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道はダケカンバの斜面から再び稜線に戻っていく。
振り返れば、南駒ヶ岳、
空木岳を中心とした中央アルプスがよく見える。
また、三伏峠小屋のある高みの裏側、つまり崩壊の進んだ斜面の左奥には恵那山も見える。
そして、前方には逆光気味ながら本日の目的地である小河内岳が大きい。頂上左下に見える突起は避難小屋のようである。
ここから見る小河内岳は頂上付近は優美な曲線を持ち、またハイマツの緑に覆われて優しい感じがするが、
その下方部分はかなりガレていて岩肌がむき出しており、そのギャップに少々戸惑う。 |
大分近づいてきた烏帽子岳もハイマツの斜面が見事で、
優美である。
高度が上がるに連れ、展望はドンドン良くなり、
北側には仙丈ヶ岳、
甲斐駒ヶ岳、
アサヨ峰がよく見える。また、南側には大沢岳、中盛丸山、兎岳も見えてきた。
そして、南東には富士山が、
烏帽子岳から前小河内岳、そして小河内岳へと続く稜線上に姿を現した。
最近は北アルプスの山に登ることが多く、そこから見る富士山は豆粒のように小さかったので、
久々に大きい富士山を見て少々感激したのであった。 | |
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その富士山をやや引き気味に見たのが左の写真。
上で述べたように、烏帽子岳から続く稜線が富士山の下を横切っており、
前小河内岳へと続いている。
あの稜線を歩くのだと思うと、ちょっとワクワクする。
前小河内岳の右奥には荒川東岳 (悪沢岳) が顔を出している。 |
ハイマツの間を登り頂上へと近づいていく。
振り返れば、登り来たりし尾根がよく見える。
少し分かりにくいが、左半分の崩壊が進んでいる写真右の高みには、三伏峠小屋が見える (右側の斜面に少し黄色く見える部分)。
また、小屋の後方には安平路山 (小屋のほぼ真後ろに見える突起)、そしてその左には摺古木山が見える。
そして、そのさらに左にはドーム型をした恵那山も見える。
こう見ると、ガレの縁を登ってきたことが良く分かる。 | |
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そして、9時49分に烏帽子岳頂上に到着。
誰もいないと思っていた頂上には 4人程の人が居たのでちょっとビックリする。
この頂上は 360度遮るものがないため、抜群の展望である。
やはり一番に目に付くのが、目の前に見える塩見岳。
かなり迫力がある。
塩見岳の左には西農鳥岳が少し姿を見せ、
その左の間ノ岳へと続いている。
間ノ岳の左後方には北岳が見えるが、
この富士山に次いで高い山も、
ここからは塩見岳の迫力の前にやや影が薄い。
北岳の左にはアサヨ峰が見える。 |
フジツボ型をしたアサヨ峰の左には、
山頂に雪を抱いたような甲斐駒ヶ岳が見え、
そして堂々とした仙丈ヶ岳がさらに続く。
もう文句のつけようのない光景である。快晴の日に この頂上に立てたことに感謝である。 | |