念丈岳 ( 念丈岳:2,290.7m ) 2012.11.10 登山



【PHOTO & 記録 念丈岳 6】

やがて周囲に立ち枯れが目立ち始め、その向こう側に目指す念丈岳が見える。
かなり近づいてきたと思うが、目の前の斜面を登る作業が待っていると思うと、少し億劫さを感じる。
立ち枯れの林の中を進んでいく。この辺の雰囲気は南アルプス 不動岳丸盆岳のようである。
立ち枯れ、そして樹林を抜けると、目の前に念丈岳が見通せるようになる。後は斜面を登り切るだけである。
左手には、越百山から安平路山へと続く稜線がだいぶ近くに見えるようになってきている。もう少しである。

6分程登ればザレ場がまた現れる。ここには 『 岡戸頭 』 と書かれた標示板がある。
ザレ場の縁を進み、少し登って振り返れば、安平路山がよく見える。なかなか立派な山容である。

このザレ場を過ぎてからは急登となる。トラロープも備わっているが、登りの際はあまり使う必要はない (ただ、 刈られたササで足が滑りやすいので、念のために握っていた)
下りの際には、刈られたササで足を滑らせれば、そのまま勢いがついてザレ場から谷へと落ちてしまうような恐怖を覚えたので、 このロープが安心を与えてくれる。

途中からササ原の斜面が続くようになる。
足下のササは刈られているものの、刈られたササが道の上に堆積しているので、歩きにくい。しかし、文句は言えまい。
またまた、立ち枯れの中を登る。振り返れば、大島山が下に見え、山頂直下の崩壊地がよく目立つ。
やがて傾斜は緩やかになるが、逆に足下はササ、シャクナゲ、ハイマツなどで煩くなり、歩きにくい。ササ刈りを行われた方々も、 シャクナゲやハイマツは切る訳にはいかなかったのであろう。
それらの木々にズボンを引っかけられながら進むと、先の方に標柱が見えてきた。念丈岳頂上である。
頂上到着は 11時42分。登山口から 5時間強であった。

頂上には三等三角点の他、下から見えた標柱が立っているが、これは最近、 本高森山に打ち捨てられていた古い標柱を 念丈岳まで運んで立てたものである (ヤマレコに記録あり)。運んだのは、 このルートのササ刈りをされた方々。何から何まで本当に頭が下がる。
当然、標柱には念丈岳の名は書かれていない。念丈岳と書かれたものは、灌木に付けられた小さな木彫りの標識のみである。
誰も居ない頂上で展望を楽しむ。この念丈岳は周囲に背の高い木がないので、展望は 360度。
まず目が行くのは、本日始めてその姿を見る御嶽。 越百山から安平路山へと続く主脈の後方に、白い姿を見せている。
雪が白く輝き、少々見にくいが、剣ヶ峰、継子岳はよく分かる。

御嶽 からずっと右の方に目をやれば、越百山、南駒ヶ岳、仙涯嶺の姿が見える。
先程も述べたように、ズングリムックリの山は越百山ではなく南越百山で、越百山はその南越百山の頂上 左後方に見える白い部分である (と思う)
また、南駒ヶ岳は先程述べた通り、一番後方の高み (写真 真ん中)。そしてその右に見える立派な高みには名前がなく、 その右の尖塔が仙涯嶺と思われる。
特徴的な形をした田切山も仙涯嶺の右に見えているが、仙涯嶺からの稜線がせり上がってきた分、 大島山直下から見た時ほどのインパクトはなくなっている。

また、越百山、南越百山−安平路山を結ぶ稜線に目を戻せば、 写真のように、左側に見える高みの斜面に登山道のようなものが見える。
よく見ると、こちらからその高みまでの間にも、所々に道らしきものが見えている。ということは、あの高みは奥念丈岳ということになると思われる。

この念丈岳から奥念丈岳までは、ササ原の藪漕ぎと聞いているが、このように明瞭な道が見えるということは、 こちらもササの刈り払いがなされたということであろうか。ちょっと行ってみたい気分になる。
なお、主脈稜線の後方に見えている高みは、福栃山 (地図上にその名前はないが、この福栃山と越百山の鞍部に越百小屋がある) であろうか。


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