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そして、6時1分に涸沢岳頂上に到着。
360度の大展望と言いたいところであるが、周辺にはガスが流れ、ほとんど展望は得られない。
辛うじて笠ヶ岳の姿が見えたものの、
中腹で見た時よりもコンディションが悪く、しかもその頂上付近はガスで覆われていたのであった。
こんな状態では長居は無用ということで、6時4分、北穂高岳を目指して先に進む。 |
何も見えない状況だったが、
少し進むと薄いベールの先に槍ヶ岳が見えてきた。
そしてガスはさらに流れ、徐々に槍ヶ岳がハッキリとその姿を現してくれたのだった。
登山道の方は岩場の急斜面の下りに入る。V字型に割れた岩の間を鎖を使って下る。
その後も鎖場は続く。鎖場は長く、また、垂直に下ったかと思うと、カニの横バイではないが、鎖を掴みながらの横移動になったりする。
ガスの方は濃くなったり、薄くなったりの繰り返し。時々目指す北穂高岳が見える。
そして槍ヶ岳。いつかもう一度あの頂上に立ちたいものである。 | |
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反対側を見れば、前穂高岳、そしてそこから派生する北尾根の連なりが見える。やはり素晴らしい。
下りが続くが、下り一辺倒ではなく、途中途中に鞍部 (コル) があり、
ホッとさせられる。道は厳しいがそれ程難易度は高くない。
それでも初めてのルート、そして急な岩場 故、少し緊張しているようだ。
鞍部にはそれぞれ 『 オダマキのコル 』、『 D沢のコル 』 等
名前が付いているようだが、そこに標柱がある訳でも無く、ここがどの辺なのかは全く分かっていない。 |
見上げれば、
先程 数分を過ごした涸沢岳頂上が見える。
悔しいことにその後方には青空が広がっている。時刻は 6時13分なので、12分程の違いで大魚を逃したことになる。
しかし、それにしても凄い絶壁である。ルートはもっと右の方にあり、
今見えている岩壁を直接下ってきたのではないが、そちらも迫力ある岩場であったことは間違いない。 | |
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涸沢岳頂上での展望は逃したものの、槍ヶ岳
の姿をこの縦走路からも見ることができたので良しとしたい。
と、思っていたら、数分の間に槍ヶ岳の姿は根元から消えてしまったのだった。
なかなか面白い現象・光景である。これは吉兆か ?
なお、下の文字にカーソルを当てると、
ガスで消えた槍ヶ岳の写真が表示されます。但し、ActiveX コントロールの実行を許可して下さい。
槍ヶ岳 1
槍ヶ岳 2
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恐らく D沢のコルと思われる場所を通過する。
残雪の向こうに前穂高岳が見える。
ここから涸沢槍を登る。涸沢槍は涸沢から見上げると正に槍ヶ岳のような鋭い鋭峰であるが、
傍で見るとそれ程の鋭峰ではなく、山頂部は 2つに分かれている。道はその間を進む。
振り返れば、涸沢岳 (写真 左)とともに、今下ってきた岩壁のような斜面が見える。
北穂高岳側から縦走した場合、最後にこの岩壁が立ちはだかることになる訳で、涸沢岳側から縦走する方がずっと楽ではないかと思う。
それにしても よくもまあこんな所を下ってきたものである。途中で擦れ違った方が、
よじ登っているのが見える (赤いウェア)。 | |