鉢盛山 ( 鉢盛山:2,446.6m ) 2015.4.16 登山



【PHOTO & 記録 鉢盛山 1】

3月31日(火)に 横岳に登った後、パッとしない天候が続き、 2週間以上山に行っていない。
山が逃げてしまう訳ではないが、この時期、できるだけ残雪の山を楽しみたいと思っているので、 時間がドンドン経ってしまうことに少々焦りを感じてしまう。
そんな中、4月16日(木)は快晴との予報となったため、待ってました とばかりに山に行くことにした。
行き先は松本盆地と木曽地域に跨がっている鉢盛山。その名の通り、鉢に土を盛り付けしたような丸いどっしりとした山容の山であり、 先日も横岳からその姿を眺めたばかりである。
この山に興味を持ったのは、日本三百名山に選ばれていることも理由の一つだが、その登山方法がユニークだからである。
つまり、無雪期にこの山に登るには、長野県東筑摩郡朝日村の役場に鉢盛山林道通行許可書を申請し、 許可証とともに林道ゲートの鍵を貰うことが必要なのである。
しかし、その鉢盛山林道は昨年 9月の崩落により通行止めになってしまい、恐らく現時点でも復旧しておらず、 従って、今年は登山できるかどうか未定なのである (加えて、登山時期は 6月下旬から 10月中旬に限定されている)

なお、下山後にさらに調べると、この朝日村からのルートの他にも 松本市側、 木曽郡木祖村側にそれぞれルートがあることが分かったのだった。
松本市側のルートは林道 黒川線を使用するもので、これも朝日村と同様、松本市役所波田支所にて林道通行許可を得てゲートの鍵を貰う必要がある。 ただ、こちらのルートも、現時点では林道の安全が確認できていないため、登山ができないようである。
木祖村側からのルートは、奥木曽湖の味噌川ダム周回道路から鉢盛山林道を進み、 鉢盛山の南側から登るものである。朝日村とは異なり、こちら側の鉢盛山林道は完全に一般車通行止めになっているようであるが、 毎年 NPO法人 木曽川・水の始発駅 の主催により、鉢盛山登山の募集が行われ、実行されているようである (7 〜 9月頃に開催)
なお、NPO法人 木曽川・水の始発駅 のホームページによれば、10人以上の団体の場合は、募集日以外の登山も相談に応じるとか。
しかし、いずれにしても、個人の自由行動による登山は難しい状況にあるようである。

そんな制限のある山であるが、この時期になると、 鉢盛山の南側にある野麦峠スキー場から尾根を辿る、積雪期限定の登山コースが現れるのである。 このことは、昭文社の 山と高原地図 『 乗鞍高原 』 (2011年版) にも記載されているのだが、 ノーマルタイヤの小生の車ではそこまでのアプローチが難しく、半ば諦めていたのであった。
しかし、4月12日(日)にそのコースにて鉢盛山に登った方の記録がヤマレコに載ったのを読み、 俄然このコースがクローズアップされてきたのである。現在はノーマルタイヤでのアプローチが可能であり、 この残雪期でもまだ登ることができ、しかもスキー場は 3月末にて今季の営業を終了しているとのことなので、 早速トライすることにしたのである。
心配は、前日、前々日に降った雨で、雪の上のトレースが消えてしまっているのではないか ということであるが、とにかく、 トライしたい気持ちの方が強く、思い切って出かけることにしたのだった。

朝の 3時に横浜の自宅を出発。横浜ICから東名高速道下り線に入り、 圏央道、中央自動車道を経て、岡谷JCTから長野自動車道へと進む。ナビの勧め通り松本ICにて高速道を下り、 国道158号線 (野麦街道) を上高地方面へと進む。
天候は予報通り晴れではあるが、気温が高いためか、北アルプスの山々は少し薄ボンヤリとしている。
梓川沿いを進み、梓湖手前の入山トンネル内にある分岐を左に進んで県道26号線 (ここも野麦街道) に入る。
梓湖沿いに山道を進んで行くと、やがて周囲に人家が現れ、その少し先で新野麦街道の方に入ることになるが、奈川中・小学校の横を過ぎていくと、 道は再び野麦街道に合流することになる。
やがて、野麦街道は寄合渡にて県道39号線 (直進) にバトンタッチされるが、 その手前を左折して県道26号線をそのまま進み、木曽福島方面へと向かう。 暫くすると、『 左 野麦峠スキー場 』 の標識が現れ、左手に 『 そばの里 奈川 』 の建物が現れるので、 その手前を左折する。そして暫く進めば、野麦峠スキー場である。
ヤマレコの記載に従って、第3駐車場に車を駐める。時刻は 6時24分。スキー場は今季の営業を終了しているので、 広い駐車場には小生の車のみである。

ところで、昨日の雨はこの辺では雪だったようで、県道26号線を進んでいると、 周囲の山々に樹氷が見られたのでビックリする。
さらに県道26号線からスキー場に向かう道では、道路上に雪は無いものの、道路脇の斜面が真っ白になっているのに驚かされる。


写真の様に、広い駐車場には小生の車のみ。
そして、昨日降ったと思われる雪が周囲を白くしている。
本日は、図らずも新雪の山を登ることになってしまった訳で、 ルートファインディング、歩行等に苦労させられるのでは との不安が生じる。

また、本日は暑いくらいの陽気の下での登山を期待していたのだが、吹く風は結構冷たく、 車載の温度計は 3℃を示している。
仕方なく、ジャケットを羽織ることにする。

身支度を調え、6時31分にゲレンデへと向かう。
センターハウス手前にあるトイレを借りた後、ゲレンデへと進む。

先日のヤマレコ掲載の写真では、草地も見えていたゲレンデだが、 今は真っ白になっている。
雪のゲレンデを登っていく。帰宅後に調べると、ここはトレーニングバーンと呼ばれるゲレンデらしい。
足下の新雪はスタート時で 3センチ程度。草地の上に新たに積もった雪を踏んで行く場合は良いが、 残雪の上に新たに積もった雪の上を歩く場合は、時々踏み抜いてしまう。
前方を見上げれば、ゲレンデの先の高みから太陽が顔を出し始めている。本日の天候はかなり良さそうである。

少し登って振り返れば、周囲の山々は白く、冬に逆戻りしたような感じである。 但し、気温は高めで、冬の凛とした空気とは明らかに違う。

この後に続くゲレンデにも雪があることは間違いなく、 またゲレンデの斜度も急になることが予想されるため、途中で 10本爪アイゼンを装着する。
本日はスノーシューも持参し、背中に背負っているのだが、急角度の斜面、しかも固い雪の上に数センチの新雪が積もっている状態では、 スノーシューの出番はない。

高度を上げて振り返れば、 乗鞍岳が姿を見せている。 しかし、その山頂には雲が掛かっている。
本来ならばここでテンションがグッと上がるところであるが、誰の踏み跡もないゲレンデを登り、さらにはその先に未知の山が待っていることを思うと、 不安の方が先に立ってしまう。

やがて、 乗鞍岳の右方に 霞沢岳が見え始める。 ここから見る霞沢岳は、その手前にある高みとペアになって双耳峰のようである。

また、嬉しいことに、登るに連れて 乗鞍岳に掛かっていた雲も徐々に取れ始め、大日岳、剣ヶ峰などがハッキリと見えるようになる。
さらには、うっすらとではあるが乗鞍岳、霞沢岳以外の山も見え始めるようになり、霞沢岳の左後方には 焼岳笠ヶ岳も確認できるようになる。
霞沢岳の右後方には前穂高岳らしき山が見えているが、その途中にあるはずの 西穂高岳奥穂高岳は全く見えない。

写真は、中央が霞沢岳。その左後方に笠ヶ岳がうっすらと見え、 さらにその左に焼岳が見えている。
霞沢岳の右後方に見える白い山は、前穂高岳。

足下の雪は、高度を上げるに連れて徐々に増え始め、 場所によっては足首くらいまで潜るようになる。

トレーニングバーンを終えると、『 立て水の坂 』 と呼ばれるコースに入ることになるが、 コースの端を登ったところ、結構な斜度と吹きだまりになった 新雪 + 残雪に少々苦しむようになる。

雪に苦労しながら何とか登り切ると、次はパノラマゲレンデに入ることになるが、 ここではリフトの柱に沿って登っていくことにする。
この頃になると太陽が正面に位置し、日の光が眩しい。

このパノラマゲレンデは、雪が締まっているため、かなり歩き易くなる。
誰の足跡もついていない、真っさらなゲレンデに踏み跡をつけていくのは気持ちが良い。

高度を上げていくと、やがて右手後方に 御嶽が姿を現す。
本日、剣ヶ峰付近の噴煙は少ないようである。



鉢盛山 登山データ
上記登山のデータ 登山日:2015.4.16 天候 : 快晴後曇り 単独行 日帰り
登山路:野麦峠スキー場第3駐車場−トレーニングバーン−立て水の坂− パノラマゲレンデ−峰の原ゲレンデ−樹海コース−ラビットコース−ゲレンデトップ−エキスパートコース−鉢盛山取り付き口− 小鉢盛山−鉢盛山−小鉢盛山−鉢盛山取り付き口−エキスパートコース−チャンピオンコース−パノラマゲレンデ−立て水の坂−トレーニングバーン− 野麦峠スキー場第3駐車場
交通往路:瀬谷−横浜IC−(東名高速道)−海老名JCT−(圏央道)− 八王子JCT−(中央高速道)−岡谷JCT−(長野自動車道)−松本IC−(国道158号線:野麦街道)−入山トンネル−(県道26号線:野麦街道・新野麦街道)− 寄合渡−(県道26号線)−奈川高原入口−野麦峠スキー場第3駐車場 (車にて)
交通復路:野麦峠第3駐車場−奈川高原入口−(県道26号線)−薮原−(国道19号線)− 高出−(国道20号線)−塩尻IC−(長野自動車道)−岡谷JCT−(中央自動車道)−相模湖IC−(国道20号線)−相模湖駅前−(国道412号線)−三ケ木− (国道413号線)−谷ヶ原浄水場−(県道508号線)− 塚場−(県道63号線)− 葛輪−田名赤坂−(国道129号線)−塩田原− 下当麻−(県道52号線)−相模原公園入口 −(県道507号線)− 相武台団地入口−(県道50号線)− 中央林間−鶴間二丁目 −瀬谷入口−(かまくらみち)−上瀬谷小入口−上瀬谷小東側−(海軍道路)−瀬谷 (車にて)

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