不動岳( 不動岳:2,171.3m ) 2010.6.5 登山



【PHOTO & 記録 不動岳 1】

5月8日の黒法師岳以来、 1ヶ月近く山に行っていなかったが、6月最初の土曜日である 6月5日、ようやく山に行ける状況が整った。
前日になってどこの山に登ろうかと慌てるような愚は避けたいと思い、この頃は 登るべき山のリストを常日頃から頭の中に持っておくよう心懸けているが、 そのリストの山と 6月5日の地区別の天気予報を併せて考えると、どうも またまた南アルプス深南部にせざるをえなくなったようだ。
つまり、先日登った黒法師岳のそばにある不動岳である。「せざるをえなくなった」 という言い方は、 あまり積極性のない、渋々行くという感じがあるが、不動岳自体は是非とも登りたい山なのである。特に、手前にある鹿ノ平は山上の楽園と呼ばれており、 黒法師岳とバラ谷の頭の間にある黒バラ平が素晴らしかっただけに鹿ノ平への期待が膨らみ、何としてもその地に立ちたいと非常に強く思っているのである。
しかしである、連続して同じ地域の山に行きたくなることは小生にとって良くあるものの、同じ南アルプス深南部の黒法師岳に登ったばかりの状況下、 この不動岳だけはすぐに登りたいと思っていなかったのである。
というのは、不動岳の登山口は黒法師岳登山口の近くにあり (戸中山林道を更に 15分ほど進んだところにある)、 またもや 1時間以上の林道歩きを行うのが心理的にイヤだったからである。加えて、そこまでの車の運転は 4時間も掛かり、 また 水窪 (みさくぼ) ダムからの道路状態があまり宜しくないこと (道を塞ぐいくつもの大きな水溜まり、 崖からの落石、道路に散乱した岩が尖っていてパンクの危険性 etc.)、そして下山後の疲れた体での 4時間の運転 等々。
山は素晴らしいものの、あまりにも遠い地なので連続して登るのは どうも気が進まず、不動岳に登る前にいくつかの他地域の山を間に挟みたいというのが本音だったのである。
しかし、小生が今一番行きたいと思っている山の地域の天気予報は、午後が曇り、しかも雨まで降る予報も出ている。 一方、快晴が期待できそうなのは、この不動岳がある浜松市天竜区のみ。そうなると、晴天の下での登山がやはり一番であることから、 急遽不動岳に行くことにしたのであった。

ガイドブックによれば、不動岳は登山口から頂上まで 4時間15分かかることになっており、 同じく黒法師岳は、登山口から 2時間45分となっている。小生はそこにバラ谷の頭往復を加えたところ、出発地に帰り着いたのが 17時近くになったことを踏まえると、 黒法師岳と同じように 4時少し前に家を出たのでは少々スケジュールがキツくなることが考えられる。 そのため、2時半に起床。横浜の家を 3時5分に出発したのであった。
横浜ICから東名高速道にて浜松ICまで進み、そこから笠井街道を北上し、途中で秋葉街道 (国道152号線) に入って水窪町へ。 水窪町からは秋葉街道を離れ、細い山道を進んで水窪ダムを目指す。
一度通った道なので、水窪ダムまで 全く迷うことなく進み、6時27分に水窪ダムに到着。そこからの戸中山林道の状態は相変わらずで、 水溜まりの規模は小さくなったものの、いくつもの水溜まりが車を汚し、落石が道路に散乱していて、気を遣いながらのドライブであった。
ただ、前回と大きく違うのは、道に新しい轍の跡がいくつもついていたこと。先日の黒法師岳の時は、小生の車も含めて 2台だけだったのに (登山者も合計 2人)、 今回は 4、5台の車が 先行しているようである。
慎重に車を運転して、戸中山林道ゲート前に着いたのは 6時53分。思った通り、ゲート前には 5台の車が駐まっていた。浜松ナンバー、 豊田ナンバーに混じって、小生と同じ横浜ナンバーの車が駐まっていたのには少々ビックリ。全員が黒法師岳か、不動岳を目指していると思うが、 もしかしたら釣り人もいるのかもしれない。
身支度をして、6時57分に出発する。


ゲート脇を抜け、左に水窪森林事務所の建物を見ながら右の林道を進む。左に分かれる道は河原に下り、そのまま西俣沢沿いに進むようだ。 こちらの林道は東俣沢沿いに進むこととなり、左側下方に沢、右側が斜面という状況がずっと続く。
林道歩きは相変わらず長く感じるが、一度往復しているのでペースは掴みやすい。
そして、8時10分に黒法師岳登山口に到着。 不動岳登山口はさらに先である。
暫く進むと、道は大きく Uの字に曲がるようになる。葵沢を渡った向こうに休憩小屋が見える。不動岳登山口も近いようだ。

手元の 『 新・分県登山ガイド 静岡県の山 』では、 黒法師岳往復の後、 この休憩小屋に 1泊して不動岳登山を推奨しているが、小屋は扉も壊れて荒れており、とても 1泊という状況ではない。 しっかり、現場を確認した上での記述なのだろうか。

そして、8時23分に不動岳登山口に到着。写真のように斜面をジグザグに横切る登山道が見える。
登山口の標柱の向かい側は、小広い広場になっており、先程の休憩小屋に泊まるよりは、ここでのテント泊の方が推奨できる。 水場は小屋のそば、林道沿いにある。
なお、広場の端にあった標示板の柱にマウンテンバイクが駐められていた。 やはりこの不動岳にも先行者がいるようだ。

斜面にジグザグに付けられた道を登る。斜面自体が急である上に、土が軟らかく、おまけに斜面の削り方が浅いので、足下は崩れやすく、 登り始めから暫くは注意が必要である。
ここで、今日のコンディションがあまり良くないことに気がついた。左足首が痛いのである。 先日の黒法師岳登山の時、 足をひねったらしく、その時は気づかなかったものの、家に帰ってから少々痛み出したのであった。しかし、その後 1ヶ月経って、 普段の生活では何の支障もなく、もう直ったかと思っていたのだが、本日 急斜面を登ると足首が痛く、踏ん張りが利かないのである。 これには参った。 一応登ってはいけるが、この状態が悪化したら困ったことになる。痛いのを我慢しながら登る。

周囲は自然林から、ヒノキの植林帯へと変わる。 急斜面に作られた道をジグザグに登っていく。周囲には切られたばかりのヒノキの切り株が見られるとともに、 切断の際に出る木の粉が散乱しており、最近も作業が行われていることが分かる。
そして、尾根に登り着くと、写真のような運搬用のモノレールと作業小屋が現れた。時刻は 8時45分。小屋の向こう側に見える斜面はかなり崩れているようである。
ここで靴を脱ぎ、念のために持参していた足首用のサポーターを痛い左足に履く。かなりきつく足首が固定されたので、何とかダイジョブそうである。 そしてその後は、足首に鈍痛はあるものの、何とか我慢できる程度になったのだった。

憂いがある程度解消され、少し気が楽になる。
作業小屋のある尾根から、道は尾根上をほぼ直線的に登ることになる。傾斜は急な斜面と緩やかな斜面が交互に現れるので、それほど苦痛ではない。
道は明瞭に踏まれているが、所々で足下のササが煩く、道が少し荒れ気味のところもある。但し、テープ類がかなり短い間隔で付けられており、 迷うことはない。
ありがたいことに足の方は大分良くなってきた。備えの重要性を再認識するとともに、 テーピング (今回の場合は サポーターだが・・・) の効果を初めて実感したのだった。 今後は、万一に備え、テーピングテープを持参することにしよう。

やがて道は、平らな場所に飛び出す。 平らなだけに、踏み跡らしきものが沢山あるが、テープ類を見落とさなければ問題ない。周囲には大きな木が目立つ。
暫くすると、道は平らな場所を離れ、右側の高み (というよりは土手状の高み) を登ることになるが、 ここでも道は緩やかな登りなので、足が進む。
徐々に足下のスズタケが煩くなってくる中、石に囲まれた標石が現れた。そばの木には 『 空中写真測量図根点見出標 』 と書かれた標識が付けられている。 となると、ここが 1,424mなのかもしれない。国土地理院のホームページからダウンロードした 2万五千分の1の地図では、 1,424mと少数点以下が書かれていない。写真測量によるものは正確性の観点からそうするらしく、まさにここがそうであろう。 時刻は 9時21分。



不動岳登山データ

上記登山のデータ登山日:2010.6.05 天候:晴時々曇り単独行日帰り
登山路:戸中山林道ゲート前−不動岳登山口−1,424m図根点−1,863mガレ場−鎌崩の頭− 鹿ノ平−不動岳−鹿ノ平−鎌崩の頭−1,863mガレ場−1,424m図根点−不動岳登山口−戸中山林道ゲート前
交通往路:瀬谷−横浜IC−(東名高速道)−浜松IC−(笠井街道)−国道152号線(秋葉街道) −水窪−水窪ダム−戸中林道ゲート (車にて)
交通復路:戸中林道ゲート−水窪ダム−水窪−国道152号線(秋葉街道)−(笠井街道)−浜松IC −(東名高速道)−横浜IC−瀬谷 (車にて)

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