価値観が崩壊した喪失感
吉田太郎氏評
(「CUTIN」より)
失業親父がお嬢様を誘拐、だが誰も誘拐だと思わない。
日常と非日常の落差が消失した今、非日常へ連れ去る誘拐などありうるか?
皮肉にも人質だけが男を誘拐犯と信じた。
演技も発声も様式化され感情の発露は抑制される。
早口の台詞は弾丸のように意味を投げつける。
背後にあるのは、確かだった価値観が崩壊した喪失感である。
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はじめて新転位・21の公演をみました。
最初から最後までセリフのやりとりのテンポの速さと
役者のテンションに絶句しました。
こんなにもせつない舞台をみたのは初めてです。
次回も必ず見に行きます。(世田谷区 A.O)
すごい芝居でした。理解できるかできないかは別にして
こういう世界観があるかと驚いた。(無記入)
すごく面白かったです。信じてもらえない寂しさが伝わってきて、なんだか哀しかった。(無記入)
10年前にやろうと思って、よく読んだのを思い出しました。今になってもおもしろく、すぐれた戯曲だと思います。(目黒区 Y.N)
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「ぼくは17才」にひき続き、たのしく観させていただきました。はるばる前橋から来て観たかいがあります。(前橋市 T.H)
素直に自分を出すってこういうことなんだなあ☆と思いました。勢いと静けさがはっきりしていて面白いと思いました。空間の使い方も好きです。(昭島市 Y.A)
これまで味わったことのない不思議な空間とこだわりを感じて楽しかったです。(さいたま市 Y.T)
久し振りに転位の芝居観させていただきました。ラストがいつもながら感動的ですね。(立川市 K.N)
芦屋のお父さん(木村健三)がなんだかすごかった。
凄かったというのもなんだか失礼ですが。
体力を要する芝居は貴重ですね。(春日部市 A.T)
様式的な演技と発声、繊細かつ大胆な音の使い方が
「ここではないどこか」の消滅とTVというテーマと絶妙にマッチしていて素晴らしかったです。(無記名)
どこまでが事実なのか、心情は本人にしか分からないので
実際のところはよく知り得ません。
が、TVや新聞で取り上げられる犯罪のさらに奥の奥を
目撃した証人のような気分になっています。
(観客のほとんどがそうなのでは?)面白かったです。(目黒区 I.Y) |