西穂高岳 ( 西穂高岳:2,908.6m ) 2011.7.24 登山



【PHOTO & 記録 西穂高岳 1】

小生の勤める会社では、節電対策期間 (7〜9月) 中、 週休 3日制を導入して対応することになっている。
そして、週日の休みとなった 7月6日(水)は南ア 深南部の池口岳、 14日(木)は 塩見岳と、 この休みを大いに利用させてもらってきたのだが、7月18日の週 (18日は海の日であるにも拘わらず出勤した) から 7月25日の週においては、 22日の金曜日と 25日の月曜日が休みという設定となり、4連休が実現することになったのである。

このプランを聞いた瞬間、毎年 この頃が丁度梅雨明けの時期にあたり天候が安定することが期待できそうなことから、 南アルプスのどこかに潜り込むことを思いついたのだったが、実際は世の中そう うまくは行かない。
梅雨明けはかなり早まり、逆に台風 6号の通過以降、あまり快晴とは言えない日が続いたまま、この 4連休に突入することになったのである。
しかも、21日の木曜日は飲み会があり、身体の方も疲れていたので 22日の登山は無し。 23日も天候の方があまり芳しくなかったので家での待機としたが、残りの 2日間も天候はあまり宜しくないようで、 このままではズルズルと 4日間とも山に行けずに終わってしまうことにもなりかねないとの焦りが出てきたのであった。
これはまずいと、日帰り登山で何とか対応すべく、24日の日曜日の登山を画策したのだが、晴れの地域が極めて少ない。 そしてようやく見つけたのが 長野県の松本市周辺。ここは晴れマークが並んでおり、また、お隣の岐阜県高山市も同様の予報が出ているので、 両市の間にある山も好天に恵まれそうである。

ということで、上高地近辺の山に登ろうということになったのであるが、 なかなか適当な山が見つからない。まず思いついたのは 焼岳
ただ、魅力的ではあるが、この山は上高地から 1回登っているので、できたら登ったことのない山にしたいところである。
次に思いついたのが、上高地からは外れるものの 乗鞍岳。 この山も 1回登ってはいるが、その時は畳平から肩の小屋まで行って一泊。翌日は肩の小屋から頂上を踏み、下山は乗鞍高原まで歩いたという行程だったので、 登ったというには少々申し訳ない状況であった。
従って、乗鞍高原から登るというのは良いアイデアなのだが、下山で通った道はあまり魅力的ではなかったため、 できたらまだ歩いたことのない高山市側から登りたいところである。

というように散々迷った挙げ句、次の日も休みであるからかなり遅くなっても構わないということで、 上高地から霞沢岳に登ることにした。しかし、一旦そのように決めたものの、この山はかなりのロングコースであり、 どうも時間的に余裕がないため、まだ躊躇いがある。
暫し、昭文社の地図を睨みながらこの山のコースタイムを睨んでいると、地図上にもっと日帰り登山に適した山が見つかったのである。 地図で何気なく霞沢岳の上を見たところ、そこに上高地から西穂山荘経由で西穂高岳へと登るルートがあるではないか。
西穂高岳は穂高連峰を登る前に是非とも登っておきたいと思っていた山であり、 一方で登りにロープウェイを使うことは自分の趣旨に反するとも思っていた山である。
よっぽど、ロープウェイの下にある道を登ろうかと考えたこともあった位であるが、 昨年 唐松岳・五竜岳常念岳・蝶ヶ岳に登るまで、 北アルプスの山は日帰りできないとずっと思っていたので、そんなに真剣に考えたことがなかった というのが本当のところであった。
ところが、今回のこの発見 ?? で、西穂高岳に納得した形で登ることが可能であることが分かり、 時間的に心配な霞沢岳はまたの機会にするとして、早速このコースから西穂高岳を目指すことにしたのであった。

1時30分に横浜の自宅を出発。
国道16号線から中央高速道八王子ICに至り、そこから松本ICを目指す。
天候の方はずっと曇り。しかし、先日の塩見岳の時のように、 雨まで降っていた状況が快晴になることもある訳で、天気予報を信じながら進む。
毎度のことながら、岡谷JCTを過ぎた頃から眠気が襲ってくる。無理は禁物と、みどり湖PAにて 15分程眠る。 この 15分程度の短い睡眠がグッと身体を楽にしてくれる。
その後は順調に進み、松本ICで高速を降りたところで右折して、国道158号線に入る。
この時点で、ナビの示す目的地 沢渡の到着時間は 5時10分であった。しかし、松本ICを下りて国道158号線をひたすら進む間、 前を行くタクシーがやたらと飛ばし、露払いのように次から次へと遅い車を道脇にどけてくれる。 このタクシーはそのまま上高地まで行ったようだったが、お陰で 4時55分には沢渡の市営第一駐車場に到着することができたのだった。
この時間、駐車場はガラガラに近い状態。ゆっくりトイレも使用でき、余裕で身支度を済ませ、バス停に向かう。
バス発券場の前には既にバスが停まっており、発券場で往復のバス乗車券を購入してバスに乗り込む。
バスの発車は 5時10分。5時40分が始発と思っていたので、何か得をした気分である。
乗客は小生を含めて 4人。日曜日であり、かなり混むことを覚悟していたので、駐車場の状況も含め、やや拍子抜けであった。
バスの中では少しウトウト。大正池のアナウンスで目を覚ます。
アナウンスでは次は帝国ホテル前とのこと。当初はシャトルバスの終点である上高地のバスターミナルまで行くつもりであったが、 登山口は確か 帝国ホテルの北側にある田代橋の先にあることを思い出し、急遽 帝国ホテル前で降りることにする。


バスを降りたのが 5時25分。
道路脇の道に入って、帝国ホテルへと進む。
田代橋へはどう行けば良いのか分からないままにホテルの脇を進んで行く。たまたまホテルの方が掃除をしていたので、田代橋への道を確認すると、 このまま進めば良いとのこと。

ホテルの裏側に回れば、右手に穂高連峰が見える。 但し、写真の様に青空は見えない上に、山の上方はガスの中なので、少々気が滅入る。

5分程 森の中を進めば、やがて田代橋。
そしてすぐに穂高橋も続き、梓川を渡ることになる。
早朝にも拘わらず、周囲を散策する観光客が多い。さすがは上高地である。

橋から再度穂高連峰を見れば、 ホテルから見た時よりもその状況は改善されており、明神岳、前穂高岳の頂上を何とか認識できるようになってきている。
このまま、さらに状況が改善されていくことを祈りつつ、先に進む。

5時38分に西穂高岳登山口に到着。
登山口は写真の様な立派な門となっており、この後の登山道も しっかり手入れがされていることを感じさせてくれる。

登山口の前では、十数人の団体登山者の方々が、登山を前に準備体操を行っていた。
団体登山というと、すれ違いの時などにイライラさせられることが多く、あまり好感を持っていないのだが (小生の身勝手であることは重々承知)、 ロープウェイを使わないというだけで 少々シンパシーを抱いてしまったから不思議なものである。

道は最初は緩やか、 徐々に勾配がきつくなってくる。
急勾配になると、ジグザグに斜面を登っていくようになる。周囲はシラビソ、モミ、コメツガなどの木々が見られ、原生林らしさがあって雰囲気は良い。
また、滑りやすい場所には丸太などで階段状の施工がなされており、ササの煩い所はササが刈り払われているなど、 良くメンテナンスが為されている。

睡眠時間が短い割には足の方は快調である。 樹林帯の中で涼しいのが良いのかもしれない。

ただ、樹林の中がずっと続き、展望は全くといって良い程ない。
40分程登った時に、樹林越しに焼岳と覚しき山の崩れた斜面が見えたが、 その上方はガスで、頂上は見えない状況であった。
道は明瞭。そして、所々にオレンジ色の道標を見ることができる。面白いのはその位置で、木のかなり高い所に設置されており、 その鮮やかな色とともに積雪対策であろうことが窺われる。
また、道は旧道もあるようだが、そちらは崩壊が激しいらしく、迷い込まないようにロープなどが張られている。

やがて、道は写真のように明るい尾根へと近づいていく。

その尾根に登り着くと、 木々の間から明神岳、前穂高岳がチラチラ見えるようになる。同時に、道はほぼ平らとなるが、途中から痩せ尾根に変わり、 崖を横切るべく、桟道も現れるようになる。
やがて、少々朽ちかけた標識が木に括り付けられているのを見つけた。そこには 『 中尾根 』 の文字とともに、 西穂山荘まで 1時間30分とある。
この標識付近では穂高連峰のシルエットが良く見える様になる。状況は今朝程よりも良くなっており、 稜線がハッキリと分かる。
写真 左が 前穂高岳、その右が明神岳、そして II 峰は恐らく明神岳と重なっており、 その右に III 峰、そしてドーム型をした IV 峰、円錐形の V 峰と続いている。



西穂高岳登山データ

上記登山のデータ登山日:2011.7.24 天候:曇り時々晴れ単独行日帰り
登山路:帝国ホテル−西穂高岳登山口−宝水−西穂高岳・焼岳分岐−西穂山荘−丸山− 西穂独標−ピラミッドピーク−西穂高岳−(往路を戻る)
交通往路:瀬谷−(国道16号線)−八王子IC−(中央自動車道路)−岡谷JCT−(長野自動車道)−松本IC− (国道158号線)−沢渡市営第一駐車場(車にて)−(シャトルバス)−帝国ホテル前
交通復路:上高地バスターミナル−(シャトルバス)−沢渡大橋−沢渡市営第一駐車場−(国道158号線)−松本IC −(長野自動車道)−岡谷JCT−(中央自動車道)−大月JCT−(中央自動車道)−都留IC−(国道139号線−県道24号線−国道413号線)−青山− (国道412号線)−半原日向−(県道54号線)−中津−(県道506号線)−下当麻−(県道52号線)−相模原公園入口−(県道507号線−県道50号線)− 中央林間−鶴間二丁目−(かまくらみち)−上瀬谷小東側−(海軍道路)−瀬谷 (車にて)

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