火打山 ( 火打山:2,461.8m ) 2013.6.13 登山



【PHOTO & 記録 火打山 1】

定年間近ということを理由に年休を取得して、 このところ会津駒ヶ岳三ノ沢岳と平日登山を行っているが、 この 6月13日の木曜日 (無論平日) にも山に登ってきた。
場所は新潟県の火打山、 2回目の登山となる。山にはまだかなり雪が残っているようで、このところ病み付きになっている残雪登山にはもってこい と判断しての選択である。
しかも、梅雨入りし、さらに台風3号が日本列島に接近して、多くの地域で雨の予報が出ている中、 この火打山近辺 (妙高市、糸魚川市) の予報は晴れなのである。
尤も、お隣の長野県小谷村は曇りの予報だったので、全面的に信じてよいかは疑問だが、それでも貴重な晴れの予報である。

早朝というか夜中の 3時に横浜の自宅を出発する。
横浜は雨で、果たして火打山の方は晴れているのか心配になる。
横浜ICから東名高速道にて東京ICまで行き、そこから環状八号線に下りる。雨量は意外と多く、ますます先行きが心配になる。
環状八号線を北上して練馬ICから関越道に入る。雨は依然として降り続いており、時速100kmを越すと雨がかなりフロントガラスにたたきつけ、 ワイパーが忙しい。不安がさらに増す。

しかし、ありがたいことに関越道を北上するに連れて雨の勢いは徐々に衰え始め、 藤岡JCTから上信越自動車道に入ると霧雨程度に変わり、さらには更埴JCTを過ぎてからは、雨はすっかり止んでくれたのだった。
ただ、青空が広がるという状況にはなく、上空には雲が多い。

空いている自動車道を順調に進む。空模様は相変わらずであったが、長い薬師岳トンネルを抜けた瞬間、 目の前に妙高山が現れ、 さらにはその後方に青い空が広がっていたのである。
あまりにも突然の妙高山の登場に大変驚くとともに、テンションがグッと上がる。妙高山の姿は素晴らしく、 本日は火打山を止めて妙高山に登ろうかと思った程である。

妙高ICで高速道を下りて国道18号線に入った後、すぐに妙高温泉入口で右折して県道39号線に入る。
後は登山口のある笹ヶ峰までほぼ一本道である。道はやがて杉野沢の町並みを抜け、その後はスキー場の脇を通り、山道を進む。
所々狭い所があるものの、全面舗装されており、気分良く進むことができる。
青い空が前方に見えること、そしてやがて現れた笹ヶ峰牧場の牧歌的な景色も気分を良くさせてくれた一因である。

やがて、右手に火打山・妙高山登山口の駐車場が見えてきたので、 右折して車を駐める。時刻は 6時58分。
なお、この駐車場の少し先には、トイレ、売店などが設置された大駐車場がある。
平日にも拘わらず、駐車場には車が 5、6台程駐まっていたので、少々意外な感じを受ける。皆 登山者なのであろうか。


まずは大駐車場まで歩き、トイレを済ませた後、身支度をして 7時9分に駐車場を出発する。
登山口は、写真のように洒落た東屋風の建屋になっており、 上高地にある西穂高岳への登山口を思い起こさせる。
すぐに木道が現れ、樹林の中へと入っていく。道は緩やかな登り。従って足が進む。
木道は断続的に現れる。周囲にはブナの木が多く、足下はその落ち葉が敷き詰められている。また、周囲にササも多い。

樹林の中、緩やかな傾斜の道を黙々と進む。
しかし、これが長いのでイライラする。イラつく理由は、早く稜線上の展望の良い場所に出て、 火打山を始めとする周囲の山々を見たいのに、 なかなかこの森を抜けきれず、一方で空には雲がかかり始めているからである。

やがて、道の傍らに、『 ← 笹ヶ峰、山頂 →、2/9km 』 の標識を見る。
登山口から山頂まで 9kmということであろうが、何時になったら展望が開けるのであろう。
この標識から少し進むと、黒沢にかかるかなり立派な橋が現れた。黒沢橋である。時刻は 7時48分。
橋を渡ると、やがて木の階段が現れ、斜面の傾斜もきつくなる。ようやく山に取りかかるという感じである。

道はやがて、『 十二曲り 』 と呼ばれるつづら折りの急登となる。
ご丁寧に、カーブに掛かる度に 『 2/12 』 といった標識が置かれている。つまり、本当に 12回曲がるということのようだが、 実際はもっとカーブがあったような気がする。

ありがたいことに、この十二曲りにかかると、樹林越しとは言え、 周囲の山々が見えるようになる。
写真 真ん中の山は白馬岳、 その左に杓子岳、白馬鑓ヶ岳が続く。
空には雲が多くなり始めている中、間に合ったことに喜びを感じるとともに、見えている山々のさらに左の方に雲が多く湧き上がっているのを見て、 先行きが少々心配になる。

さらに高度を上げていくと、 ようやく樹林が切れて北アルプス方面を見通せるようになる。
写真は、真ん中左が白馬岳、 そしてその右に見える高みが、雪倉岳。その間に見える小さなピークは、鉢ヶ岳のようである。
しかし、写真でも分かるように、先程まで見えていた白馬岳左側の、杓子岳、白馬鑓ヶ岳はすでに雲に飲み込まれ始めている。
この間、僅か 10分程。このまま行けば、白馬岳も雲の中となるのは時間の問題のようである。

この十二曲りには、山の展望に加え、心を和ませてくれるものがあった。
薄紫色をしたシラネアオイである。
後で調べて分かったのだが、このシラネアオイは地元 妙高市の市の花に制定されているとのこと。

余談であるが、 シラネアオイは日光の白根山に多くあり、 花がタチアオイに似 ていることによるため、その名が付けられたとのことである。
しかし、その栃木県では、鹿による食害などのため、シラネアオイを 絶滅危惧T類 (Aランク) に選定しているとのことであるから、 少々複雑な思いである。

8時18分、十二曲りを登り切る。
これで難所を抜けたと思っていたら甘かった。十二曲りよりも、その先に続く登りの方がキツイのである。
難所を登り切ったという安心感で気が抜けたため ということに加え、 9日に富士山に登ったばかりであり、中 3日ではキツイ。

しかし、高度を上げた分、展望は先程よりもさらに良くなり、雪倉岳より右手の山も見えるようになる。 写真で、真ん中 やや左に見えるのが 雪倉岳、そしてその右に見えてきた高い山は朝日岳である。

ただ、危惧したように、雲の波はドンドンを北アルプスを飲み込んでいるようで、 既に白馬岳 (写真 左) の頂上にも雲が掛かりつつある。
果たしてまだ見ぬ火打山はどうであろうか。



火打山登山データ

上記登山のデータ登山日:2013.6.13 天候:曇り時々晴れ単独行日帰り
登山路:火打山・妙高山登山口駐車場−黒沢橋−十二曲り−富士見平−高谷池ヒュッテ− 天狗の庭−雷鳥平−火打山−雷鳥平−天狗の庭−高谷池ヒュッテ−富士見平−十二曲り−黒沢橋−火打山・妙高山登山口駐車場
交通往路:瀬谷−横浜IC−(東名高速道)−東京IC−(環状八号線)−谷原−(目白通り)− 練馬IC−(関越自動車道)−藤岡JCT−(上信越道)−更埴JCT−(上信越道)−妙高高原IC−(国道18号線)−妙高温泉入口−(県道39号線)− 火打山・妙高山登山口駐車場 (車にて)
交通復路:火打山・妙高山登山口駐車場−(県道39号線)−妙高温泉入口− (国道18号線)−妙高高原IC−(上信越道)−更埴JCT−(長野自動車道)−岡谷JCT−(中央高速道)−相模湖IC−(国道20号線)− 相模湖駅前−(国道412号線)−半原日向−(県道54号線)−中津−上依知−(県道52号線)−相模原公園入口−(県道507号線)−(県道50号線)− 中央林間−鶴間二丁目−瀬谷入口−(かまくらみち)− 上瀬谷小学校入口−上瀬谷小東側−瀬谷 (車にて)

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