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最後は先の見えないハイマツの斜面の登りが続き、ハイマツをかき分けながら進むことになる。
背丈ほどのハイマツで、全く周囲の景色は見えない。
上の方から先程のパーティの声が聞こえてくるだけである。
そして、クタクタになりつつハイマツ帯を抜け、金山岩に到着したのであった。時刻は10時57分。
この日は暖かかったので手袋をしていなかったところ、
手はハイマツに引っかかれて傷だらけ、首からぶら下げていたカメラにもかなり傷がついてしまった。
なお、この難路で平湯方面から登ってきた若い方と擦れ違ったが、
翌日ヤマレコを眺めていたら、その方の登山記録が掲載されていた。
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金山岩頂上は岩場が積み上がっているだけで、
標識などはなかったのだが、岩に標高点らしき刻み込みがあった。
国土地理院の 2万5千分1地図にも 2,532mの標高点 (空中写真を図化する際に読み取ったものが多い) として記されており、
十石山より僅かに高い。但し、国土地理院の地図には金山岩の名は無い。
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金山岩からの展望は抜群で、目の前の乗鞍岳、
そして笠ヶ岳から始まる北アルプスの山々、
さらには霞み気味だが八ヶ岳方面など
360度の大展望である。
写真は十石山方面で、美しいハイマツの海が続いているが、そこは通るのは地獄であった。
最早、どう考えてもこの苦難の道を引き返す気にはなれない。
地図をもう一度見て所要時間を確認し、3人組と同じように平湯へ下ることにする。
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こちらは奥穂高岳方面。
前穂高岳・明神岳と霞沢岳の間には、
常念岳も姿を見せている。
また、すぐ目の前に見える山は安房山 (アボウヤマ) である。
目を凝らすと、その頂上に人工物が見えるが、帰宅後調べたら、国土交通省の無線中継所だということが分かった。 | |
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こちらは乗鞍岳方面。
この金山岩と剣ヶ峰との高低差はわずか ? 500m程のはずであるが、もっと差があるように思われる。
ところで、写真が暗い。これは逆光ということもあるが、
先程の藪漕ぎでカメラの測光モード切替レバーも動いてしまったようで、いつのまにか 「 分割測光 」 から
「 中央重点平均測光 」 へと切り替わっていたのだった。
この金山岩における写真は 全部 その 「 中央重点平均測光 」 にて撮ってしまっており、
後ほど出てくる乗鞍権現社の小祠に至るまで気づかなかったのだった。大失敗。 |
3人組に先立ち、
11時16分に金山岩を出発する。
なお、10人程のパーティは、とっくに十石山へと戻っていったのだった。空身とは言え、あの藪漕ぎ地獄に良く耐えられるな と感心する (尤も、
ザックをデポしてあるので、イヤでも戻らざるを得ないのだが・・・)。
最初は大きな岩が積み上がっている上を進み、頂上の縁からはザレた斜面を下る。
四ツ岳方面を見れば、手前に見える尾根のササ原 ? に平湯乗鞍登山道がハッキリと見える。地図をみると、硫黄岳、丸山と進み、
途中で乗鞍スカイラインに出てしまうようなので少々興ざめではあるが、なかなか気持ちの良さそうなルートである。 | |