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10時23分、七丈小屋に到着。
小屋前のベンチで水分補給とチョコレートを食す。
そこにまるまるとしたネコがやってきて、小生の足元に座った。
何か餌となるものをくれることを期待しているようだ。
色はロシアンブルーというのだろうか、日本の野良猫には見かけない毛色と冷たさを秘めたその目にちょっとビックリ。
チョコレートをあげても食べないだろうと何もあげなかったら、愛想をつかしたようにプイと横を向いて行ってしまった。
七丈小屋の飼い猫だろうか。
道は七丈第二小屋 横の梯子を登り、岩の上に登る。 |
道はテント場手前から崖の上に登り、
さらに第二 ? テント場の上を進む。
この辺の見晴らしはすこぶる良い。八ヶ岳や
鳳凰三山 地蔵岳が良く見える。
富士山は地蔵岳にやや隠れ気味である。
ダケカンバの林を抜けると、周囲の木々も灌木に変わり、
森林限界が近づいてきているのを感じる。
大きな岩の下を通り、高度を上げて振り返れば、その大岩の上に鉄剣が刺さっているのに気づく。
その後方下には七丈小屋の一部が見え、七丈小屋後方の高みの後方には五合目小屋跡のあった棚状の場所、
そしてその後ろに大きな黒戸山が見える。 |  |
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そして、目を北西に向ければ、ややカスミ気味ではあるが、北アルプスの山々も見えるではないか。
まずは、槍ヶ岳の尖塔が目に付く。
左に続く山稜は一旦グッと落ち込み、そこから再び盛り上がる。その高みが北穂高岳、そして左に奥穂高岳、
西穂高岳へと続く。
西穂高岳の左には、形の良い笠ヶ岳、
その左には霞沢岳、その左に盛り上がった山は恐らく焼岳であろう。
また、写真には写っていないが、槍ヶ岳の右には、
常念岳と大天井岳も見える。
お馴染みの山々が見えると、本当に嬉しい。
そして、前を向けば、二本剣の刺さった御宝岩が見える。 |
完全に森林限界を超え、展望は一気に広がる。
鋸岳も良く見えるようになってきた。
やはり、甲斐駒ヶ岳 〜 鋸岳間は厳しそうだ。
上部を見れば、先程までは二本剣の刺さった御宝岩だけが高みの上に突出していたのが、
二本剣の左後ろの高みも見えるようになってきた。
あれが頂上であろうか。それにしてもまだまだ距離がある。
当面は八合目の御来迎場到着が目標である。 |  |
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と思っていたら、すぐに御来迎場に到着。時間は 11時14分。
ここで小休止をすることとする。
聞いてはいたが、この御来迎場の鳥居は崩壊していて、虚しく支柱だけが残っている。
寂しい。
前回この場所に辿り着いた時は、このような高い場所に石の鳥居があることに驚かされたし、鳥居と
甲斐駒ヶ岳の組み合わせが如何にも信仰の山を感じさせ、
黒戸尾根を登ってきたことに喜びを感じたのであった。残念である。 |
しかし、この御来迎場からの展望は素晴らしいの一言。
ついに北岳とご対面である。
まだ手前のアサヨ峰にその姿の大半を隠されてしまってはいるものの、やはり南アの盟主としての風格を感じさせてくれる。
北岳の右には間ノ岳、
そしてさらに右には塩見岳も見える。
その見事な姿に唸るとともに、一方で、先日の白根三山縦走が散々だっただけに、
好天候のもとで北岳、間ノ岳の姿を遠くから眺めるのはちょっと複雑な気持ちでもある。 |  |