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一応道らしき所を進み、途中から左の高みを目指してササの伸びた中を進む。途中 再び道らしきものがあったので辿っていくとヌタ場らしきところで道は切れてしまった。
獣道だったらしい。ヌタ場を迂回してササの中を強引に進む。
先に、鎌崩の頭からの下り斜面で全体が見渡せたので、不動岳に登るには左の高みから不動岳の斜面を目指すことが分かっており、
さらに現在もどちらの方向に進むかが目視できるので、迷うことはない。そしてササ原が多く、木々の密度が低いのが助かる。しかし、
これがガスの中だったらやはり正確な地図とコンパスが必要と思う。
やがて、写真のような所に飛び出し、ここでテープを確認する。 |
ここからは右に曲がり、テープを辿る。
足下のササ原の中にも道らしきものが見える。
やがて、平らな土手のようになった場所を進むようになる。
土手の上にはツガだろうかトウヒだろうか、木々が生えており、右側は緩やかなササ原の斜面になっている。その斜面の下の方に 2つほど砂地らしきものが見える。
恐らくヌタ場と思われるが、緑の中、遠目にはゴルフ場のバンカーのようである。
やがて前方にはスクリーム マスクのような枯れ木が現れた。この木にも小さなテープが付けられている。 | |
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上述したように、テープを探しながら進むが、ササが煩く、テープを辿ることが必ずしも最良の道とは言えない状況である。
臨機応変に最良のルートを探しながら進む。
しかし、これも天気が良く、周囲が見渡せるからできることで、雲が広がり始めてはいるものの、本日の天候に感謝である。
辿る道も少しずつ傾斜がつきだし、周囲に立ち枯れの木が目立ち始める。
いよいよ不動岳への登りに掛かるらしい。この辺になると、尾根は幅を狭め、迷うことはない。
少し高度を上げて振り向けば、鎌崩の頭の左に前黒法師岳が見えるが、
そのほとんどが雲に覆われてしまっている。 |
完全な登り斜面に変わると、
周囲のササは低くなり始める。相変わらずササの上に踏み跡はいくつも見られるものの、もう歩くのに苦労することはない。
周囲はほとんどが立ち枯れの木々となり、生きている木々はまばらである。まさに木の墓場という感じで、立ち枯れの木自体が墓標のようだ。
斜面も傾斜角度が増してくる。高度を上げて振り返れば、登り来たりし斜面の向こうに鎌崩の頭が見え、その左には斜面のガレが痛々しい丸盆岳が見える。
鎌崩の頭と丸盆岳の間には、黒法師岳が少しだけ姿を見せており、
鎌崩の頭の右側にはバラ谷の頭の一部を見ることができる。バラ谷の頭の右にうっすらと見える山は
前黒法師山 (岳ではない) のようだ。 | |
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さらに高度を上げていくと、尾根も狭くなり、いくつかあった道も 1本に集約されてくる。
周囲は完全に木の墓場。黒法師岳の登山記録でも書いたが、
こういった立ち枯れ現象は、日光の根名草山に登った時や
北八ヶ岳の雨池山、縞枯山でも見ることができたが、
いずれの山も立ち枯れの木の周囲には次の世代を担う若木が生えていた。しかし、ここは全くそれが見られない。
ただ、不動岳の斜面右側を見ると、まだまだ緑の木々が見える。北風が吹き抜ける部分だけに 立ち枯れが起こっているようにも見える。
イヤ、生きている木の枝の向きを見ると、南風にいじめられているようである。 |
傾斜は急で、先程ササ原で苦労したためか、
さすがに少々疲れてきた。
しかし、先を見ると、斜面に 1本だけ立っている大きな木の先に左側の斜面と右側の斜面が合わさった三角形が見え、
その頂点には黒法師岳でも見た黒い標柱が立っているのが見える。
頂上はもうすぐである。
そして、12時34分、不動岳の頂上に到着したのだった。
頂上は、まさにピークというに相応しい状況で、四方八方に広がる斜面の集約点になっていて、かなり狭い。そして、そこには 2種類の立派な標柱が立てられており、
三等三角点も置かれている。 | |
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また、登ってきた斜面の反対側や右側には、ツガやモミだろうか、それともトウヒだろうか、緑の木々が密生しており、登ってきた斜面とは対照的である。
頂上からの展望は当然良いが、北側は樹林が高く展望が利かない。ただ、もっと頂上から北に進むとさらに展望の良い場所があるらしい。
それを知ったのは下山後で、その時は頂上から先に 1歩も進まなかったのだった。負け惜しみを言わせてもらえば、北の方は雲が多く、
恐らくほとんど展望を得られなかったことと思う。写真は、頂上から見た池口岳の双耳峰。池口岳の手前に並ぶコブ (4つあるらしい) は合致山ということになる。
池口岳の左に飛び出た山は鶏冠山かもしれない。 |