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ゲレンデトップからは、さらに北側にあるエキスパートコースを下る。
鉢盛山への取り付き口は、このエキスパートコースが左に曲がって急斜面に変わる所にあるはずである。
緩やかな斜面を下っていくが、ここもかなり雪が多く、今後の山道が心配になる。
少し下っていくと、先の方に目指す鉢盛山が見えるようになる (右奥)。
鉢盛山はその頂上にマイクロウェーブの反射板が見えるので分かりやすい。しかし、そのあまりの遠さに愕然とする。
しかも、直線距離でも遠く感じられるのに、登山ルートの方は雪で白くなった山々を越えて、左からグルッと回っていかねばならない。
これは途中撤退もありうると思いながら、先へと進む。 |
やがて、丸太の柱が何本も立っている山の取り付き口に到着。
吹きだまりとなって膝上まである新雪をかき分け、丸太の柱の間を抜けて尾根上に立つ。
周囲は霧氷、そして登山道上には全く踏み跡はない。ただ、ピンクテープがヒラヒラと風に舞い、少々臆し気味の小生を誘っている。
足下の新雪は 10センチ前後。吹きだまりでは 30センチ近くもあるが、
一方で、数センチしかない場所もある。
しかし、その新雪の下には締まった残雪があり、小さなマウンドを越える時にはアイゼンの方が役に立つ。
従って、スノーシューに履き替えず、アイゼンのまま進むことにする。
8時59分に出発する。 |
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新雪のため、雪の上に先達の足跡は全くなく、道を示唆してくれる雪の上の凹みも見られない。
ピンクテープが一定間隔でつけられているので、これを頼りに進む。
基本的に尾根上を進めば良いので、視界が悪くならない限り道に迷うことはないはずである。上空には青空が広がり、
太陽が明るい日差しを降り注いでくれるので勇気を持って進むことができる。
道は最初下った後、緩やかな登りが始まる。
その登りの途中でも小さなアップダウンを繰り返しながら高度を上げていくことになる。
途中、気持ちの良い尾根歩きが続くが、未知の山であり、さらには踏み跡も無いので、先行きの不安が先に立って、素直に喜べない。 |
真っさらな雪の上を進む。
途中、雪庇があったり、雪に覆われた木々に行く手を阻まれたりするが、
何とかピンクテープを追いながら進んで行く。
先程も述べたように、足下の新雪の下には固く締まった雪があり、
小さなマウンドを登る際には、10本爪アイゼンの前爪が必要になる時がある。 |
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目の前に見える高みを小鉢盛山に違いないと思いながら進む。
小さなアップダウンを繰り返しながら徐々に高度を上げていくのだが、次第に登りの勾配が続くようになる。
斜度はそれ程キツくないのであるが、ほぼ一直線の登りが長く続くようになるので身体に応える。
出発してから 3時間近く経っており、ここまでほとんど休憩無しである上、先程のキツいゲレンデの登りがあったため、疲れが出始める。
足の雪も結構 抵抗勢力となり、疲れを増幅させる。 |
風は結構 強く吹いているが、気温が高いので全く気にならない。
いや、問題と言えば、木に積もった昨日の雪が、風に煽られてパラパラと落ちてくることである。
それも時々なら良いのだが、間断無く続くため、首からぶら下げている一眼レフを守るのにちょっと大変である。
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