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傍章・雑談・機材・レンズより引用
| 温帯なら60mm、熱帯なら100mm。これには断固反対。 |
陸上だろうが水中だろうが、温帯だろうが熱帯だろうが、撮影場所によってレンズとカメラの動作・性能は変わりません。
画角も被写界深度もボケ味も、何一つ一切全く変わりません。
従って、何処でも60mmは60mmで、100mmは100mmです。
この話の場合『温帯と熱帯』の差は、透明度を指しています。
『透明度の悪い温帯ならば60mm、透明度の良い熱帯ならば100mm』という意味です。
これにより、実際の撮影で変化するのは、撮影可能距離です。撮影可能距離は、その時その場所で変わります。
陸上でも空気が澄んでいれば遠くの山並みが綺麗にクリアに撮れます、霧の中では撮れません。
同じ事が水中にも言えます。水中マクロ写真の場合、透明度30mの熱帯では、1m先は綺麗に撮れます、透明度5mの温帯では、50cm先が限度?でしょうか?
ただ、その差は、どのレンズ・どのカメラにも等しく、同じ条件差として影響します。
『温帯なら60mm、熱帯なら100mm』これはフィルム時代の昔話です。
昔々、水中写真ではみんな図鑑写真を頑張って撮っていましたとさ〜〜その時代は、フラッシュフル発光で、距離によってF値を変えるというような時代でしたとさぁ〜。だから、被写界深度などカメラマンは自分の思う通りにならなかったのです。その時の距離で撮れた写真で満足するしかなかった時代のだったのです。図鑑写真をみんなで撮っていて、他の絵コンテなどなかった時代のお話です。
図鑑写真だけを撮るならば・・・という前提条件なら、今でも『温帯なら60mm、熱帯なら100mm』は正しいです。
温帯で透明度が悪く撮影可能距離の制限が多い時は、60mmの方が小さいものから大きいものまで色々な魚の図鑑写真が撮れました。100mmでは少し大きな魚の場合、撮影距離を長く撮れないため、はみ出てしまうため撮れないからです。
その為、透明度の悪い温帯では何でも色々撮れる60mmが良いと言われてました。昭和の時代にね。
で、何が撮りたいの?
図鑑写真以外も撮りたい人は、こんな昔話は無視して下さい。
温帯では50cmの距離では、はみ出る大き目の魚を、熱帯では1mまで下がって撮れます。しかし、その写真は同じではありません。絵コンテが根本的に違います。被写界深度もボケ量も青い自然光比率も、違います。同じ被写体が写っているだけの全く異なる写真です。
何でも色々撮れれば、どんな写真でも良いという人が、どこかにいるの?
実は、こういう話を今でも聞きます・・・。温帯メインだから60mmが良いと勧められて、買ったけど・・・
●ボケない・・・
●オドリハゼが大きく綺麗に撮れない・・・
●アオギハゼが大きく綺麗に撮れない・・・
●ベニハゼが大きく綺麗に撮れない・・・
60mmレンズを買っておいて、この不満言われても困るのです〜〜ボケないなんて当たり前じゃん〜〜としか言えない・・・。
逆も同じなのですが、逆の悲しい話は余り聞きません。なぜならば100mmを買う前に大きなものは撮れないよ〜と言われている人が多いからだと思います。覚悟して買うからです。
●温帯であろうと、熱帯であろうと、ボケないレンズはボケないです。
●温帯であろうと、熱帯であろうと、画角は変わりません。
温帯だからと言って無条件に60mmを勧める昭和の人の考え方が古いのです。
そして今もなお、犠牲者が出てきてしまうのです。
それでは誤解を受けた60mmレンズも可哀想です。
まぁ、今これを読んでいて、今から初めてレンズを買う人もいないでしょう〜〜
どこかで『温帯なら60mm、熱帯なら100mm』この昔話を耳にしたら・・・
犠牲者が出そうになっていたら・・・
『ボケないよ〜小さい泳ぐ魚は撮れないよ〜60mmはそういうレンズじゃないよ〜』
と、言って下さい。
間違った理由で買う人も買われる60mmレンズも可哀想です。
間違って買ってしまう人が60mm買っちゃうので、60mm買って不満を持つ人が多く、
100mm買う人は覚悟してるから不満を持つ人は少ないのです。
60mmレンズのせいではありません。
60mmは60mmとして使えばとても良いレンズです。
3mmのウミウシから20cmのウミウシまで、近い距離で綺麗に撮れるのは60mmレンズのおかげです。
3mmのウミウシと30cmのサザナミヤッコが撮れるのも60mmレンズのおかげです。
でもね・・・そういう人は・・・
温帯『でも』熱帯『でも』60mm買うのが良いのよ〜『なら』じゃなくてね〜
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