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そして、その鳳凰三山 地蔵岳の左には
富士山も見えるではないか。
本当に本日は快晴。
ここのところ、鋸岳、
白根三山、
男体山と、
山の天候、ガスには悩まされてきたので、本日はこの快晴状態がずっと続いて欲しいものである。
休憩中地図を眺め、粥餅石を探す。すると、地図には 『粥餅石への巻き道進入禁止』 とあるではないか。
成る程、道理で粥餅石にたどり着けない訳である。納得。
しかし、どうして粥餅石は避けられるようになったのであろうか。
15分程休憩して出発。後から思えば、この場所は前屏風ノ頭だったのかもしれない。 |
休憩した場所から 10分程進むと、
樹林が途切れ、一気に展望が広がった。
目の前には刃渡り。確かにナイフのように左右に切れ落ちた岩場の上を歩くことになる。但し、鎖が付けられているので、
余程の強風でない限り問題はない。
20年前にここを通った時は、雨とガスで視界が全く得られず、刃渡りからの展望を楽しみにしていただけにガッカリしたのであった。
今回は快晴のもと、素晴らしい展望を得ることができ、それだけでも借りを返した気分である。
時刻は 8時26分。 |  |
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まずは刃渡りの左方を見れば、鳳凰三山 地蔵岳、
赤抜沢ノ頭、そして高嶺が目に付く。
そして地蔵岳の左後方には富士山が見える。
爽快感を覚える展望である。特に地蔵岳のオベリスクがハッキリ見えて嬉しい。
刃渡りの右側を見れば、西の方に鋸岳 第一高点が少し見える。
そこから右に、大岩山、鞍掛山と続き、
さらにその右には、緑の中に一際 白が目立つ雁ヶ原と日向山が見える。 |
日向山の後方には
富士見高原の広がりを間に挟んで、八ヶ岳の見事な姿が見えている。
八ヶ岳の裾野の広がりは誠に優美である。
八ヶ岳左方の
蓼科山は頂上が雲に隠れている。
八ヶ岳の右には奥秩父の山々。
形の良い小川山と
金峰山が目に付く。
瑞牆山は小川山の手前にあるはずだが、
小川山より背が低いのであろう、小川山の懐の中、判別がつかない。
それにしても本当に気持ちの良い天候である。久々の快晴に心が躍る。 |  |
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刃渡りで暫し景色を堪能した後は、再び樹林の中の登りとなる。尾根は狭くなり、コメツガ (と思う) の根が岩と絡んだ道を進む。
この辺から梯子や鎖場が現れる。
梯子は斜面を横切って登るように付けられており、それが結構長い。これなら かなり楽である。
しかも鉄の支柱に支えられており、安全この上ない。あまりにも立派になっているのでビックリである。
ただ雨の日で梯子が濡れていたり、梯子に付いた雪などが凍ると、手すりがないだけにちと怖いが・・・。 |
連続する梯子を登り切り、
少し進むと道は左にカーブする。
その曲がり角が刀利天狗。祠があり多くの石碑が立っている。
刀利天狗というのは、木曽御嶽の中腹にある
三笠山 (田ノ原) に住んでいた刀利天坊のことで、日本の真ん中に
富士山より高い山が欲しいと考え、
富士山の頭をちぎって御嶽の頂に乗せようとしたところ、
休んでいるうちに朝になってしまい、そのまま逃げ出したので、ちぎった富士山の頭は三笠山になったという伝承があるらしい。
ここの刀利天狗も御嶽講の流れをくむのであろう。
なお、下山時の写真の方に載せたが、20年前に見た、
割れた石を繋げ直した石碑が残っていたのは嬉しい。 |  |