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ガラ場から再び樹林帯に入る。
但し、この頃から樹林帯の中でも、樹林越しに時折展望を得られることが多くなり、登りも楽しくなる。
奥穂高岳方面が時々見え、振り返れば、
六百山の後方にある霞沢岳が徐々にその高さを上げて六百山を追い抜こうとしている。
また、乗鞍岳は勿論のこと、
その右手には徐々に焼岳の姿も見える様になり、
ついには焼岳の頂上を含む左半分が完全に見えるようになったのだった。
そして、8時12分には小屋見峠に到着。その名の通り、
前方には岳沢小屋の赤い屋根がガレ場の向こうに見えてきたのだった。 |
ガレ場を横切って右岸に渡り、
そこから樹林の中を少し登れば岳沢小屋である。時刻は 8時20分。
ここでトイレを借りた後、握り飯を食べながら暫し休憩。
小屋前のテラスからは完全に六百山を追い越した霞沢岳、
そして頂上に雲が掛かり始めた乗鞍岳、
そしてこちらもガスが掛かって頂上が隠れてしまっている焼岳が見える。
また、西側の山並みを見やれば、大きな天狗岩の左に間ノ岳、
そして西穂高岳が続き、
さらには西穂独標も見える。
本日 晴天になったことを心より嬉しく思う。
8時44分に小屋を出発する。 | |
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再びガレ場を横断し、テント場の中を登る。
ガレ場の上方を見やれば、大きな雪渓と、その後方に吊尾根と思しき稜線が見える。
道の方は最終的にその吊尾根を通るのだが、一旦 右 (東) の方に進んでいくことになる。
雪渓を横切って草付きのジグザグ道へと向かって登る。 |
前回はこの辺で雪というか
霰 (あられ) のようなものが降りだし、
数人の先行者が撤退を決めて戻ってきたのだった。
今日は快晴、奥穂高岳の姿も良く見え、前回とはテンションが全く違う。
ジグザグに登りながら高度を上げていく。下方を見やれば、岳沢小屋の赤い屋根が小さく見える。
さらに後方を見ると、焼岳、
そして霞沢岳はその姿をまだハッキリ見せてくれているが、
乗鞍岳の方は最早
完全に雲に頂上部分を占拠されてしまっている。 | |
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しかし、目指す奥穂高岳方面はまだ雲一つ見えない。
また、西穂高岳 (写真 中央 左)を中心とした稜線もよく見える。
このままの天候が続いてくれることを祈るばかりである。
やがて、見覚えのある狭い岩の間をすり抜けると、
長い鉄梯子が現れた。時刻は 9時17分。
先行者が居たので、少し梯子の下で待つ。ここまであまり混んでいなかったのだが、
この先 結構先行者が居るようである。
さらにジグザグの登りを続け、木の短い梯子を登り、岩場の所で 3人を抜かせてもらう。 |
ここまで登山道上にあまり人が居なかったので、
マイペースで登って来られたが、鉄梯子以降は結構 先行者が居り、また、
その人達が抜かせてくれるので、逆にサッサと抜かないと悪いような気がして
急ぐため、ペースが少々乱れる。
ジグザグに登り続け、登り着いた小さな高台がカモシカ立場。
時刻は 9時31分。
前回は激しくなった雪にここで引き返したのだったが、カモシカ立場と書かれた岩が雪で覆われていたため、
この場所がカモシカ立場という確信が今ひとつ持てなかったのだった。しかし、
本日 岩に書かれた白い文字を見て正しかったことを確認する。
ここには多くに人が憩っており、小生もノドを潤す。岳沢方面を見れば、
今までよく見えなかった焼岳の右半分が
見える様になってきている。 | |