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南に目をやれば、逆光気味の中、これから進む前小河内岳、小河内岳が見える。小河内岳まで続く稜線は、気分良く歩けそうで楽しみである。
そして、前小河内岳、小河内岳の間には、荒川東岳 (悪沢岳)、
荒川中岳、荒川前岳の荒川三山が顔を出している。
今夏、椹島から赤石岳・荒川三山にトライしたものの、
天候が余り芳しくなかったため、赤石岳のみで終わってしまったのだった。
そこで、こちら側から荒川三山に登ることを検討していたのだったが、行程が厳しそうであり、しかも単純なピストン登山になってしまうので断念した次第。
こうして荒川三山を見るとやはり遠い。 |
そして、東南東方面、
前小河内岳の左には富士山が見える。
先にも述べたように、久々に大きい富士山を見ることができて嬉しいし、
何故かホッとする。
富士山の手前に見えている山は恐らく雨ヶ岳、毛無山であろう。
そして、富士山の右にうっすらと見える山は
愛鷹山塊の越前岳と思われる。
また、富士山の左手前、こちらからすぐ近くに見える山は、蝙蝠岳から続く徳右衛門岳のようである。 | |
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その蝙蝠岳がこの写真。
地味ではあるが、ちょっと興味を惹かれる山である。
登ってみたいが、普通に考えれば、伝付峠側、
塩見岳側 どちらから登っても山中 1泊は必要である。
それで少し躊躇してしまう。
体力、走力があれば、というかもっと若ければ、鳥倉林道経由からの日帰りピストンにトライするのだが、
さてどうやって登るか来夏までの宿題としたい。 |
烏帽子岳からの展望を十分に楽しんだ後、
9時58分に前小河内岳を目指して出発する。
下り斜面に入っても、やはり塩見岳に目が行ってしまう。
塩見岳の右に見えるのは北俣岳であろうか。
烏帽子岳からも見えたのだが、東池ノ沢の谷筋であろうか、こちら側に向かってくる尾根と尾根の間の崩れが凄まじい。
塩見岳の傷口を見ているような気分にさせられる。
と言いつつも、今歩いている尾根の西側の崩れも凄まじいものがある。浸食が進んでいるようで、
登山道変更の跡が見られる。
このコースは残雪期でも面白いかな と思っていたが、残雪期に崖の縁を通るのは 結構 危険な気がする。 | |
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ハイマツの中の道を進む。
振り返れば、先程まで その山頂に立っていた烏帽子岳の姿が良く見える。
烏帽子岳に向かって登っている際、ハイマツで覆われたその姿は優美さ感じさせてくれたのだったが、
こちらから見ると、その荒れた岩肌に驚かされる。
崩壊して岩がむき出しになっている状況は、先程見た 三伏峠後方の高みから烏帽子岳、前小河内岳、
そして小河内岳へとずっと続いているようである。 |
それ程 大きなアップダウンが無い道だが、
時々 目の前に少しアルバイトを要する高みが現れる。これを登り切れば前小河内岳の頂上か と思って 一踏ん張りすると、
さらに先に道が続く という状態が 二回程あった。
しかしこれは、早く頂上に着いて、またまた好展望を得たいと思っている 自分の逸る心が招いているもの。
歩いた時間を考えれば、そんなに早く前小河内岳の頂上に着くはずはないのである。
そうした高みに登り着くと、
前方に小河内岳、そして荒川前岳、中岳が見える。荒川前岳の右後方には
赤石岳の姿も見えている。 | |