笠ヶ岳 ( 笠ヶ岳:2,897.8m ) 2014.9.9-10 登山



【PHOTO & 記録 笠ヶ岳 4】

 

食事をしつつ、 笠ヶ岳が姿を現すのを待ったが、 この写真が精一杯。
むしろ、状況はドンドン悪くなり、休憩中に笠ヶ岳は完全にガスに飲み込まれてしまったのだった。

さらには、休憩中に抜戸岳の方もガスに覆われ始め、こちらもやがてガスに飲み込まれてしまう。
稜線に立ち、そこから眺める笠ヶ岳の姿を楽しみにしていただけに、かなり気落ちする。

15分の大休止の後 出発し、杓子平カールに入り込む。
無情にもガスはドンドン上がって来ており、 笠ヶ岳、 抜戸岳に加え、美しい三角形を見せていた 2,753m峰の姿も消え、 ついにはカール自体もガスに囲まれてしまったのだった。
テンションが一気に下がり、本日は小屋泊まりなので急いでもしょうがない と思いながらカールの中を進む。

最初は平坦な道が続き、 その後 抜戸岳から南に派生する尾根の左側 (カール内側) を登っていく。

草地の中、ゴロゴロした岩と砂礫の道を登る。
周囲の草は少しずつ黄色みを帯び始めており、その中に生えるコバイケイソウは完全に黄色に変わっている。 晴れていれば、さぞかし気持ちの良い場所であろうことが想像される。

しかし、今は漂うガスが濃くなったり、薄くなったりする中を進む状態であり、 全体を見渡して景色を楽しむことはできない。
岩に付けられた白ペンキを辿って登る。
傾斜は徐々にキツくなり始め、稜線へと詰めていくにつれ、その角度はさらに急になって、息が上がる。

時折 ガスが薄くなる中、後ろを振り返れば、 杓子平の広がりが見える。
花の最盛期、あるいは紅葉の季節には、さぞかし素晴らしい眺めになることであろう。 それだけに、今の状況は辛い。

傾斜の方は徐々にキツくなり、士気が下がっている分、 余計に この登りが辛く感じられる。

喘ぎつつガスの中を登っていくと、カエルのような鳴き声が聞こえ始める。
恐らくライチョウであろうが、いくら探しても姿が見えない。こういう状況であるから、 せめてライチョウの姿ぐらいは見たかったところである (ライチョウはガスが出ている時に姿を現すことが多い)

ガスの中に浮かび上がる壁を稜線と思って乗り越えると、 さらに先にまた壁が現れるという状態が続く。
テンションが上がらぬまま足を進めていくと、やがて左 笠ヶ岳を示す標識が現れた。 稜線に飛び出したのかと思ったら、さらに先がある。
前回の記憶では、稜線からすぐに杓子平への下りになったはずなので、今回 登り着いた所に稜線がないことを少々不思議に思う。

その標識のあった場所から少し登り、ハイマツの間を下っていくと、漸く待望の稜線であった。時刻は12時16分。

余りにも疲れたのでここでも小休止。 先に休憩していた抜戸岳方面から来られた方と話をする。
その方によれば、笠新道は以前とかなり違っているとのことであった。
まず、登り口付近においては、今朝ほど目にした大崩落 (岩小舎沢) により旧道は廃道となり、 新たに道が作り直されたとのこと。また、この杓子平においても、もっと 2,753m峰寄りに道があったとのことである。
24年前に下山した際には、尾根から直接杓子平のカールへ下った記憶があるし、途中 小川の流れを横切った覚えがあったので、 今回 記憶と違っていることを不思議に思っていたのだが、これで疑問氷解である。

10分程休んで、全く先の見えない尾根上を 笠ヶ岳へと向かう。
この道は笠ヶ岳の美しい姿が見られるので楽しみにしていたのだが、本日はもう無理。 明日に期待するしかないが、そうなると明日は笠新道のピストンとなり、クリヤ谷経由で下りられない。些細なことだが葛藤が生じる。

ガスで前方がほとんど見えない中を黙々と歩く。
途中、左手に 『 立入禁止 』『 降りるな 』 との標識のある場所があったが、 恐らく ここが旧笠新道への下降点だったに違いない。



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