富士山 ( 富士山:3,775.6m ) 2013.6.9 登山



【PHOTO & 記録 富士山 1】

梅雨に入ったにも拘わらず、それが間違いではないかというような天候が続いていたが、 どうやら6月10日(月)からは梅雨らしい天候となるようである。
それならばと、梅雨空が続くようになる前、最後の晴れとなりそうな 6月9日の日曜日に山に行くことにした。
ただ、この日は色々用事があって 18時前には帰宅せねばならず、また、翌日から仕事であることを考えると、あまりハードな山登りは避けたいところである。
さらには、このところ残雪の山を楽しんでいることから、できれば今回も残雪のある山に登りたい・・・。

といった条件のもと、検討を重ねた結果、 今注目が集まっている富士山に登ることにした。
もともと人気の高い山だが、 世界遺産に登録されれば なお一層混むことは必定、さらには入山料徴収も検討されているとあっては、 今のうちに登ってしまいたいところである (個人的には入山料設定は致し方ないと思っている)
(なお、6月22日、正式に富士山は文化遺産として認められた。)

富士山には過去 2回登っているが、剣ヶ峰登頂、 お鉢巡りは 2回目に登った時のみ。
しかも、その時は雨交じりの天候で全く展望を楽しめなかったので、いつかは再チャレンジしたい という気持ちを持ち続けていたのであった。
しかし、一方でこの山は登る山ではなく、眺める山であるということを 2回の登山にて痛感したことから、3回目の登山に対し二の足を踏んでいたことも事実である。
ただ、今回は残雪が多く、今までの富士登山とは少し違う面が楽しめそうだ ということが最終的な決め手になったのだった。
そして、過去 2回の登山は麓から登ることに拘っていたのであるが、今回は時間的な都合もあって五合目から登ることにした。 先日の駒ヶ岳ロープウェイを使用しての 三ノ沢岳登山にて少し考え方が変わってきたこと、また 60歳になっていつまでも青臭いことを言っていても、 やがて体力の方がその拘りについて行けなくなるだろうと思い、少しずつ拘りをなくすことにした次第である。

さて、いくつかある富士山の登山口のうちどこから登るかであるが、 過去 2回は吉田口からだったので、今回は当然他の登山口からにしたい。地図を見ながら色々検討した結果、 富士宮口から登ってお鉢巡りをした後は御殿場口へと下り、途中から宝永山に登って富士宮口に戻る というルートをとることにした。
これで単調なピストン登山は避けられるし、興味を持っていた宝永山にも登れるので結構楽しめそうである。

3時40分、横浜の自宅を出発する。快晴の天気予報にも拘わらず、上空には雲が多い。
自宅近くの横浜ICから、御殿場ICを目指して東名高速道に乗る。このアプローチの手軽さも、今回富士山富士山を選んだ理由の一つである。
御殿場ICを目指す中、空も徐々に晴れ始め、まだその頂に雪を残す富士山が 周囲の山々の上に浮かび上がっているのが見え、テンションが上がる。
御殿場ICからは、いつも下りるバイパスの方ではなく第一出口へと下り、県道401号線に入る。
国道246号線、県道23号線とナビに従って進み、 富士山スカイライン (県道23号線+県道152号線) に入る。
途中、何度か富士山の姿を見ることができたのだが、国立中央青少年交流の家と米軍キャンプ富士との間の道路から見た富士山が、 その山肌が薄いオレンジ色に染まり、美しかった。ここから見上げる富士山は、その左斜面途中に 宝永山、宝永火口を見ることができる。

道は、陸上自衛隊東富士演習場、富士山御殿場口への分岐を過ぎ、 水ヶ塚公園の横を通過した少し先で右折し、徐々に富士山の懐へと入っていくようになる。
ジグザグのカーブが続き、その終点が富士宮口五合目。到着は 5時28分。
上の駐車場はほぼ満車状態であったものの、 その下の駐車場はかなり空きがあったので、混雑を避けて下の駐車場に車を駐める。
なお、上の駐車場は満杯とはいえ、全部の車が登山者という訳ではないようで、ご来光などを眺めに来た方も多くおられるようである。


身支度をして 5時35分に駐車場を出発する。
石の階段を昇って、上の駐車場に至り、車道を進む。
一旦 登山口を通り越してトイレに立ち寄った後、再び 登山口へと戻る。
サー・ラザフォード・オールコックの登山記念碑がある登山口を 5時42分に通過して山に取り付く。
空には雲が再び多くなってきてはいるものの、登山口から頂上方面が見通せる。

如何にも火山を思わせる赤茶けた土、そして黒い溶岩の道を登っていく。

やがて、六合目に到着。時刻は 6時丁度。
ここで左折して、2つの山小屋 (雲海荘と宝永山荘) の間を進む。すぐに写真のような、通行止めが現れるが、 無論、皆 このバリケードを乗り越えて先に進んでいる。
ロープで囲まれた岩だらけの道を進む。
見上げれば、上部まで見通せるが、木は 1本もなく、また草もほんの少し。荒涼とした風景が続いている。

なお、先程の六合目で、左折せずにまっすぐ進めば宝永山であり、 帰りはそちらから戻ってくる予定である。

岩がゴロゴロした道をジグザグに登っていく。
前回の富士山登山では、 頂上のお鉢を回る際に、歩いていながらも 眠くて眠くて仕方ない状態になり、高山病かもしれないと思ったのだった。
吉田口登山道の馬返しから登って そういう状況に陥ったので、今回、いきなり 五合目 (2,400m) からスタートしたことに一抹の不安を感じざるをえない。
呼吸が大きく乱れないように、少しユックリとしたペースで登ることを心懸けて進む。

6時40分、七合目の小屋に到着。この時期、小屋は閉まっていて当然だが、 それにしても小屋の名前が分かるものがどこにもない (こういう小屋が結構多く、これが後で 困ったことになる)

小屋前から登り来たりし方向を見下ろせば、写真のように土と岩の斜面、 駐車場、六合目の小屋が見える。
また、後方には、やや霞み気味であるものの愛鷹山も見ることができる。
写真では分かりにくいが、二重になっている山の手前に見える方が越前岳、 そして後方が位牌岳 (左) と愛鷹山であろう。
また、東の方を見やれば、下山ついでに登るつもりの、宝永山のドーム型が見える。

アンツーカーのような赤褐色の道を、ジグザグに登っていく。
意識してユックリと登っているが、今のところ 苦しくも何ともないので、少しペースを上げる。
考えたら、先日の中央アルプス 三ノ沢岳も、 ロープウェイを使っていきなり 2,612mから登り出したのだった。 高山病について、それ程 神経質になる必要は無い。

少しペースを上げたことで、何人かを追い抜く。
とは言っても、まだ 山開き前。夏のように登山道は大混雑という状況ではなく、 適度な登山者の数に思われる。

しかし、富士山が世界遺産に登録されたら、 登山者の数はかなり増えることであろう。 周囲を見ると、斜面に大きな岩が転がっている。富士山は決して安全な山ではないのである。
興味本位で登る人が増えないことを願うばかりである。

七合目を過ぎると、右手の斜面に雪渓が現れる。
足下の方は、今までの砂礫+岩の道から、溶岩流が固まったような道へと変わる。
写真の上部に見えているのは、元祖七合目にある山小屋。
元祖七合目は、標高 3,010mとのことで、本年初めての 3,000m越えである。



富士山 登山データ
上記登山のデータ 登山日:2013.6.9 天候:晴れのち曇り 単独行 日帰り
登山路:富士宮口五合目登山口−六合目−新七合目−元祖七合目−八合目−九合目− 九合五勺−浅間大社奥宮−剣ヶ峰−白山岳−久須志岳−久須志神社−銀明水−浅間神社奥宮−銀明水−八合目−わらじ館−宝永山・砂走り分岐− 宝永山−宝永山第一火口−宝永第一火口縁−六合目−富士宮口五合目登山口
交通往路:瀬谷−横浜IC−(東名高速道)−御殿場IC−(県道401号線)−くみ沢−(国道246号線)− くみ沢丸田−(県道23号線・県道152号線:富士山スカイライン)−富士宮口五合目登山口(車にて)
交通復路:富士宮口五合目登山口−(富士山スカイライン:県道152号線・県道23号線)−くみ沢丸田− (国道246号線)−くみ沢−(県道401号線)−御殿場IC−(東名高速道)−横浜IC−瀬谷(車にて)

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