確認していたのだが、進む方向とは反対の場所にあったので、面倒臭さが先に立ち無視した次第。 結局は 30分以上も時間をロスすることになってしまった。
県道49号線に戻り、先ほどUターンした場所を過ぎたが、この後もコンビニは無く、戻ったのは正解であったが、 コンビニを見た時に躊躇せずに入るべきであった。横浜市周辺の感覚とは違うのである。

道は山に入って行き、しかもドンドン狭くなる。また、 しきりに分杭峠 (帰宅後調べたら、磁場ゼロのパワースポットとか) の文字が目につくようになる。
松川ICで下りるべきだった と反省しながら狭い山道を進んでいくと、ようやく大鹿村の文字も見え始める。そして丁字路にぶつかり、 お馴染みの国道152号線に入ることになったのだった (右折)。ただ、国道といえども こちらも山道で狭く、 対向車とのすれ違いができない箇所が多くて緊張を強いられる。
それでも、まだ暗いので 対向車があれば、そのライトで気づくことはできるのだが、この道にはもう一つ問題がある。道を横断する動物がいるのである。
鹿が前を横切ったことが 1回、道の真ん中に鹿が立っていたことが 1回、そして猿が慌てて道路際に引っ込んでいったのが 1回。 先の見えないカーブが続くので、曲がった所に動物がいないかと かなり神経を使う。
分杭峠を過ぎ、さらにかなりの距離を進んでいくと、ようやく周囲に人家が現れ、道路も国道らしく広くなり一安心。 やがて、ナビに従って鹿塩にて左折し、山道に入る。
この道も初めてであり、少々不安であったが、かなり山に入っていった所で やっと鳥倉林道に合流。 大きな看板に塩見岳、 三伏峠の文字を見た時は本当にホッとしたのだった。
後は駐車場まで一本道であるが、ここでも目の前を走っていく鹿の群れに遭遇。スピードを控えめにして進む。
色々苦労したが、それでも駐車場には 6時12分に到着。意外にも駐車場には 10台程車が駐まっている。ただ、下山時に気がついたのだが、 これらの車は一概に登山者の車とは言えないようで、紅葉の写真を撮るべく ここまでやって来た車もかなりあるようである。
隣の車などは、小生が下山後も同じ場所に駐まっており、車中にカメラを持った人がいたのでビックリである。 朝方と夕方の写真を狙っているのだろうか。ただ、紅葉は盛りを過ぎているような気がしたのだが・・・。


身支度を済ませ、6時18分に駐車場を出発する。
車止めのゲートを通過し、長い林道歩きに入る。今年の夏に一往復した道なので、ほぼ勝手を知ってはいるものの、 結構 勾配のある道は辛い。まあ、山に取り付く前のウォーミングアップと考えることにする。

途中、前回と同様、 南西方面に奥茶臼山、前茶臼山が見えた。 今回はまず前茶臼山に朝日が当たり始め、その範囲が徐々に広がっていく様を見ることができ、大変面白かった。

紅葉の方は盛りを過ぎているようだったが、 これは日の光が周囲の山々に当たる前だったからかもしれない。
帰りにこの林道を通った時は、明るい日差しの下、赤や黄色に色づいた葉が岩場の白、青空の青の中に映え、 結構 目を惹きつけられた箇所がいくつかあった。

周囲を見回すと、 前回は気づかなかった恵那山が見える。 これは驚きであったが、よく考えたら、前回も 三伏山から恵那山を見ることができたので、 ここから見えてもおかしくはない。
また、林道を進むに連れ、目指す 小河内岳も見えてきた。まだ日が当たっていないため、その黒い姿は少し冷たさを感じさせる。

鳥倉 (豊口) 登山口には 6時52分に到着。
山への取り付き口では数名のパーティが出発準備中であった。ご厚意に甘えて先に進ませてもらう。皆 大きな荷物を背負っていたので、 本日は テント泊だろうか。
前回 蕗が足下に生えて、やや鬱蒼としていたカラマツ林の斜面は、カラマツの黄色い葉が少し目立つだけでスッキリしている。
この斜面を登り切れば、後はさして急な登りはない。途中、樹林越しに小河内岳を見る。
順調に足を進め、7時34分に豊口山との間のコルに到着。そこから少し登って行くと、 樹林越しに北アルプス穂高連峰が見えたのだった。

穂高連峰が見えた後は、 すぐに中央アルプスが見えてくる。
ただ、この後 現れるルンゼ状の場所からの方が、中央アルプスがよく見えることを知っているので、写真を 1枚撮っただけで先を急ぐ。
道は前回感じたように平坦な部分が多く歩きやすい。
所々に写真のようなワイルドな桟道も見られるものの、押し並べて道は大変良く整備されている。

水場には 8時3分に到着。さすがに、 夏よりも水量は細くなっているが、それでもノドを潤すには十分な量が流れている。

水場を過ぎれば、先程述べたルンゼ状の場所が数ヶ所続く。
期待通り、ここから眺める中央アルプスは素晴らしい。
木曽駒ヶ岳、 宝剣岳、三ノ沢岳も見えるが、ここからは空木岳、 赤梛岳、南駒ヶ岳、仙涯嶺の方に目を惹かれる。
イヤ、それよりも赤梛岳、南駒ヶ岳の下方に見える百間ナギに目が行ってしまう。凄まじい大崩落の場所であり、 しかも 今も崩落が進行しているというのだから恐ろしい。

今は 通行止めとなっている塩川ルートとの分岐点には 8時25分に到着。
ここからの登りはキツイが、登りの先に素晴らしい景色が待っているのを知っているので、苦しくとも足が進む。
そして、分岐から 10分程登ると、前回と同様 仙丈ヶ岳の美しい姿が目に飛び込んできた。
大仙丈沢カールを山頂直下に、そして右に小仙丈ヶ岳、左に大仙丈ヶ岳を従えている その堂々とした姿には何度見ても惹きつけられる。 この仙丈ヶ岳は南アルプスの女王と言われているが、 こちらから見るその姿には男性らしさが感じられる。



小河内岳登山データ

上記登山のデータ登山日:2011.10.29 天候:快晴単独行日帰り
登山路:鳥倉林道ゲート前駐車場−鳥倉(豊口)登山口−豊口山コル−塩川ルート・鳥倉ルート分岐−三伏峠− 烏帽子岳−前小河内岳−小河内岳−小河内岳避難小屋−前小河内岳−烏帽子岳−三伏峠−塩川ルート・鳥倉ルート分岐−豊口山コル−鳥倉(豊口)登山口− 鳥倉林道ゲート前駐車場
交通往路:瀬谷−(国道16号線)−八王子IC−(中央高速道)−駒ヶ根IC−(県道75号線)−古田切− (国道153号線)−琴平町−(県道49号線)−(国道152号線)−鹿塩−(林道−鳥倉林道)−鳥倉林道ゲート前駐車場 (車にて)
交通復路:鳥倉林道ゲート前駐車場−大鹿小入口−(国道152号線)−大鹿村役場−(県道59号線)−松川IC−(中央高速道)− 相模湖IC−(国道20号線)−相模湖駅前−(国道412号線)−三ヶ木−半原日向−(県道54号線)−角田−中津−厚湘バイパス下−下当麻− (県道52号線)−相模原公園入口−(県道507号線)−相武台団地入口−(県道50号線)−中央林間−鶴間二丁目−下鶴間−(かまくらみち)−瀬谷 (車にて)

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