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一面 雪の原と言ったが、雪に覆われた天狗の庭にもしっかりと春はやって来ているようで、
一部に草、そして水面が顔を出している部分がある。
しかし、それにしても
火打山の姿は美しい。
夏、そして秋も素晴らしいことは間違いないだろうし、無雪期、天狗の庭の水面にその姿を写す光景は人々を魅了すること間違いないであろうが、
こうして雪原の向こうに優美な姿を見せている光景も大変魅力的である。 |
この雪の原にもピンクテープの付いた竹の棒が立てられている。
が、しかし、ここもかなり広いため、ガスが出て視界が悪くなると、少々厳しいかもしれない。
雪原進む。足下はしっかりしているが、それでもすぐソバに雪が融けて水が流れている場所があったりするので、
闇雲に進むわけにはいかない。
左手の火打山に
ガスが掛かっていないことを確かめながら進む。
そして、雪原が終わると、雪の斜面を登ることになるが、距離は短い。 | |
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少し高度を上げて振り返れば、天狗の庭が一望できるようになる。
後方に見えるはずの山々は、雲に覆われて全く見えないが、こうして天狗の庭、
火打山を見ることができているので、
贅沢は言えない。
先に述べたように、雪の斜面は短く、すぐにササ原の中を割って進む土の道となる。
尾根に登り着くと、道は左に折れ、火打山へと向かって進むことになる。
右側には、今まで見えなかった東側 (と思う) の景色が見えるようになり、妙高市と思われる市街と、その周辺の平野部、
そしてその後方に白く冠雪した山々が見える。
越後駒ヶ岳などの越後の山であろうか。 |
また目の前には鬼ヶ城の断崖絶壁が、
迫力ある姿を見せている。
この鬼ヶ城は磐梯山の櫛ヶ峰を彷彿させることから、
櫛ヶ峰と同様、火山の水蒸気爆発による山体崩壊によって山肌が露出したもの と信じ込んでいたのだが、
調べると火打山は火山ではないのだとか。
隣に今も活動を続ける焼山があり、妙高山も成層火山。
その間にあり、さらにはその名前から火山を連想させることから、
てっきり火打山は火山と思い込んでいたのだった。
となると、この鬼ヶ城はどのようにして形成されたのであろう。
ちなみに、火打山の名は、
その山容が火打石に似ていることに由来している とする説が有力らしい。 | |
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左手には、高谷池ヒュッテに至るまでの間に、その頂上が見え隠れしていた金山と天狗原山が見える。
ここの高さでは見えないのかも知れないが、金山の右後方には雨飾山も見えるはずである。
後方に雲が多いのが気になるが、運が良ければ火打山頂上で
雨飾山を見ることができるかも知れない。
この尾根歩きになってからは登山道上に雪は無く、快適に進むことができる。
ただ、右手には鬼ヶ城から雪渓がずっと続いている。
道の傍らにはタカネ (ミネ) ザクラが、今まさに花を咲かせようとしており、この雪深い山にも春が訪れつつあるのが分かる。 |
振り返れば、天狗の庭、
そしてその後方に高妻山、
乙妻山が見える (写真には写っていない)。
そしてその左には、黒姫山も少し見えている (写真 真ん中後方の黒い山。
黒沢岳の斜面上に見える)。
また、周囲には木々が芽吹き、その後方には雪原。
そしてその雪原の所々にも、緑が見え始めている。まさに冬から春への転換を象徴しているような光景である。 | |