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右手を見れば、こちらの高度が上がった分だけ穂高方面の展望が良くなり、
明神岳、前穂高岳、吊尾根、奥穂高岳、
天狗ノ頭、間ノ岳、西穂高岳と続く岩屏風がよく見えるようになる。
また、霞沢岳と 2,553m峰とを結ぶ稜線後方に少し見えているピークは、
常念岳と思われる。
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十石尾根が見え始めてからも、
なかなか森林限界に到達できなかったが、ようやく 10分程経って森林限界に飛び出した。
ここからはササ原の斜面を登っていくことになる。
後方の視界は再び大きく開け、鉢盛山、八ヶ岳が見えるが、
中央アルプスの方はもう光の中に飲み込まれ始めてしまっている。
ササ原の斜面をジグザグに登っていく。
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道はササ原を抜けると、草そしてハイマツの斜面へと変わる。
涸れ沢のような所を横切り、さらにはカール状になったところを横切って登っていく。
上方には青空が広がり、
今回は朝日岳のようなことはなく、
晴天の下で頂上を踏めそうである。
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カール状の場所から抜け出して高みの縁に辿り着くと、
目の前に十石峠避難小屋が現れる。ようやく稜線である。
避難小屋手前で先行者がザックの中身を整理されていた。
挨拶を交わし、追い抜いてから振り返ると、何と その方は下山していくではないか。
時間はまだ 9時半を過ぎたばかり。あまりにも早すぎる。
かくいう小生も、この後 頂上を踏んですぐに下山では 何となく物足りなさを覚える。とは言え、
兎に角 まずは頂上を目指す。 | |
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避難小屋の右横を進み、石垣を登ると避難小屋の前の山頂台地に飛び出す。時刻は 9時35分。
まずは乗鞍岳の一部を為す四ツ岳が目に飛び込んでくるが、
肝心の剣ヶ峰は見えない。
てっきり乗鞍岳全体が見渡せるものだと思っていたので、期待を裏切られた感じがして、
少しガッカリである。
なお、写真の一番高い山が四ツ岳。その右が猫岳で、さらに右の高みは大崩山 (オオクズレヤマ) である。
乗鞍岳全体は見えないものの、北側には北アルプスの主要な山々がズラリと並んでいて、
思わず声を上げてしまう。
ただ、目の前の高みが邪魔をして上の部分しか見えない。 |
この台地には、
休憩に適した場所がいくつもあったので休もうと思ったのだが、件の 10名ほどのパーティーが追いついてきつつあるので、
休まずに頂上を目指すことにする。
少し高度を上げると、北アルプスの山々がよく見えるようになる。
まず目に着くのが笠ヶ岳。
その美しいピラミッド型には惚れ惚れとする。
笠ヶ岳から右に延びる稜線は、笠ヶ岳の右斜面を下った後 ほぼ平らのような状態が続き、
抜戸岳まで続いている。
あの尾根を歩いたのは 23年も前のこと。当時は 30代で、常念岳
−槍ヶ岳−
笠ヶ岳と縦走したのであった。
あの頃は山の名前もあまり知らずに、
百名山の頂上だけを目指していたのだったが、今なら、周囲の展望も含めてもっと楽しめると思う。 | |