甲斐駒ヶ岳 ( 甲斐駒ヶ岳:2,965.55m ) 2016.8.31 登山



【PHOTO & 記録 甲斐駒ヶ岳 9】

さらに右に目を巡らせれば、南東の方向に、ガスに囲まれた 鳳凰三山が見えており、 地蔵岳観音岳の姿を確認することができる (但し、鳳凰三山とは言え、薬師岳は観音岳の後方にあるため見えない)

そして地蔵岳後方の 富士山は、 頂上、そして右側斜面が少し見えている程度である。

しかし、今朝ほどのことを思えば、かなりの展望であり、 苦労して登って来た甲斐があるというものである。

展望に満足して 13時19分に下山開始。 往路を戻る。

下る途中で一時的にガスに囲まれたものの、その後ガスがサーッと引いて 北岳が見えるようになるなど、 周囲の状況は目まぐるしく変わる。

写真は 御嶽
先にも述べたように剣ヶ峰付近に噴煙は見えない。
なお、御嶽の手前に見えている鈍角三角形の山は大棚入山。

慎重に鎖場を下り、御来迎場には 14時11分に到着。
ここで 9分程休憩する。

ハイマツの斜面を下り、鎖場、梯子を下って七丈小屋には 14時54分に戻り着く。 ここでも 10分程休憩し、15時5分に出発する。
下山時に暗くなるのは覚悟の上とは言え、刃渡りまでは明るいうちに通過したいところである (刃渡りより下には梯子、鎖場はない)

五合目の鞍部には 15時44分に到着、ここでも 5分程休憩する。
かなりへばってきているので、小忠実な休憩を取ることにしたものである。

写真は、五合目鞍部から少し登った所にある五合目小屋跡の広場。
広場の奥に見えているのが五丈岩。

この五合目からは黒戸山への登り返しとなるが、 これが辛い (写真)
それでも喘ぎつつ何とか斜面を登り切り、黒戸山を横切るほぼ平らな道に入る。
疲れた身体には、こういう道は本当にありがたい。

そして刀利天狗には 16時30分に到着。ここでも 5分間休憩する。

そして梯子、鎖場を下り、 刃渡りを 16時54分に通過、まだ明るい。

この頃になると 鳳凰三山を囲んでいたガスも すっかり無くなり、地蔵岳、赤抜沢ノ頭、 高嶺がよく見える (写真)
一方、八ヶ岳方面にはガスが掛かっており、 赤岳を初めとした頂上部分は全く見えない状況である。

前屏風ノ頭を 17時丁度に通過した後、今朝ほど休んだ場所で再び 3分程休む。
その後、八丁登りの急斜面を下り、『 駒ヶ岳黒心龍神 』 と彫られた石碑の所には 17時38分に到着する。 またまたここで 3分程休憩。
そして、そこから少し下れば、平らな道が続くようになるが、これは本当にありがたい。



そして、横手駒ヶ岳神社との分岐 (笹の平分岐)には 17時58分に到着。

周囲はかなり暗くなってきているが、空はまだ明るいため、道は十分に確認できる。
とは言え、サングラスではもう無理なので、普通のメガネに交換するとともに、この後のことを考えてヘッドランプをザックから出して手に持ちながら下る。

しかしである、ここで大失敗をしてしまった。
少しバランスを崩した時に手に持ったヘッドランプを岩にぶつけてしまい (引っかけてしまい)、 慌てて調べてみるとランプが全く点灯しないのである。
さらには、いじくり回しているうちに電池部分とランプを繋いでいる線が切れてしまったのであった。岩にぶつけた際、 線が引っかかって引っ張られてしまったらしい。こうなってはもう使用不可である。
ただ、こういうこともあろうかと、もう一つ簡易懐中電灯を持参していたので、そちらを使用することにするが、まだまだ行程は 1時間以上残っており、 この懐中電灯の電池がどの位持つのか分からず不安になる。そのため、ギリギリまで懐中電灯を使用しないことにする。

この日の日没時間は 18時16分頃であることを事前に調べていたが、 山の中ではもっと早く太陽は隠れてしまう。
しかし、空の方はまだ明るく、何とか懐中電灯を点けずとも下っていくことができる。しかも、道は溝状になっている所が多いため、 多少暗くても分かり易く、さらには道に散らばる花崗岩の屑が白くボンヤリと見えているために明かり無しでも何とか進むことができる。
ただ、2010年に 雁坂嶺、破風山に登った際、 暗い中をヘッドランプ無しで下り、その際に滑って足を捻って捻挫状態になってしまった苦い経験があるので、段差に気をつけながら進み、 暗く怪しい場所では懐中電灯を点けて確認しながら下る。

結局 6時30分頃までは何とか懐中電灯無しで大丈夫だったものの、 流石にそれ以降は真っ暗になってしまい、仕方なく懐中電灯を点けることにする。
恐ろしいのは途中で電池が切れた時であるが、その場合は携帯の明かりとか、あるいは枯れ木を松明代わりにして下るとかの案を思い浮かべながら下る。

途中、岩に腰掛けて 2分程休憩。ライトを消すと本当に辺りは真っ暗である。 電池が切れた時のことを思うとゾッとする。
今どの辺に居るのかも分からずにドンドン下って行くと、やがて樹林の向こう、遙か遠くに文明の明かりがチラチラと見えてくる。 しかし、その明かりがどこのものかは全く分からない。

このように不安を抱えながらの下山であったが、LEDであったことが良かったのか、 幸い電池切れすることなく 19時5分に尾白川渓谷 (尾根道) との分岐を通過する。 この標識が現れた時には本当にホッとしたのであった。
さらに 19時13分にもう一つの尾白川渓谷との分岐 (渓谷沿い) を通過してすぐに吊橋を渡る。 ここまで来れば一安心である。

街灯に照らされた竹宇駒ヶ岳神社の脇を通り、キャンプ場の横の道を登る。 この道がかなり長く、辛く感じられる。
そして、19時25分、漸く駐車場に戻り着いたのであった。
駐車場には数台の車が残っていたが、本日の登山者ではなく、明日に登る方達の車のようである。

本日は体力が落ちている中、無理をして 甲斐駒ヶ岳の往復にトライしたのだったが、 最終的には天候にも恵まれ、苦しいながらも山を楽しむことができたのだった。
しかし、所要時間は休憩も含めて 14時間8分。前回 12時間12分であるから 2時間も多く時間を要してしまったことになる。
風邪気味だったこと、そしてヘッドランプの不備などの問題を割り引いても、時間が掛かりすぎであり、 そして何よりも休憩時間が多すぎである (総休憩時間はざっと計算して 1時間43分にもなる)
あらためて日頃の運動不足を反省した 1日でもあった。


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