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辛い登りもようやく終わりになると、今度は足下に雪が現れる。
ここに至るまでも、残雪はチラホラ見えていたものの、いきなり雪の世界へと突き進んだ という感じである。
この変わり目の所で、若い男女のペアと擦れ違う。そして、その後すぐに 少し年配の方と擦れ違うことになる。
周囲の木々はオオシラビソ等に変わる。そして足下は雪。
ピンクテープ、木に付けられたペンキ印を頼りに登っていくようになる。
雪の上に先程の方達の足跡も残ってはいるが、シラビソなどの葉が雪の上にかなり散らばっているため足跡が見分けにくい。
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オオシラビソ、トウヒなどの木々の中を登っていく。
雪は締まっており、踏み抜くこともなく、また適度に柔らかいのでアイゼンは不要である。
木に付けられたマークを探しながら登る。ただ、気をつけないと、マークが薄くなっているので、見落とす可能性もあり、少しく注意が必要である。
やがて、樹林帯を抜け、目の前がパッと開けるようになる。
恐らく富士見平であろう (と、その時は思ったのだが、ここをさらに登った所がもっと開けていたので、
そちらが富士見平かもしれない。)。時刻は 8時58分。
なお、写真上部・真ん中に影があるが、足を雪の斜面に蹴り込んだ際、
飛び散った雪がレンズに着いたものである。
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残雪の緩やかな斜面を登っていく。
この頃になると、再び青空が見えるようになり、今後に期待を抱かせる。
最後に少し急な雪のマウンドを登り越えると、
目の前に黒沢岳が現れた。
手前には広々としたスペースがあり、傾斜も緩いので、ここが富士見平なのかもしれない。時刻は 9時15分。
この富士見平には黒沢池ヒュッテへの分岐があるはずなのだが、それらしいものは見当たらない。
帰宅後でネットで調べると、この分岐には標識の他、環境省の立てた看板もあるようなのだが、全く見つけることはできなかった。もしかしたら、
雪の下だったのかも知れない。 |
ここでようやく
火打山方面が見えるようになる。
が、何と言うことであろう。ここまで到達するのに 2時間10分程を要したことになるが、それだけ時間が掛かった分、
恐れていたことが現実のモノとなってしまったのだった。
つまり、火打山の上半分程はガスに覆われ、ほとんど見えないのである。
また、火打山火打山の右、荒れた岩肌を有した鬼ヶ城は見えており、その後方に青空が広がっているものの、
そこにも流れるガスがかかり始めている。
これは大ショック。懸念したとおりになり、やはり妙高山にすべきだった、
あるいはもっと早く家を出るべきだったと、反省の思いが頭をよぎる。 | |
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また、火打山、
影火打のさらに左にある焼山もガスの中。
そして、さらに左の金山、天狗原山方面も写真の通りである。
もうこれには本当にガッカリである。ガスの中の火打山登山を考えると、ゾッとする。
救いは火打山手前に、
広々とした高原状の広がりが見えていること。
そこまでガスに覆われていたら、何のためにここまでやって来たのか分からず、情けなくなってしまう。 |
そして、こちらが焼山の姿。頂上付近を覆うガスが重い。
気落ちしつつも先へと進む。
今後の展開に於いて唯一望みがあるとすれば、鬼ヶ城のガスが流れ始めていることである。
北アルプス方面は、南の方から雲が掛かり始めていたが、こちらは北の方からガスが流れてきているようで、
もしかしたら鬼ヶ城に続き、
火打山のガスも流してくれるかも知れない。 | |