念丈岳 ( 念丈岳:2,290.7m ) 2012.11.10 登山



【PHOTO & 記録 念丈岳 3】

樹林の中を暫く進むと、再びササ原の斜面が待っている。
腰ほどの高さのササ原の中に道がしっかりつけられており、安平路山のようにササを漕ぐ必要は全くない。 手入れをしてくれた方々に感謝である。

斜面をジグザグに登っていく途中、前方左手のササの中に 動物に似た倒木が見えた。 頭、胴体など本物そっくりだなと思いながら側を通ると、何とその倒木には目もついており、視線が合う。そして、その途端に 灰色の毛を持った本物のカモシカであることに気がついた。
驚いて思わず声を上げてしまったため、カモシカには走り去られてしまい、写真に撮ることができなかったのが悔やまれる。
この他、何回かササの斜面などでガサゴソとした音を聞いた。あまり人が入らない地域なので、 動物は結構いると思われる。

高度を上げて振り返れば、南アルプス南部、深南部の山々が見える。
目立つのは双耳峰である池口岳。その左には加加森山、 光岳、イザルヶ岳が続く (一部 推測)
池口岳の右はあまり定かではないが、中尾根山、不動岳、 そして黒法師岳かもしれない。
さらに右には恵那山が見え、 先程よく見えた安平路山は、 大島山から派生している尾根に やや隠れ気味である。

やがて、大きなガレ場の横を通過する。
白くザレているので、やはり花崗岩であろう。かなり風化が進んでいるようで、コアストーンが露出しているようにも見える。

振り返れば、先程は木々に遮られて光岳 から池口岳辺りしか見えなかった南アルプスの山々が、 かなりの広範囲で見えるようになっている。
左は荒川東岳 (悪沢岳) から始まり、 荒川中岳、前岳、小赤石岳、赤石岳聖岳、 上河内岳、茶臼岳と続き、そして先程見えたイザルヶ岳、光岳、加加森山、池口岳へ連なる峰々は素晴らしい。
池口岳の右の方には黒法師岳も見ることができる。

さらにササの斜面を登っていけば、 先程 大島山から派生する尾根に隠れ気味だった 安平路山が、 再びその姿を大きく見せ始めている。
登り着いた所に 『 五雄頭 』 の標示板。時刻は 9時57分。
ここでふと気がついた。先程から 『 里美平 』『 幸の丘 』『 浅井窪 』『 五雄頭 』 といった標示板のある場所を通過してきたが、どうもこれらの名前は その場所の特徴や沢の源頭を示しているのではなく、 人の名前らしい ということである。
想像するに、上澤氏とともにこの上澤新道の整備に尽力された方々のお名前ではないかと思われる。
命名はコース整備された方々の特権であると思うが、こうあまりにも場所のイメージとは無関係な名前が出てくると、失礼ながら少し興ざめである。

やがて少し下りとなり、下り着いた所に 『 清水平 』 の標示板がある。 時刻は 10時丁度。
ここにはテントを張れるスペースもあり、さらには水場もあるようだ。
この清水平からは、再びササ原の斜面を登っていくことになる。
ジグザグに斜面を登る。
上空には青空が広がっており、日差しも暖かく気持ちが良い。
今朝ほど強く吹いていた風は、今は収まり、何の憂いもなく登っていくことができる。
また、周囲には立ち枯れの木々なども見られ、南アルプス深南部の山を彷彿させる。

やがて、急斜面だった登りも徐々に緩やかになり、足下のササも少なくなって、 周囲には立ち枯れや、折れた木々の根元が残る場所に登り着く。
もしやと思って周囲を見回すと、奥の木に 大島山と彫られた小さな標識がつけられているのが見つかった。時刻は 10時12分。

雲一つ無い晴天の下、ポカポカ陽気の中、時間が許せば草の上に寝転がって昼寝をしたい気分にさせられる、そんな雰囲気の良い場所である。
正面の安平路山を見ながら大休止とする。


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