笠ヶ岳 ( 笠ヶ岳:2,897.8m ) 2014.9.9-10 登山



【PHOTO & 記録 笠ヶ岳 12】

 

水場を過ぎてからもササ原の斜面の下りは続く。
結局、水場から 20分以上も下って、漸くササ原が終わりとなり、そこからは樹林帯の中の下りとなる。

途中から、登山道脇に写真のようなレトロな標識を見るようになる。
かつては、この厳しいコースを登りに使う人が多かったのだろうか。

それにしても、この樹林帯の中の下りも長い。
前方に 小さな高みが見え隠れするのだが、下っても、下っても、なかなかこちらの高さはその高みよりも低くならない。 疲れている身体には辛い。

やがて、単調な下りにも変化が現れるようになる。
まずは小さな沢を横切り、その後 涸れ沢を横切ると、やがて道はクリヤ谷の流れに沿って左岸を下るようになる。
しばらく左岸沿いを下っていくが、道は一旦右岸へと渡ることになる (写真)。水量は結構あるものの、 この辺は岩伝いに容易に渡ることができる。
また、ピンクテープもしっかり付けられているので、迷うことはない。

右岸を暫く歩いた後、道は再び左岸へと渡り返す。
その手前にあった岩室には、テントが張られていた。錫杖岳 (前衛フェースなど) に挑むクライマーであろうか。

その前衛フェースがこの写真。
垂直にそそり立つ岩壁がクライマーの登攀意欲を刺激するのであろう。

クリヤ谷左岸へ渡り返した後は、比較的歩きやすい道が続く。
このまま最後の渡渉点まで行くのかと思ったが、それ程甘くなかった。
道は傾斜が急になるとともに、泥濘んだ箇所もあり、さらには足下に大きな岩がゴロゴロした所もあって、 疲れた身体にはかなりしんどい。

それでも漸く最後の水場と思しき場所に到着。
ここの水量は今までになく多く、流れも急である。
写真の場所からもう少し右に進み、濡れた岩の上を伝って中洲へと渡る。
続いて右岸への渡渉があるが、ここはテープが見える場所より 少しだけ上流の方に渡る。

この沢を渡ると、あとは普通の山道が続くようになるが、 くたびれた身体には普通の斜面の下りも辛い。

周囲に杉の木が多く見られるようになると、やがて小さな平坦地に出る。
ここで暫し休憩。
その平坦地から右斜め下に下っていくと、暫くして、左手 樹林越しの下方に槍見温泉の屋根が見え隠れし始める。
長かった下りも漸く終わりのようである。ホッとする。

登山口に下り立ったのは 14時15分。本当に長い下りであり、くたびれた。

しかし未だ終わりではない。ここから駐車場まで 2km強の車道歩きが待っている。
ただ、登山口近くで追い抜かれたトレランの青年と一緒に話をしながら車道を戻ったので、 この緩やかな車道の登りも全く苦痛ではなかったのだった。
出会いに感謝。

駐車場到着は 14時53分。本当に長い下山路であった。

今回は笠ヶ岳を 山中 1泊にて挑戦。
もっと早朝に出発すれば、笠新道のピストン日帰り登山も可能だったのかも知れないが、 今回はクリヤ谷を下ったということに大変意味があると思っている (一時は そのピストン登山になりかけたが・・・)
1日目はガスに囲まれたものの、全体としては ほぼ天候に恵まれ、満足のいく山行であった。夏季期間中のモヤモヤも解消である。



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