笠ヶ岳 ( 笠ヶ岳:2,897.8m ) 2014.9.9-10 登山



【PHOTO & 記録 笠ヶ岳 5】

 

尾根上の道は結構起伏があり、気落ちしている身にとってはかなり応える。
それでも黙々と進んで行くと、途中で下山者と擦れ違う。
今朝ほど、樹林帯にて長谷川ピークを見た際に追い抜いていった若者である。早い。
この時間なら十分下山可能であろうから、かなりのスピードでの日帰りピストン登山ということになる。しかも、 頂上付近までは天候も良かったに違いなく、羨ましい限りである。

やがて抜戸岩を通過。時刻は 12時56分。
本来なら、この岩の間から笠ヶ岳や 小笠が見えるはずなのにと思いながら進む。

暗闇を手探りで進むような感じを持ちつつ登っていくと、 やがて写真のように、板で岩屑を堰き止めて作られた階段が現れる。これは笠ヶ岳山荘も近いと思われたのだが、それからも結構長かった。
階段を昇ってさらに進むと、大きな岩に 『 ガンバ 』 の白文字。そして道はテント場へと入る。

今度こそ笠ヶ岳山荘も近いであろうと思ったのだが、 テント場は小屋よりも 50m程低い位置にあり、そのためテント場を過ぎてもまだまだ登りが続く。
かなり疲れる。

写真のような、岩が重なっている場所を白ペンキを頼りに登る。
テント場を過ぎても笠ヶ岳山荘は現れず、さらに先の方がガスで見えないので、本当に肉体的、精神的に疲れる。
それでも、やがて岩が重なる中に石畳のように整備された道が現れ、そこを辿って登っていくと笠ヶ岳山荘であった。 時刻は 13時33分。

山荘前にある大ベンチにて休憩した後、 そのままそこにザックを置いて笠ヶ岳を目指す。
無論、本来ならば山荘前から見えるはずの笠ヶ岳はガスの中であるし、 そうなれば当然 頂上からの視界もゼロであろう。
しかし、明日 もう一度登るつもりではあるものの、明日も同じ状況かも知れず、登れる時に登っておかないと後悔すると思って頂上へと進む。

先程 テント場を抜けた後と同じように、 岩が累々と積み重なっている道を進む。ガスの中で視界は 15mほどであるが、岩に付けられたペンキ印により迷うことはない。

写真のように岩が積み上げられた斜面を登っていくのだが、 このような状態が頂上まで続く。
普通、頂上付近は岩峰や、土と岩屑が混ざった地表が多いが、ここは岩が積み上がってできており、 土自体を踏むような場所は少ない。
そのため、周囲がほとんど見えない中、この積み上がった岩を取り除いたならば、 実際はかなり低くなるのではないか (地肌はかなり下の方なのではないのか)、 逆に言えば、神様がもう少し岩を積み重ねていれば、標高が 2,900mや 3,000mの大台に達したのに などとつまらないことを考えながら登る。

頂上の手前、祠のある場所には 13時51分に到着する。

笠ヶ岳は 円空上人が初登頂して開山したものの、その後 忘れられていた状態にあったところを、播隆上人が再興したとのことである。
再興に際し、その播隆上人が石仏を山頂に奉納したとのことであるが、今でもその流れを汲んで、 この三方を岩で囲んである祠の中には 銅製の仏像が安置されているとのことである。

祠のある場所から左に進めば、 三角点のある笠ヶ岳頂上である。 到着時刻は 13時53分。
頂上はかなりシンプルで、かなり地面から露出している二等三角点の他、三角点の傍らに 『 笠ヶ岳 』 と書かれた板が 1枚置いてあるだけであった。
記憶では、三角点はもっと岩に埋もれており、また周囲にはケルンがいくつも積まれていたような気がするが、整備されたようである。 個人的にはこのようにシンプルな頂上の方が好みである。

やはり頂上もガスに囲まれていて何も見えないため、 明日に希望を託してすぐに下山する。

笠ヶ岳山荘にて受付を済ませ、宿泊。登山靴の数を数えた限りでは、 この日の宿泊者は 27名であった。



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