< ζ(s)の母関数 >
< ζ(s)cos(x/n)型母関数 >
新しく見出したζ(s)のcos(x/n)型母関数と、そのペアの交代形cos(x/n)型を調べた。
「ゼータ系の彗星群」での最大の発見は、テイラーシステムである。
これでζ(3)でもζ(5)でも、ζ(1/4)でもはたまたζ(√2)でもどんなζ(s)でも簡単に生成できるようになった。また
私の予想L-4を応用することで、一般的なディリクレのL関数L(χ,s)の任意のゼータ値も同様に導出することができ
る(この場合はまだL(s)のみをやっただけだが、他もおいおい実行していく予定である)。
さて、テイラーシステムの場合は、
f(x)=cosx/1^s + cos2x/2^s + cos3x/3^s + cos4x/4^s + ・・・ -----@
g(x)=sinx/1^s + sin2x/2^s + sinx/3^s + sin4x/4^s + ・・・ -----A
という二つの関数をζ(s)母関数として、ゼータの値を導出していくが、右辺はよく見ると一種のフーリエ級数である。
これらがゼータ関数の重要なζ(s)母関数となっていることは、これまで見てきた通りである。
今回、リーマン・ゼータζ(s)のまた別種の母関数を見つけたので紹介したい。発見したものは次である。
F(x)=cosx/1^s + cos(x/2)/2^s + cos(x/3)/3^s + cos(x/4)/4^s + ・・・ ------B
G(x)=sinx/1^s + sin(x/2)/2^s + sin(x/3)/3^s + sin(x/4)/4^s + ・・・ ------C
もはやフーリエ級数の形ではなく、@、Aのcosやsinのnxを逆数型のx/nとしたものである。
とりあえずsを実数とした場合を考える。
F(x)、G(x)は全ての実数(-∞<x<∞)を定義域にとれる。
さて、これらがどのようにゼータζ(s)の母関数となっているか、次で具体的に見ていきたい。意外に面白いのである。
F(x)=cosx/1^s + cos(x/2)/2^s + cos(x/3)/3^s + cos(x/4)/4^s + ・・・ ------@
s=2とした場合をまず考える。すなわち、
F(x)=cosx/1^2 + cos(x/2)/2^2 + cos(x/3)/3^2 + cos(x/4)/4^2 + ・・・
を見たい。右辺をx=0周りでテイラー展開すると、次となる。これを”cos(x/n)型ζ(s)母関数”と名づけたい。
F(x)=ζ(2) - ζ(4)・x^2 /2!+ ζ(6)・x^4 /4!- ζ(8)・x^6 /6!+ ζ(10)・x^8 /8!- ・・・ -----A
すなわち、次となる。
cosx/1^2 + cos(x/2)/2^2 + cos(x/3)/3^2 + cos(x/4)/4^2 + ・・・
=ζ(2) - ζ(4)・x^2 /2!+ ζ(6)・x^4 /4!- ζ(8)・x^6 /6!+ ζ(10)・x^8 /8!- ・・・
面白い式である。F(x)がζ(s)の母関数となっていることが見ているだけでわかる。
またすぐ気づくことだが、
F(0)=ζ(2)
であり、またF(x)を2回微分したF´´(x)のF´´(0)が F´´(0)=-ζ(4) となる。すなわち、
F(0)=ζ(2)
F^(2)(0)=-ζ(4)
F^(4)(0)=ζ(6)
F^(6)(0)=-ζ(8)
・
・
となっている。ここでF^(n)(x)は、F(x)のn回微分を表す。
一つ上で「F(x)は全ての実数(-∞<x<∞)を定義域にとれる」と述べたが、Aのべき級数を見ると収束半径Rは
R=∞となるから、それがわかる。(また右辺の項をすこし先にいけば、ほぼζ(n)はほとんど1とイコールとなるので、それ以降は
cosxと同じであるともいえ、それによっても-∞<x<∞がわかる。)
なお@にテイラーシステムは使えない。テイラーシステムを適用したら恒等的な式変形に陥ってしまうのである。
次に@でs=3の場合を考える。
F(x)=cosx/1^3 + cos(x/2)/2^3 + cos(x/3)/3^3 + cos(x/4)/4^3 + ・・・
を見る。右辺をx=0周りでテイラー展開すると、次となる。
F(x)=ζ(3) - ζ(5)・x^2 /2!+ ζ(7)・x^4 /4!- ζ(9)・x^6 /6!+ ζ(11)・x^8 /8!- ・・・
すなわち、
cosx/1^3 + cos(x/2)/2^3 + cos(x/3)/3^3 + cos(x/4)/4^3 + ・・・
=ζ(3) - ζ(5)・x^2 /2!+ ζ(7)・x^4 /4!- ζ(9)・x^6 /6!+ ζ(11)・x^8 /8!- ・・・
さらに s=4と s=5 では、当然ながら次となる。
cosx/1^4 + cos(x/2)/2^4 + cos(x/3)/3^4 + cos(x/4)/4^4 + ・・・
=ζ(4) - ζ(6)・x^2 /2!+ ζ(8)・x^4 /4!- ζ(10)・x^6 /6!+ ζ(12)・x^8 /8!- ・・・
cosx/1^5 + cos(x/2)/2^5 + cos(x/3)/3^5 + cos(x/4)/4^5 + ・・・
=ζ(5) - ζ(7)・x^2 /2!+ ζ(9)・x^4 /4!- ζ(11)・x^6 /6!+ ζ(13)・x^8 /8!- ・・・
ところで、@でs=1とすると、
cosx/1 + cos(x/2)/2 + cos(x/3)/3 + cos(x/4)/4 + ・・・
=ζ(1) - ζ(3)・x^2 /2!+ ζ(5)・x^4 /4!- ζ(7)・x^6 /6!+ ζ(9)・x^8 /8!- ・・・
となり、特異点である極ζ(1)が発生する。
以上を一般的に書けば、次となる。
cosx/1^n + cos(x/2)/2^n + cos(x/3)/3^n + cos(x/4)/4^n + ・・・
=ζ(n) - ζ(n+2)・x^2 /2!+ ζ(n+4)・x^4 /4!- ζ(n+6)・x^6 /6!+ ζ(n+8)・x^8 /8!- ・・・ ----B
この式は面白い性質をもつ。nが大きくなるほど、右辺は(つまり左辺は)cosxにどんどん近づくのである。
cosx=1 - x^2 /2!+ x^4 /4!- x^6 /6!+ x^8 /8!- ・・・
である。
ζ(2)=1.6449・・
ζ(3)=1.2020・・
ζ(4)=1.0823・・
ζ(5)=1.0369・・
ζ(6)=1.0173・・
ζ(7)=1.0083・・
ζ(8)=1.0040・・
ζ(9)=1.0020・・
ζ(10)=1.0009・・
・
・
であり、nが増せばどんどんとζ(n)は1に近づくから、Bよりそれがわかるだろう。
F(x)=cosx/1^n + cos(x/2)/2^n + cos(x/3)/3^n + cos(x/4)/4^n + ・・・
とすると、
limF(x)=cosx
(n->∞)
となっているわけである。
今回見出したF(x)のような関数が現代数学で研究されているものかどうか知らないが、上で見たようにゼータに
密接に関係した関数であることがわかる。
まとめておこう。(一般式のnはsで表した)
「マックノート彗星 その3」より
上では、@のs=1の場合を示さず、s=2からはじめた。
F(x)=cosx/1^s + cos(x/2)/2^s + cos(x/3)/3^s + cos(x/4)/4^s + ・・・ ------@
その理由は、@でs=1は(上で見たとおり)
cosx/1 + cos(x/2)/2 + cos(x/3)/3 + cos(x/4)/4 + ・・・
=ζ(1) - ζ(3)・x^2 /2!+ ζ(5)・x^4 /4!- ζ(7)・x^6 /6!+ ζ(9)・x^8 /8!- ・・・ ----A
となり、特異点である極ζ(1)が発生するのが気になったからである。ただし、現実的に扱えないとはいえ、これは
これで興味深い式ではある。
じつは、@に工夫を加えることにより、特異点の発生を抑えることができる。それは「マックノート彗星 その3」で
行ったのと類似の方法だが、@を交代級数型にすれば特異点が解消されるのである。
F(x)に対して、F_(x)という記号でその関数を表し、”交代形cos(x/n)型ζ(s)母関数”とでも名づけたい。
F_(x)=cosx/1^s - cos(x/2)/2^s + cos(x/3)/3^s - cos(x/4)/4^s + ・・・ ------B
これでもって、一つ上でやったのと同様のことを行うことにする。
まずs=1とした場合を考えて、
F_(x)=cosx/1 - cos(x/2)/2 + cos(x/3)/3 - cos(x/4)/4 + ・・・
を見たい。x=0周りでテイラー展開すると、次となる。
F_(x)
=log2 - (1-1/2^2)ζ(3)・x^2 /2!+ (1-1/2^4)ζ(5)・x^4 /4!- (1-1/2^6)ζ(7)・x^6 /6!+ ・・・
すなわち、次式が成り立つ。
cosx/1 - cos(x/2)/2 + cos(x/3)/3 - cos(x/4)/4^2 + ・・・
=log2 - (1-1/2^2)ζ(3)・x^2 /2!+ (1-1/2^4)ζ(5)・x^4 /4!- (1-1/2^6)ζ(7)・x^6 /6!+ ・・・
Aと比べると、見事に特異点が解消され log2が現れていることがわかるであろう。
またF_(x)がζ(s)の母関数となっていることもわかる。なお、ζ(s)の心で見れば (1-1/2^0)ζ(1)=log2 である。
すぐ気づくことだが、
F_(0)=log2
であり、またF_(x)を2回微分したF_´´(x)のF´´(0)が F_´´(0)=-(1-1/2^2)ζ(3) となる。すなわち、
F_(0)=log2
F_^(2)(0)=-(1-1/2^2)ζ(3)
F_^(4)(0)=(1-1/2^4)ζ(5)
F_^(6)(0)=-(1-1/2^6)ζ(7)
・
・
となっている。ここでF_^(n)(x)は、F_(x)のn回微分を表す。
右辺のべき級数を見ると収束半径RはR=∞となるから、F_(x)の定義域は-∞<x<∞である。(また右辺の項をすこし先に
いけば、ほぼζ(n)はほとんど1とイコールとなるので、それ以降はcosxと同じであるともいえ、それによっても-∞<x<∞がわかる。)
次にs=2の場合を考え、
F_(x)=cosx/1^2 - cos(x/2)/2^2 + cos(x/3)/3^2 - cos(x/4)/4^2 + ・・・
を見たい。x=0周りでテイラー展開すると、次となる。
F_(x)
=(1-1/2^1)ζ(2) - (1-1/2^3)ζ(4)・x^2 /2!+ (1-1/2^5)ζ(6)・x^4 /4!- (1-1/2^7)ζ(8)・x^6 /6!+ ・・・
すなわち、次となる。
cosx/1^2 - cos(x/2)/2^2 + cos(x/3)/3^2 - cos(x/4)/4^2 + ・・・
=(1-1/2^1)ζ(2) - (1-1/2^3)ζ(4)・x^2 /2!+ (1-1/2^5)ζ(6)・x^4 /4!- (1-1/2^7)ζ(8)・x^6 /6!+ ・・・
同様にして、s=3、4、5の場合は、それぞれ次となる。
cosx/1^3 - cos(x/2)/2^3 + cos(x/3)/3^3 - cos(x/4)/4^3 + ・・・
=(1-1/2^2)ζ(3) - (1-1/2^4)ζ(5)・x^2 /2!+ (1-1/2^6)ζ(7)・x^4 /4!- (1-1/2^8)ζ(9)・x^6 /6!+ ・・・
cosx/1^4 - cos(x/2)/2^4 + cos(x/3)/3^4 - cos(x/4)/4^4 + ・・・
=(1-1/2^3)ζ(4) - (1-1/2^5)ζ(6)・x^2 /2!+ (1-1/2^7)ζ(8)・x^4 /4!- (1-1/2^9)ζ(10)・x^6 /6!+ ・・・
cosx/1^5 - cos(x/2)/2^5 + cos(x/3)/3^5 - cos(x/4)/4^5 + ・・・
=(1-1/2^4)ζ(5) - (1-1/2^6)ζ(7)・x^2/2!+ (1-1/2^8)ζ(9)・x^4/4!- (1-1/2^10)ζ(11)・x^6/6!+ ・・・
美しい秩序が現れていることに注目したい。以上を一般的に書く。
cosx/1^n - cos(x/2)/2^n + cos(x/3)/3^n - cos(x/4)/4^n + ・・・
=(1-1/2^(n-1))ζ(n) - (1-1/2^(n+1))ζ(n+2)・x^2/2!+ (1-1/2^(n+3))ζ(n+4)・x^4/4!- ・・・
この式も@と同様、
cosx=1 - x^2 /2!+ x^4 /4!- x^6 /6!+ x^8 /8!- ・・・
と比べると面白い。
nが増せばζ(n)と(1-1/2^n)はどんどんと1に近づくから、
F_(x)=cosx/1^n - cos(x/2)/2^n + cos(x/3)/3^n - cos(x/4)/4^n + ・・・
とすると、
limF_(x)=cosx
(n->∞)
となっている。 F(x)とF_(x)は本質的には同じものといえよう。
まとめておこう。(一般式のnはsで表した)
発見したζ(s)母関数は、さらに広い変形が可能であることがわかった。
いろいろなバラエティに富んだ形の母関数を実現できるが、一つづつ具体的に見ていくことにしよう。
とにかく、面白いのである。
次のような関数もζ(s)の母関数となることがわかった。
F(x)=cos(x/1^2)/1^s + cos(x/2^2)/2^s + cos(x/3^2)/3^s + cos(x/4^2)/4^s + ・・・ ------@
cos(x/n^2)型ζ(s)母関数と名づけたい。定義域は-∞<x<∞である。
(じつは^2は^nと一般化できるが、一度にではなく一つ一つ見ていく。ここでは、この^2を見たい。)
さて、まず@のs=1の場合を考えよう。
F(x)=cos(x/1^2)/1 + cos(x/2^2)/2 + cos(x/3^2)/3 + cos(x/4^2)/4 + ・・・
右辺をx=0周りでテイラー展開すると、次となる。
F(x)=ζ(1) - ζ(5)・x^2 /2!+ ζ(9)・x^4 /4!- ζ(13)・x^6 /6!+ ζ(17)・x^8 /8!- ・・・
すなわち、次が成り立つ。
cos(x/1^2)/1 + cos(x/2^2)/2 + cos(x/3^2)/3 + cos(x/4^2)/4 + ・・・
=ζ(1) - ζ(5)・x^2 /2!+ ζ(9)・x^4 /4!- ζ(13)・x^6 /6!+ ζ(17)・x^8 /8!- ・・・
興味深い式である。F(x)がζ(s)の母関数となっていることがわかるが、奇数ゼータの出方がこれまでのものと
違っている! ここでは特異点である極のζ(1)が発生しているが、これがs=2以降では出なくなり、現実的な式と
なる。やってみよう。
@でs=2の場合を考えよう。
F(x)=cos(x/1^2)/1^2 + cos(x/2^2)/2^2 + cos(x/3^2)/3^2 + cos(x/4^2)/4^2 + ・・・
この右辺をx=0周りでテイラー展開すると、次となる。
F(x)=ζ(2) - ζ(6)・x^2 /2!+ ζ(10)・x^4 /4!- ζ(14)・x^6 /6!+ ζ(18)・x^8 /8!- ・・・
すなわち、次式が出る。
cos(x/1^2)/1^2 + cos(x/2^2)/2^2 + cos(x/3^2)/3^2 + cos(x/4^2)/4^2 + ・・・
=ζ(2) - ζ(6)・x^2 /2!+ ζ(10)・x^4 /4!- ζ(14)・x^6 /6!+ ζ(18)・x^8 /8!- ・・・
同様にして、@でs=3、4、5の場合を考えると、それぞれ次のようになった。
cos(x/1^2)/1^3 + cos(x/2^2)/2^3 + cos(x/3^2)/3^3 + cos(x/4^2)/4^3 + ・・・
=ζ(3) - ζ(7)・x^2 /2!+ ζ(11)・x^4 /4!- ζ(15)・x^6 /6!+ ζ(19)・x^8 /8!- ・・・
cos(x/1^2)/1^4 + cos(x/2^2)/2^4 + cos(x/3^2)/3^4 + cos(x/4^2)/4^4 + ・・・
=ζ(4) - ζ(8)・x^2 /2!+ ζ(12)・x^4 /4!- ζ(16)・x^6 /6!+ ζ(20)・x^8 /8!- ・・・
cos(x/1^2)/1^5 + cos(x/2^2)/2^5 + cos(x/3^2)/3^5 + cos(x/4^2)/4^5 + ・・・
=ζ(5) - ζ(9)・x^2 /2!+ ζ(13)・x^4 /4!- ζ(17)・x^6 /6!+ ζ(21)・x^8 /8!- ・・・
以上を一般的に書く。
cos(x/1^2)/1^n + cos(x/2^2)/2^n + cos(x/3^2)/3^n + cos(x/4^2)/4^n + ・・・
=ζ(n) - ζ(n+4)・x^2 /2!+ ζ(n+8)・x^4 /4!- ζ(n+12)・x^6 /6!+ ζ(n+16)・x^8 /8!- ・・・ ---A
この式も、nが大きくなるほど、右辺は(つまり左辺は)cosxにどんどん近づくのである。
それはcosxは
cosx=1 - x^2 /2!+ x^4 /4!- x^6 /6!+ x^8 /8!- ・・・
であり、nが増せばζ(n)は急速に1に近づくから、Aよりそれがわかる。しかも、上方でみた関数よりも速くcosxに近づく。
F(x)=cos(x/1^2)/1^n + cos(x/2^2)/2^n + cos(x/3^2)/3^n + cos(x/4^2)/4^n + ・・・
とすると、
limF(x)=cosx
(n->∞)
である。
まとめておこう。(一般式のnはsで表した)
次に、ペアとして、一つ上でcos(x/n^2)型ζ(s)母関数の交代級数版(次式)を考える。
F_(x)=cos(x/1^2)/1^s - cos(x/2^2)/2^s + cos(x/3^2)/3^s - cos(x/4^2)/4^s + ・・・
交代形cos(x/n^2)型である。まずs=1とした場合を考えて、
F_(x)=cos(x/1^2)/1 - cos(x/2^2)/2 + cos(x/3^2)/3 - cos(x/4^2)/4 + ・・・
を見たい。x=0周りでテイラー展開すると次となる。
F_(x)
=log2 - (1-1/2^4)ζ(5)・x^2 /2!+ (1-1/2^8)ζ(9)・x^4 /4!- (1-1/2^12)ζ(13)・x^6 /6!+ ・・・
すなわち、次式が成り立つ。
cos(x/1^2)/1 - cos(x/2^2)/2 + cos(x/3^2)/3 - cos(x/4^2)/4 + ・・・
=log2 - (1-1/2^4)ζ(5)x^2/2!+ (1-1/2^8)ζ(9)x^4/4!- (1-1/2^12)ζ(13)x^6/6!+ ・・・
一つ上では特異点ζ(1)が発生していたが、ここでは特異点が解消され log2が現れている。
F_(x)の定義域は-∞<x<∞である。
次にs=2の場合を考え、
F_(x)=cos(x/1^2)/1^2 - cos(x/2^2)/2^2 + cos(x/3^2)/3^2 - cos(x/4^2)/4^2 + ・・・
を見る。これをx=0周りでテイラー展開すると、次となる。
F_(x)
=(1-1/2^1)ζ(2) - (1-1/2^5)ζ(6)x^2/2!+ (1-1/2^9)ζ(10)x^4/4!- (1-1/2^13)ζ(14)x^6/6!+ ・・・
すなわち、次が成り立つ。
cos(x/1^2)/1^2 - cos(x/2^2)/2^2 + cos(x/3^2)/3^2 - cos(x/4^2)/4^2 + ・・・
=(1-1/2^1)ζ(2) - (1-1/2^5)ζ(6)x^2/2!+ (1-1/2^9)ζ(10)x^4/4!- (1-1/2^13)ζ(14)x^6/6!+ ・・・
同様にして、s=3、4、5の場合は、それぞれ次となる。
cos(x/1^2)/1^3 - cos(x/2^2)/2^3 + cos(x/3^2)/3^3 - cos(x/4^2)/4^3 + ・・・
=(1-1/2^2)ζ(3) - (1-1/2^6)ζ(7)x^2/2!+ (1-1/2^10)ζ(11)x^4/4!- (1-1/2^14)ζ(15)x^6/6!+ ・・・
cos(x/1^2)/1^4 - cos(x/2^2)/2^4 + cos(x/3^2)/3^4 - cos(x/4^2)/4^4 + ・・・
=(1-1/2^3)ζ(4) - (1-1/2^7)ζ(8)x^2/2!+ (1-1/2^11)ζ(12)x^4/4!- (1-1/2^15)ζ(16)x^6/6!+ ・・・
cos(x/1^2)/1^5 - cos(x/2^2)/2^5 + cos(x/3^2)/3^5 - cos(x/4^2)/4^5 + ・・・
=(1-1/2^4)ζ(5) - (1-1/2^8)ζ(9)x^2/2!+ (1-1/2^12)ζ(13)x^4/4!- (1-1/2^16)ζ(17)x^6/6!+ ・・・
以上を一般的に書く。
cos(x/1^2)/1^n - cos(x/2^2)/2^n + cos(x/3^2)/3^n - cos(x/4^2)/4^n + ・・・
=(1-1/2^(n-1))ζ(n) - (1-1/2^(n+3))ζ(n+4)・x^2/2!+ (1-1/2^(n+7))ζ(n+8)・x^4/4!- ・・・
この式も@と同様、
cosx=1 - x^2 /2!+ x^4 /4!- x^6 /6!+ x^8 /8!- ・・・
と比べると面白い。
nが増せば係数のζ(n)と(1-1/2^n)はどんどんと1に近づくから、
F_(x)=cos(x/1^2)/1^n - cos(x/2^2)/2^n + cos(x/3^2)/3^n - cos(x/4^2)/4^n + ・・・
とすると、
limF_(x)=cosx
(n->∞)
となっている。 一つ上でのF(x)と、ここでのF_(x)は本質的には同じものといえる。
まとめておく。(一般式のnはsで表した)
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