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カメラ・素子

水中マクロ写真では、フルサイズかAPS-Cのカメラ。マイクロフォーサーズ以下の素子は、お勧めしてません。


マイクロフォーサーズ規格がダメとは一言も言ってませんので誤解なく、良い所が沢山あるのは承知しています。お勧めしない理由はマイクロフォーサーズ+60mmマクロでは、被写界深度が深いからです。ボケないからです。

APS-Cもフルサイズに比べればボケません。しかしAPS-Cはボケないという不満を聞きません。僕自身APS-Cですが、特に不満はありません。
APS-Cのボケは、許容内だが、マイクロフォーサーズのボケは。さすがに不満、という感じでしょうか?
(真面目に言うとボケは焦点距離とか画角とかレンズの話が必要です。興味がある方はネットで探して。ここなど

マイクロフォーサイズの方は、ボケで楽しく遊ぶには、第四章 クローズアップレンズで書いたEXTRA BOKEHを利用して下さい。
●ぼかした写真に興味は無い。
●図鑑写真には適しています。
●ベラ・ハナダイ撮影には適しています。
●小さなカメラが良い。
●ワイドで機動性が欲しい。
このような人には、フルサイズよりもマイクロフォーサーズの方が適していると思います。

フルサイズ?APS-C?

画質
フルサイズは画質が良いカメラで、APS−Cは安いカメラと思われています。
しかし、素子サイズが変わると他にも様々な差があります。

  フルサイズ  APS-C 
画質 良い  悪い 
高感度特性 良い 悪い
AFなど付属機能 最新  高級機は最新
中級機はおさがり 
ボケ量 多い  少ない 
35mm換算
焦点距離
60mm
100mm
90mm
150mm 

ボケ量
トリミングしない方は別として、APS-Cは、ボケませんが、通常はあまり問題にはならない程度と思っています。

レンズの焦点距離(1)
同じレンズを使うと、画角が異なります。撮影に適した被写体のサイズが変わります。
APS-Cは、より小さいものが撮りやすく、フルサイズは大きめのものが撮りやすいです。

  35mm換算
焦点距離
最小被写体サイズ 最大被写体サイズ 
フルサイズ
100mmレンズ
100mm   1cm
3mm見えない?
ハナダイOK
ベラOK
10cm
 APS-C
100mmレンズ
 150mm  3mm〜5mm
OK
ハナダイ苦戦
ベラ苦戦
5〜7cm

トリミングして同じ素子サイズにすれば写る大きさは同じです。だから理論的に被写体を同じ大きさで撮れる画質は同じです。
しかし、やはりファインダー内で見える大きさが小さいとピントが見えないなどの実際の運用面でのデメリットがあります。
お客さんを見ていて、 
『フルサイズで3mmのシムランスを撮ると小さくてピントが来てるかどうかわからない。だからクローズアップレンズをつけて大きくして撮る。』という人が多いのも事実です。フルサイズ+クローズアップレンズよりも、APS-Cそのままの方が画質は良いので、これはせっかくのフルサイズがもったいない話です、本末転倒です。

『5mmのものを撮る代わりにハナダイは苦戦しても構わない』と、言えるならば、APS-Cを選ばれる方が良い選択だと思います。

APS−C+100mmでは、35mm換算焦点距離が150mmになります。ハナダイ・ベラには長すぎます。フルサイズ+100mmの方が良いでしょうね。

レンズの焦点距離(2)
同じ35mm換算焦点距離では、レンズの焦点距離が異なります。被写界深度が変わります。

  35mm換算
焦点距離
同じF値 同じ被写界深度
フルサイズ
100mmレンズ
100mm  被写界深度が浅い F値・大
 APS-C
60mmレンズ
 90mm  被写界深度が深い F値・小
マイクロフォーサーズ
50mmレンズ
100mm 被写界深度がさらに深い F値・さらに小

図鑑写真のように深い被写界深度が必要な写真ではフルサイズは不利です。同じ被写界深度のためにはF値を絞る必要があり、フラッシュ光量不足にもなりやすいです。

図鑑写真・ベラ・ハナダイのように近寄れない被写体の場合、フルサイズは不利です。図鑑写真はマイクロフォーサーズの方が有利です。

●APS-Cとフルサイズ、画質が良いだけじゃなく、自分の撮りたい被写体は何か?も考えて選んで下さいな。

レンズ

『温帯なら60mm、熱帯なら100mm。』これには断固反対。(閑話休題)

焦点距離の違うレンズを、同列で比べる事自体が意味わからん〜〜画角が違います。ボケ量が違います。撮れる写真が全く異なります。従って自分が撮りたい写真に合ったレンズを選びましょう。まず考える事は『あなたは何が撮りたいの?』です。

APS-Cかフルサイズで変わる項目もありますが、アバウトに比較  
  60mm 100mm 
ボケ ボケない  ボケる 
撮れるもの 大きいもの 小さいもの
撮れるもの・大 チョウチョウウオ
大き目ベラがOK
ハナダイまで10cm以下
撮れるもの・小 近寄らないと1cm撮れない  近寄らずに1cm撮れる
 画角 広い  狭い 
 最短撮影距離 約0.2m   約0.3m
 最大撮影倍率 1/2〜1倍   1倍 

『60mmも100mmも最大撮影倍率は、1倍で同じだから、60mmでも近寄れば小さいものも撮れるから良いんだ』
『60mmは近寄らないと撮影倍率1倍で撮れないから、小さい被写体では結局役立たずだ。』
これは同じ内容です。
ウミウシ撮ってると最初の感想になり、ルリホシスズメダイの超幼魚を撮ってると2番目の感想になります。言葉に惑わされないで〜

実は「近寄れば撮れる」と「近寄らないと撮れない」は同じ意味です。そしてここで言われる「近寄る」は30cmから20cmへという至近距離です。実はこれは撮影に圧倒的に不利です。魚は逃げます、引っ込みます、反対向きます。光軸間角度は飛躍的に大きくなります。
綺麗に撮りたいならば100cmから80cmへは、近寄らないといけないのです。しかし、30cmから20cmへは近寄らない方が良いのです。綺麗に撮るためには適した程々の撮影距離があるのです。
60mmは何でも撮れて万能だ〜〜的な考えには僕は断固反対です。60mmは、60mmが得意な事で選んであげて下さい。

『通常の撮影では60mmレンズは、100mmレンズに比べて、小さい被写体は不利で、大きい被写体には有利です。画角が違うレンズだからです。ただし、非常に近寄れる被写体に限っては100mmレンズと同じくらい小さいものが撮れます。ただし光軸間角度は大きくなり光の回りは悪くなります。』この位が公平な書き方ではないでしょうか?

60mmと100mmでは画角が違うので撮れるものの大きさが違う。ボケ量も違う。
レンズは、撮りたい被写体・撮りたい絵コンテで選択するべし。
流行りのボケたユルフワ系写真を撮りたければ100mm

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