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登り来し方を見やる。
やはり、ピラミッドピークが目立ち、その左にチャンピオンピーク、右に 7峰を従えている。ピラミッドピークの後方には西穂山荘の赤い屋根、
そして焼岳へと続く尾根も見えるが、
肝心の焼岳の方は完全に頂上が隠れてしまっている。
頂上には結局 26分程居たことになるが、後半の 10分間は小生 1人。
展望の方はこれ以上好転しそうもないので、奥穂高岳からこちらへと向かってくる登山者を眺め、
この難路への挑戦に思いをはせる。まあ、頂上を踏むことの方が主目的なので、敢えてこの難ルートに挑戦することはないであろう。 |
9時58分、頂上を後にする。
下りの方が足下に気を遣う。
途中、ピラミッドピーク手前にて、雷鳥の母子を見かける。
人間が近づいても逃げる様子もなく、また子を守るために母鳥がおとりになるというようなこともなく、ノンビリしている。
ヒナは全部で 4匹だったようである。 | |
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こちらはそのヒナのうちの 1匹。
動きが速いので、写真を撮るのに苦労したが、このヒナは岩の上で暫くジッとしていてくれた。
ピラミッドピークには 10時31分に戻り着く。当然、休むことなく通過。
独標には 10時46分に到着。この頃になると、奥穂高岳方面にもガスが掛かりだし、
西穂高岳までしか見えなくなってきている。
笠ヶ岳方面は、
今や雲が垂れ幕のように上部を覆ってしまっている。 |
独標を過ぎると、
登ってくる団体客とのすれ違いでかなり待たされるようになる。
それでも、うまくタイミングを見つけてすり抜け、順調に下る。
丸山に戻り着いたのが 11時16分。
丸山から少し下って振り返れば、頂上の方に大分雲が湧き出してきている。今の時点で登って行く人もかなりいるが、
頂上の展望は先程よりも悪くなっているかもしれない。タイミングというのは大事である。 | |
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やがて、下方に西穂山荘の赤い屋根が見えてきた。
山荘の手前に焦げ茶色をした屋根があるが、これは昨日から開業した東邦大学医学部の夏山診療所の建物である。
人で混み合う山荘には 11時半に戻り着く。
ここで暫し休憩し、この後 どうしようか考える。まだ時間が早いので、
焼岳経由で下山しようかとも思ったのだが、
焼岳からの展望は期待できず、また空模様も少し怪しいので、無難に往路を戻ることにする。
11時40分に出発。
樹林帯を順調に下る。
途中、機械音が頻りにしたので不思議に思っていたのだが、後でヤマレコを見ると、救助のヘリが要請されたらしい。 |
順調に下って、
登山口には 13時3分に戻り着く。
ここからは完全に観光の世界。場違いな熊鈴を鳴らしながら、観光客の間を進み、ウェストン碑、河童橋を経由してバスターミナルに到着。
13時40分のバスに乗ることができたのだった。
しかし、なかなか前に進まない。よく見れば、道の片側は駐車している観光バスに延々と埋め尽くされており、
結局 片側通行の形となってしまっている。従って、上高地に向かうバスやタクシーが到着するまでの間、
バスの中で 30分も待たされたのであった。
それでも沢渡には 14時40分には戻り着く。
意外とあっけなく頂上に着いてしまい、少々物足りない面はあったものの、なかなか楽しい山行であった。 | |