富士山 ( 富士山:3,775.6m ) 2013.6.9 登山



【PHOTO & 記録 富士山 7】

最初はガスもなく、赤や黒の火山岩塊が敷き詰められた道を下る。
先程 2人に出会ったのが奇跡と思うくらいに、静かで誰もいない登山道である。
やがて、周囲のガスが立ち込め始める。
上部の方にはガスはないが、2人の方が言われたように、下の方はガスが濃いようである。
登山道にはロープが張られているので、迷う心配はあまりないが、宝永山への分岐が分かるかどうか 不安になる。
途中、ブル道を横断したので、もしかしたら右に進めば富士宮口登山道に合流するかもしれない と思ったものの、 標識も何もないので、ここは登山道を下る。

ついにガスの中に突入する。
先程も述べたように、ガスで先が見えなくても、登山道に張られたロープが、導いてくれる。
それでも不安を抱きながら下る。

そんな中、山小屋が現れるとホッとするが、山小屋に名前が見当たらない。
この時期、山小屋が閉まっているのは当然だが、山小屋の名前がどこを探しても見つからないのである。
従って、ガスで視界がない中、今どこにいるのかを確認することが全くできない状態で、不安が増す。

そんな中、助かったのが、 わらじ館 (七合四勺) のバイオトイレの存在 (写真) である。 バイオトイレ横にあった解説書きの中に、わらじ館の文字があり、ようやく現在地を確認できた次第である。
こうなると、次に現れる小屋が 日の出館ということが確認できる訳で、さらにはその日の出館手前にあるはずの分岐点に 注意を向けながら進むことができる。
わらじ館を 12時52分に通過。

やがて、前方に青い建物が浮かび上がってきた。
恐らくあれが日の出館との当たりを付け、その手前にあった雪渓を右に下ることにする (雪渓の上にシリセードの跡、 古い足跡あり)

しかし、雪渓が途中途切れるともう分からない。雪のない部分に沿って左の方に進むと、 道を示すロープがあったので、御殿場口に下るのも致し方ない と思いながらその道を下る。

御殿場口からタクシーが呼べるだろうか と不安に思いながら下っていると、 何と言うことだろう、奇跡か神がかりか、ガスが一瞬サーッと引いて周囲の視界が得られるようになり、 右手にある泥のような雪渓の向こう側に斜面に沿ったロープが見えたのである (写真)
思わず声を上げ、奇跡に感謝しながら、泥に覆われた雪渓を横断する。
その道に登り着くと、道に沿ってロープがずっと下方へと続いていたのであった。ただ、鉄杭などに張られたロープではなく、 地面に這わせてあるロープなので、雪が積もったら全く見えなくなる。

また、この道には目印として太い木の柱が所々に立てられていたのだが、柱には導 (しるべ) となる文字などは一切無いので、意味を成さない。

もうこれで安心と思ったものの、この道が正しいという確信を得られるものは何もなく、 まだ全面的には信頼し切れないまま道を下る。
しかし、ありがたいことに、暫く下るとガスの中に方向指示を示す標柱が現れ、しかもそこには 消えかけてはいるものの、 文字が残っていたのであった。宝永山は斜め右、まっすぐは御殿場口 (下り専用の砂走り) である。

宝永山への道は斜面を横切るようになっており、 この方向指示がなければ、このガスでは見分けがつきにくい状態だったので本当に助かった (13時12分)

暫くほぼ平らな道を進み、やがて写真にある土手のような道を進むことになる。
すると、再び標柱が現れたが (13時17分)、そこには 『 馬の背 』 の文字はあるものの、 肝心の方向を示す部分の文字は、下ってきた御殿場六合目を示す以外は消えている。
恐らく右に下る道が富士宮口への下山路、宝永山へは直進との見当を付け、まっすぐに進んでみる。

すると、ガスの中、同じ方向に進む男女のペアがおられたので、道を確認すると、 小生の推測が正しいことが分かったのであった。感謝しつつ 2人を追い越し、 土手のような道を急ぐ。



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